FT部にうらめしや?!
どうも。伊澤 剛毅です。
今回は文量半分です。
手を抜いたわけではないんです。信じて~(切実)
大目に、寛容に許してくだせぇ。
今回もよろしくお願いします。ね。
話は飛んで二日後のことだった。
荒川がお客さんをつれてきた。と言うのはFT部一番の驚きであった。今後何が起きるかも知らないで......。
放課後の事、あの日最上は用事があって遅れるそう言っていた。だからこそ貴重なまったりとした時間を過ごしていたのを壊すように荒川が満足な顔で部室に入ってきた、というのが今回の始まりだ。
入ってきた荒川はお客さんを連れていた。そのお客さんは、幼い見た目の一年生だった。中学生と言われればそう見えそうな感じだ。
「はっ初めましてこんにちは、夏井麻衣香と言います。今日は相談って言うか、話を聞いてもらいたいって言うか、よっよろしくお願いします!」
話を聞いてみると、最上がいかにも喜びそうな内容だった。
その内容は、最近、麻衣香ちゃんは半透明の人間を見ると言う事らしい。
「それは、よく言う"幽霊"って奴じゃないか?」
史上最高にベタじゃん......。困ったなぁ、大体想像できちゃうじゃん。
「そっ相談しちゃあまり良くなかったですか?」
「どっどうしてだい?」
「えぇっと、面白い話だと思って話を聞いてみたら、とってもつまらなくて、話が広げにくいせいで、困ったときのような顔をしてらっしゃったから......」
「そこまで的確に読むんじゃない!!千年眼の持ち主かよ!!」
「ひっ、ごめんなさい」
しまった、思っていたことをピッタリ言い当てられたせいで、つい、いらない一言をつけてまでツッコミを入れてしまった。
「まっ、まぁ大丈夫だよ。ここFT部はそういう変なことを探して、解決できそうだったら解決する。そんな変わった部活だから。安心してね」
「ありがとうございます!とっても恐くて、家に引きこもりそうだったんです」
「それじゃあ、詳しく聞いていこうか」
「まず、いつ、どこで、見るのかを教えてもらおっか」
「えぇーっと、その幽霊はいつでも見えていて、場所は登下校路の途中です」
「次に、その幽霊は女性?男性?」
「多分、女性だと思います。よくわからないけど」
「なるほど、その幽霊はどんな見た目なんだい?」
「顔がわかりずらい位につぶれていて、血まみれで、服はここ千草台のだと思います。ズタズタ過ぎて、見ていたくないくらいですけど」
「あっここの生徒だったのか」
「んじゃ、ここの生徒で死んでしまった人を探していこうと思うよ」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
初めてのお客さん、麻衣香ちゃんが帰って俺たちも部室を後にした。
それより、今日は最上が来なかったのが気になるが、どうしたのだろうか。
――帰り道での会話。
「荒川、どこで捕まえたんだ?あの夏井ちゃんを」
「ん~、俺がFT部だって知ってたらしくて、広告を貰ったから、なんだって」
「おっ!あのビラも役に立ったのか、嬉しいもんだなぁ」
「まぁ明日から調べ始めないとだな」
「そうだな大事な大事な、お客さんだしな」
――翌日、俺は普段より早く起き上がった。幽霊話を知っておく必要があると思ったからだ。
机の上には少し古いノートパソコンがある。朝からそれを動かすというのは初めてのことだから、結構新鮮味がある。
こうしてみると、やはり数がとても多いな。麻衣香ちゃんが言っていたのが幽霊で合っているんだとしたら、解決方法なんて見つからないんじゃないか、と思えてしまう。
しかし、収穫がなかったわけではない。大抵の場合、幽霊である理由を片付けられれば、成仏をしてくれるという。そんな情報は、幽霊に対する基礎知識として持っていたのだが、正しかったのだと確認が取れて安心できた。役に立ってほしいぞ。
ガチャ 急にドアが開いた。正直びっくりした。
果たして入ってきたのは、朱里だった。そうだった、いつも起こしに来ているんだった。
「あれっ!!お兄ちゃんが起きてるー!!なんで?なんで?今日は雪だったっけ?」
「朝の一言目が失礼に始まったけど?!」
「ごっごめんなさい、おにいちゃん、おはよう」
「おう、おはようだな、朱里」
その後、なぜ起きていたかを聞かれたが、なんて答えたかは忘れた。なんせ寝ぼけていたからな。文を埋められなくて残念ってところだな。
珍しく少し早めに学校に向かう。
教室につくと同じく珍しく荒川がもう来ていて俺の席に座って最上と話していた。何を話しているのかは、大体わかるけど、何か話すことがあっただろうか?特に何もつかんでいないわけだし。
「おはよ、何話してんだ?朝早くから」
「例の幽霊話だよ。結構気になっていてさー」
「まだ何もつかんでないから、話さなくてもいいだろ」
「なによ、私に話す意味はない。そう言いたいわけ?」
「そうじゃないけど、調べないと話にもならない、と思ってさ」
「というより最上、昨日は何してたんだ?」
「えっと、愛花ちゃんをつれてビラ配りの続きをしてたの」
「配り終わったんじゃないのかよ」
「たったの数十枚配っただけで終われると思うの?」
「まぁ、その効果があって昨日の夏井ちゃんも来たから感謝してますよ」
「あら、そうだったの。それなら良かった、無駄ではなかったというわけね」
チャイムが鳴ってしまった。荒川と情報共有でもしようと思ったのに。
「んじゃ、後は放課後に部室で」
「それまでに何か掴んでおいてよね」
「善処してみますよ」
問題の放課後は、わかっている事、幽霊らしきものを見るらしいとか、見た目はどうとか。それだけしか話さなかった。話ではなかったな。報告と言った方が正しいだろう。
さらに翌日、話を聞いてまわろうと思ったが、夏井ちゃん以外に当たる人がいないから一年のフロアに向かった。
「よっ、夏井ちゃん」
「あっ利根さん、こんにちは」
案外簡単に見つかったので苦労はしなかった。
ちょっと話して見たところ、幽霊を見る場所を教えてもらった。
他の話はまた今度話してみるとしようか。
早速、放課後のこと荒川と最上、黒部ちゃんを引き連れて、夏井ちゃんに案内してもらい幽霊が見える場所へと向かった。
そこは、大きいT字の交差点だった。角にはガソスタ、歯医者などがある。
「ここです。私と握手してみてください」
そっと差し出された右手を掴んだ。
「っ!!!!!!」
鳥肌、何てものになった事がなかったのにどういう物かを一発で覚える事が出来た。
そこには本当に、幽霊が居た。座っているがこっちを見てきている。じっと。背筋が凍るようだった。
「どっ......どっどうも......ハハッハハハ......ハハ」
一応挨拶をしてみたが幽霊って日本語通じるの?そんなことネットには書いてなかったけど!!役に立ってねーよ!!
「どうしたのよ、利根。顔が真っ青よ。何も見えないけど、握手しないといけないからよね......本当に見えてるの?」
「あぁぁあ、挨拶できる距離にいるぞ。次は最上と握手してくれないか?」
「わっわかりました」
「!!!うわっ!!!!はっ離して......手を離して!!!」
さっと麻衣香ちゃんは手を離した。
最上の真っ青な顔はレアだな。写真撮れば良かった。
違う、そうじゃない。本当に幽霊が居たという事、それはFT部だけでなく誰にとっても驚きだろう。
もう一度握手をして幽霊を見る。
「こんにちは、初めまして」
??!?.........しゃべったーーー!!!普通な声でーーー!!!結構大人びてるーーー!!!そんな声でーーー!!!
「あぁやっぱり見た目が悪いですか?大丈夫です。きれいにできますよ」
「はっ話せたんですね。驚きましたよ、初めて話し声を聞いたから」
麻衣香ちゃん、驚きすぎて口が開いちゃってるよ。可愛いけど。
「まぁ恐くて相談してきたぐらいだからね。しょうがないよ」
幽霊はシュルシュルと言った効果音が似合いそうな動き?(これは見た目なのかが不明だ)できれいになった。
きれいになった幽霊はを見る。とても可愛いというより大人びた、大人しい?美少女になった。
「うおっ」 何て言って荒川がすっ転んで尻餅をついてる。その顔は鼻の下を伸ばしきった至福の顔って感じ。
お前に彼女居るのに何て顔だよ!!言っちまおうか!その変態面してんの!
「あっそうだ、申し遅れました私は、北上里子と言います。よろしくお願いします」
「どうも。俺は利根大良と言いますこれは、最上千春で、こいつは荒川優太。最後に黒部愛花です。全員千草台高校の生徒で黒部が一年、それ以外は二年生です。」
「制服を着ているからそうだと思ってました。じゃあ黒部がさんだけ後輩になりますね。後輩を持つとワクワクします、嬉しいもんなんですね」
「私は四年前に死んでしまっていますからね。二年生でした」
死んでしまっているのは見ればわかるが、こうやって当の本人の口から出てきた言葉に、固まってしまう。
「一体何があったんですか?」
「えーっとですね、それは三章で語ることになりそうです」
その言葉で雰囲気ぶち壊しだよ!! とツッコミたいがそんな空気ではなかった......。
いかがでしたでしょうか。
話の進みが遅くて自分でもひどいと思っちゃいましたが......。
アドバイス下さい。何でもとは言いませんがね。
次回もよろしくお願いします。ね。