プロローグ 急転直下、命の危機。
ラブコメです(*'▽')
「おはよー……ん?」
早朝、いつも通りに起床した俺はリビングへ向かった。
するとテーブルの上には、一枚の紙きれ。もしかしたら両親は早くに仕事へ出て行ったのかもしれない。我が家はそこまで裕福ではないため、高校生の俺もアルバイトに明け暮れる日々だ。
おおよそ、今夜の帰りもまた遅くなる的な内容だろうと思った。
だが、それは大きく外れていて――。
「……マジ、かよ」
文面を目の当たりにした俺は、頭の中が真っ白になりながらそう呟いた。
だって、そこにあったのはこんな申し送り。
『拓海には悪いけど、お母さんたちは夜逃げします! 借金取りの人たちがきたら、適当に言い訳しておいてください! よろ!』
それこそ『ちょっと買い出しに』くらいの気軽さで。
俺は手に取ったその便箋をわなわなと震わせ、しかし一生懸命に思考を巡らせた。まずやるべきなのは、いったい何だろうか。とりあえず深呼吸をしつつ、文章から読み取れる内容を必死になって頭に叩き込んだ。
両親曰く、借金取りの人たちがくる、とのことだが。
「え、あ……はーい!」
そこまで考えたところで、玄関からインターホンの音。
俺はいそいそと、そちらへ足を運び――。
「はい、何です――」
「ここさ、明坂さん家で合ってるよねぇ?」
「……………」
無警戒にドアを開けると、そこにはサングラスをかけた強面の男性が数名。
全員が高校生である俺よりも一回り身体が大きい。そして素人目に見てもわかるのは、その道のプロであろうということだった。指紋を残さないように、ご丁寧に黒の皮手袋を着けている。もしかしたら、懐には一般人がまず手にすることのない武器があるかもしれなかった。
「あ、あって……ます、けど」
「ほう? 坊主、親御さんはどこだ」
「え……っと、それが――」
その中の一人に睨まれ、俺はつっかえながらも正直にすべてを白状する。
ここで下手に隠し立てすれば命に係わると、そう思った。
だが、やはり本職は甘くない。
「はーん、なるほどなぁ? でも、坊主が嘘ついてる可能性もあるわけだ」
「そ、そんな! 嘘だなんて……!」
「なに、少しばかり痛い目に遭ってもらえば分かることだ」
「い、痛い目……?」
怯えながら必死に訴えるが、相手は聞く耳を持たず。
他の男たちにこう指示を出した。
「おう、この坊主を運び出せ!」――と。
◆
「おら……よっ!!」
「ん、ふ……!?」
鉄パイプが脛に直撃し、嫌な感覚が広がった。
幸い折れていないだろうが、あるいは妙なところで手加減をしているのかもしれない。それもそのはずか。彼らにとって、俺が口を利けなくなったら債権の回収ができない。
だったら意識を失わない、殺さない程度に痛めつけるのが良いのだろう。
それでも、もうすでに全身は痣だらけに違いなかった。
「おう、さっさと知ってること話せよ」
「…………知らない、んです」
「あぁ……? んなわけねぇだろうが!」
「あ、が……!?」
正直に伝えるが、今度は後頭部に一撃。
額になにかが伝っていくが、おそらくは出血したのだろう。
「まさか、誰か助けにきてくれると思ってるのか? 残念だがな、こんな寂れた倉庫になんて誰もこないからな」
「う、ぐ……」
「……ちっ! これはマジで、知らないかもな」
全身を襲う痛みに、顔をしかめる。
いま意識を失えば本当に、死んでしまうかもしれない。そう思っていると、
「おい、コンクリ用意しとけ! 沈めても問題ない」
「……え?」
そんな信じられない言葉が聞こえた。
コンクリートで、沈める? それってつまり――。
「おう、高校生のガキでも意味は分かるみたいだな」
「や、やめて……くれ……」
その宣告に、俺は必死になって縋り付いた。
しかし、男性はそれを振り払うと言う。
「恨むんなら、馬鹿みたいな借金を作った親を恨みな」――と。
それで、終わりだった。
これまで普通に生きてきた俺の人生は、あっけなく。
一人の味方もなく、こんなどこかも分からない場所で終わってしまう。
そんなのあんまりだ。
そう、思った時だった。
「その少年の身柄を渡してもらおうか!!」
突然に倉庫の扉が開かれ、そんな声が響いたのは……。
あ、れ……ラブコメ(*'▽')???
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