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4話 《底なし沼》《霧の小島》


キチキチ


どこかで鳥が鳴く


暑くもないのに重い水分が体にまとわりつく。

ツンと鼻にくる沼地の匂い、地面には大量の頭蓋骨が転がっている。


····ここは魔界の危険地帯、《底なし沼》。

一度足を踏み外せば二度と空を見る事は出来ない死の沼地。



◇◇◇



「いやー沼だねぇ···。」


さて、やってまいりました《底なし沼》でございます。

不死身だからこそ気を付けないと····。

万が一落ちたら永遠に沼の底でもがき続ける事になる。


《底なし沼》はダンジョンだ。

運営曰く、《底なし沼》は普通の沼地が長年魔界の魔力を吸い続けてダンジョンに進化したそうだ。


内容はその名の通り底が無い沼地で、真ん中に小島がある。

そこがダンジョンの入口だ。

沼地を渡るには空を飛べる魔物を仲間にするか、他のダンジョンで沼地を泳げる装備を手に入れるしかない。

最も、魔物を仲間にするのも沼地を泳げる装備を手に入れられるのもストーリー終了後だが。


しかし、今回はダンジョンに入る必要は無い。

俺の目的は〈死神の果実〉を手に入れる事。


沼の周りを回る様にぬかるんだ道を進む


沼を半周程回ると、霧が出始めた。

道は合ってる様だ。


実は《底なし沼》には、二つの小島がある。

一つがダンジョンへの入口で、もう一つが隠れステージである《霧の小島》だ。

〈死神の果実〉はそこにある。


濃くなってきた霧に視界を奪われる。

残された僅かな感覚のみで、沼に落ちないように道を進む。


《霧の小島》は、《底なし沼》の裏側にある。

行き方は簡単で、沼の裏へと歩き続けるだけ。

しかし、その道中にはいくつかの罠(初見殺し)が待ち受けている。


「お、着いた!」


いやー疲れた。

体よりも精神的に来るものがある。


ともあれこれでトラップはあと二つだ。

霧での視界妨害も罠の一つだからな。

実際何度かヒヤッとした。


十数メートル先に、霧に包まれた小島が朧気に見える。


·····あれだな。


今俺の目の前にあるのは、小島に続く泥の1本のみち。


慎重に前の道を踏む。

すると、ガコンと音がして目の前を弓矢が掠った。


そう、二つ目のトラップはズバリ、踏むと弓矢飛んでくるよトラップだ。

典型的なトラップだが、これが面倒臭い。

なんとこの道、奥に進むば進むほど罠が複雑になるのだ。


最も、罠というのは知らない事が前提だ。

でも俺は知ってる。

·····ゲーマー舐めんな!


泥の道を駆ける


右左右右


落とし穴を飛び越え槍の雨を避け、進む。


左左右右右左右左·····


最後の横一列全部の落とし穴を飛び越えて·····


「ゼェゼェ·····ご、ゴールだぁ~。」


直径100メートル程の島。なだらかな丘になっており、頂上には1本の木が生えている。

木には見るからに怪しい果物が実っている。


あった···〈死神の果実〉だ!

でもその前に····


「こいつをどうにかしなきゃな····。」


俺は目の前にデンと構えこちらを睨む沼地のボス❨オオワセンガエル❩を見ながら呟いた。



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