3話
俺がこの独房に来て3日がたった
俺がどうやって独房に来たかわからない
母親を殺した罪なんだろうけど、確か俺も一緒に焼かれたはずだ。なのに俺の肌は焼け焦げた後がない
しかも現代の日本の独房とは材質違いすぎる
3日経っても誰とも合わないのも謎だ
俺はやる事もないので母親を殺した事を後悔しながら独房の隙間から入る日差しを見ていた
あの火の玉を使えば開けられる可能性もあるが、もう魔法は使いたくない。
その日の夜、俺は寝ていた時の事だった。
俺は痛みを感じ目覚めた、そこには重装備の鎧の騎士が2人といかにも偉そうな男が1人独房の前に立っていた。
「全く私が来たのに寝ているとはいい度胸だな。だから私は来たくなかったのだ。こんな汚い独房いる汚い異世界人など会いに」
「しかしこの異界人が我々の国を救うギフトを持っている可能性もあります」
「そうか貴様は異界人集めの任務は初めてだったか。いい機会だ教えといてやる。異界人のギフトの力は異界人が召喚された所に比例する。神を祀る神殿にいた異界人は強力なギフトを持っていた。だけどこいつはどうだこんな汚い場所に召喚されて鑑定しなくてもゴミギフトなんて事くらいは誰だってわかるわ」
「し、しかし」
「あー分かっている国王からの任務だろ。全く私も忙しいのに。まぁここまで来てグチグチ言うのも仕方あるまい。さっさとこの異界人をガンディン王国へ連れて帰るぞ」
さっきからこいつらは何を言っているんだ
全く聞いたことない言葉だ
しかも今どきの地球とか考えられないような格好をしている
ここは地球じゃないのか?
「さてそろそろここから出してやるか。お前たち武器を構えていろ。この異界人が襲ってくるかもしれん」
「ハッ」
なんだこいつらいきなり武器を構えたぞ
俺を襲うつもりか
「ではこの独房の扉を壊してやるか「火球」」
その魔法を俺は知っている
その魔法で俺は母親を殺した
やめろこんな所で打つな、この独房が火の海なるぞ
そんな事を思っても俺は怖くて近付けない
ただ怯えるだけだ
「なんだこの異界人はこんな火の玉で怖がっているぞ。所詮拳くらいの大きさ火の玉。ちょっとした物を燃やす程度の力しかないのにな。」
偉そうな男がよく分からない言葉を言い終わったその直後火の玉を独房の扉に向けて放った。
俺はこの時恐怖のあまり意識を失ってしまった。
「なんだこいつ気を失ったぞ。まぁいいどうせ意識は飛ばすつもりだったんだ。こいつを拘束しガンディン王国へ連れて帰るぞ」