メメント・モリの溟海

これは、地表の内八割以上を大海原が占める世界、《溟海》の物語。

奇妙な空間で、奇妙な《影》は告げた。

『人を助け、強くなり、世界を救え』と。

奇妙な空間で、故知らぬ剣士は応えた。

『………は？』と。

気付けば、見知らぬ浜辺で倒れていた剣士──ルカは、状況を呑み込めないまま、ファルセという名の《魔導人形》と出会う。二人は、不幸にも見知らぬ土地に放り出されてしまった記憶喪失者だった。互いに同じような境遇に置かれていることを知った彼らは、自然と協力していくことになる。

ルカは、謎めいた影が言った言葉に突き動かされるように。

ファルセは、人形である自分の作成者を探し出す為に。

そして、二人共に記憶を取り戻せることを願いながら。

彼らの進む旅路の果て、きっと思い知るだろう。
メメント・モリという言の葉、その意味を。

この作品は「ハーメルン」にも掲載している「メメント・モリの溟海（ヴァスト・ブルー）」のリメイクです。気に入らない部分（直球）を設定から直している為、展開は大きく異なります。