川
川の向こう岸に一人の男が見えた。
霧が濃いせいで何も見えないが、勘でそう見えているとする。
自分は何の理由でここにいるかわからないが、この川を渡らないといけないような衝動に駆られていた。
とりあえず一歩踏み出そうとすると声が聞こえた。「この川を渡ってはいけない」と。
何故なのか。この川を渡ると取り返しのつかないことが起こるのか。しばらく思考を巡りあわせても出口が見つからなかったのでどうしてか尋ねた。すると、ここは三途の川であり、まさに生と死の境目に立っていたらしい。
しかし、何も未練はなかったのでやはりそちらに行くと伝えた。すると向こう岸の男はあっさりと承諾し、姿を消していった。
いったい何者だったのか。そういった疑問はすぐに消え去り決意を持ったように川へと入り込んだ次の瞬間。どこからともなく激流にあってしまい。そのまま流されていった。
気が付くと川の向こう岸を見つめていた。