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アルセリオンの神話『聖魔ルチア』  作者: エスケー
ルチアとアルセリオンの出会い編
3/14

第2話:存在外の存在『アルセリオン』

私の肩から、何がすうっと現れた。


見れば、それは白い球体だった。


「あっ! この子だ!」


思わず声が出る。間違いない、この子だ。私の体の中に入り込んだ、あの時の……!


やっぱり見間違いじゃなかったんだ!!


『よォ、ルチア。悪いな、身体借りてる』


耳に届いた瞬間、頭の奥がチリッと痛んだ。

変な言語のはずなのに――なぜだか、はっきり意味がわかる。


「……貴方、何者なの!?」

『アルセリオンだ。訳あってお前の身体に寄生させてもらってる。じゃないと俺が死ぬからな』


寄生……? 勝手にそんなことしてるってこと!?


「私の身体は無料じゃないんだからね!! 出ていって!」

『時が来たらな』

「それっていつよ!!」

『さぁな。ただ、早く出ていって欲しいなら――俺に何か食わせろ』


そう言いながら、アルセリオンと名乗った白い球体は、ぬるりと触手を伸ばした。

次の瞬間、私が一生懸命運んだ二つのりんごが、目の前でみるみるうちに食べられていく。


『……普通にうまいな』

「 普通って何よ!上手いだけでいいでしょ! 余計な感想いらないし! っていうか勝手に食べないでよ!!」


私が肩をペチン!と叩くと、アルセリオンは左肩にぴょこんと現れた。

むっ、としてもう一度左肩を叩くと、今度は右肩にひょいっと移動する。


「ちょっ……! ふざけないでよ!!」


さらに叩くと、また反対の肩へ。


「なにそれ、もぐら叩きじゃないんだから!!」


私は両肩を交互にペチンペチンと叩きながら、ぷくっと頬をふくらませた。

アルセリオンは楽しそうに動き回っているけど、私は本気で怒ってるんだからね!!


「このっ!!」


私はアルセリオンを追いかけて、部屋の中を走り回った。

だけどあいつは、私の身体のあちこち――頭の上や背中、足元にまでひょいひょい現れるから、全然捕まえられない!


「待ちなさいってばー!!」

「やーだねぇ〜」なんて声まで聞こえる気がして、余計に腹が立つ!


ドタバタ、ガタガタ。部屋中を巻き込んだ騒ぎになったそのとき――


ドーンッ!!


勢いよく扉が開いた。


「ルチア!!!!!!」


そこに立っていたのは、怒りで顔を真っ赤にしたお母さんだった。

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