7話 アイテムボックス
「ククク···クハハ!」
あ、どうも、ラスボスっぽい笑い方をしてみたノアです。
どうもこれからの自分の立ち位置が分からない。
·····というよりも今の時代すら知らないし。
ゲームの本編始まってるのかなぁ····。
木から〈死神の果実〉をもぎ取り、リュックに詰める。
スペースを開けるために、入れておいた魔法具を体に装備する。
一つ目、〈破壊の数珠足輪〉ⅹ2個、半透明な数珠が輪になって出来ている足輪。効果は攻撃力1.1倍。
二つ目、〈白銀のローブ〉、白く神々しい白銀の長いローブ。効果は状態異常無効。
三つ目、〈星のネックレス〉、金の鎖に星の装飾が施された青い宝石が付いた首飾り。魔力を流すと心地よい音楽が流れる。実はあるダンジョンに入る為の特殊アイテムでもある。
四つ目、〈流れない時の流れ〉、どこか古ぼけた感じの灰色の腕時計。所有者にのみ千年おきに時の流れを伝える。大昔神々が使っていたという言い伝えがある。効果は素早さ少up。
五つ目、〈万魔源〉、どんな魔法具や魔道具にも変化する特殊アイテムで、使用前はこげ茶の球体の形をしている。
一度効果を決めると二度と変えられない。
えーと····数珠足輪を足に着けてローブに着替えてネックレスを着けて腕時計を着けて····と。
ネックレスが2つになってしまった。
まぁ長さ違うし····オシャレってことにしとこう。
よし最後は····テッテレーン!〈万魔源〉ぇ~!
このアイテムはどんな魔法具や魔道具にもなれるスグレモノだ!
ゲームでも重宝したものだ。
ちなみに魔法具と魔道具の違いは、人工的に作られた物が魔法具で、ダンジョン等で採取されるのが魔道具だ。〈万魔源〉は鉱山系のダンジョンで手に入るかなりレアな魔道具だ。
〈万魔源〉を握り、強く念じる。
すると、手のひらの球体の形が変わっていく。
やがて〈万魔源〉は、1つの指輪になった。
〈収納の指輪〉レア度☆☆☆☆星4だ。
説明は···アイテムボックスだな、うん。
「収納!」
食糧や水がリュックごと指輪に吸い込まれる。
これでよし、と。
今の持ち物は・水・食糧・金銭・〈死神の果実〉ⅹ10個だ。
魔法具や魔道具の類いは全部装備したし、他の持ち物はアイテムボックスに入れたので体が軽い。
ちょっと寄り道してしまったけど今度こそ出発だ。
勇者のいる街へ·····というよりも地上へ!