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TANKS war~もう一つの歴史~  作者: 三河 晃司
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枢軸の世界

【第二次世界大戦】……。それは、世界最大で最悪の戦争として今も語り継がれている。()()()()()。この年に恐怖の戦いは終わるはずだった……しかし、勝利の女神は枢軸国に微笑んだ。

1940年7月。バトルオブブリテンによりイギリス本土の空軍及び海軍が殲滅(せんめつ)され、アシカ作戦が実施された。対空戦力を失っていたイギリスは成す術もなく軍事拠点と都市を奪われ、約1年で本土を攻略されてしまい1941年4月に降伏した。同年6月に独ソ戦が始まるとソ連赤軍は【タイフーン作戦】において、一度はドイツ軍を挫折させたが1942年6月に【青作戦】でソ連が大敗。これによって形成が完全に逆転し、モスクワが陥落。1945年6月にソ連はドイツへ降伏した。

イタリアも、戦勝しアフリカへ兵力を向けられるようになったドイツと連携して北アフリカから南へと軍を進め、母国が消えても必死に抵抗を続けていた南アフリカの連合軍を1945年7月までに殲滅した。

日本は日中戦争がはじまると東南アジアで急激に力を広めたタイと連携し、中国を短期攻略。軍備及び技術力が日中戦争開戦直後の約3倍増しとなった日本軍は1940年10月にアメリカへ宣戦布告。ミッドウェー海戦で大勝利を修めると、アメリカ本土にまで上陸した。そして1945年10月にアメリカとカナダは日本へ降伏した。

タイは、というと枢軸国に参加し、日本を支援しながら自らも、インドとパキスタン、オーストラリアを攻略し、戦乱のどさくさに紛れて中立地域であった中東を占領した。

全ての戦線が枢軸の色に染まった翌月1945年10月20日……ベルリン講和会議によりシャルロッテンブルク条約が締結され、連合国側の大国たちは大半を併合され、自治領のみが生存権となった。旧連合側の各地域は戦勝国であるドイツ、イタリア、日本、タイで分割することとなり、完全なる独裁を達成した各国により世界中で言論の自由が奪われ、多種多様な思想さえも強制された。しかしファシズムに染まりきる者もいれば、そうでない者もいた。が、そうでない者は、大抵がシベリアなどでの永久労働を課されてその大半が命を落とした。

しかしつかの間の平和も長くは続かなかった……。世界中の人々が希望を失いかけていた1959年8月24日にその日が来た。各地域に潜んでいた連合軍残党たちが反乱を起こし、それに伴い反乱軍などが結成された。その後1年の間にも、思考や言論の強制などでしいたげられ、不満が溜まっていた学生たちによるゲリラ隊があちこちで結成され、中には装甲車両などを持つ強力な部隊も現れ、鎮圧を一層困難にしていった。

反乱が始まって4年の1961年秋。始まって以来ずっと停滞し続けていた戦線が再び動き出した……。

~★~★~

1961年9月13日……

トリガーを引く。その(たび)に火薬の匂いが鼻をくすぐるが、意識は前方に向ける。目の前で標的に砲弾が命中し炎を上げて一人、また一人と散っていく……。


「大体片付いたかな。……どう思う?。」


少し陽気な感じの声でそう言われればそっちに傾けるしかないのでやむなく意識ごとエメラルドグリーンの瞳をヘルメット付属の小型無線の方へやる。


「それは第二・第三小隊の報告を聞いてからだ。……そう言いたいところだけれど

少し妙だな。」

「ん~。そう言われちゃーそうかもな~。」


声の主はやる気がなさそうな声を出すが、この言い方をするときは頭をフル回転させている時だということは三年間の付き合いにより分かっている。当然、第三小隊でこの声を聴いているはずの彼女もこのことはわかっているはずだろう……。

【ブルースターゲリラ戦車隊】……学生ゲリラの中でも最も貴重な戦車を主戦力としながら、ゲリラ隊の中でも一番被害の少ない部隊。死者()()を1959年に結成して以来、2年もの間ずっと保持し続けている。2年の間で隊員は100人にまで上っているが、戦闘員はせいぜい40名程度。その代わり、この40名は2年この戦線で戦い続けてきた部隊のエリートだ。


「とりあえず報告を聞いてからだな。」


ようやく結論づいたらしくあちらも各員の装備を確認し始めた。

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