第2話:真理香ヤンデレる
香り・・・ああ、あの転入生かー。
あいつが新を誘惑したんだね。
可哀想な新今すぐ取り返してあげる。
『香りさん、ちょっと話しがあるの。』
『はい?』
『あなた、新と付き合うんだってね。』
『はい・・・。』
何が言いたいの?という顔をしながら
香りは真理香に応対していた。
『すぐに別れてね、新の彼女はあたしだから。』
『何言ってるの?新はあたしと付き合ってる・・・』
『あなたのせいで!新はあたしと別れたの!』
香りの言葉をさえぎり、勢いよく言う真理香。
『どうすれば良いの・・・?』
真理香の迫力に恐怖し、恐る恐る聞く香り。
『新と別れて!別れなかったら、あなたの命ないから!』
『えっ!』
さっきとは違い静かに告げられ、香りは真理香にすごい恐怖を感じた。
そして・・・
『新さん・・・話しがあるの・・・。』
『なんだよ?』
『新さん彼女いるんでしょ?だから・・・別れよ。』
『もう別れたよ。』
『でも彼女が可哀想だよ・・・。』
『お前その話、誰に聞いた?』
『・・・・友達・・友達に聞いたの!』
『ほっといて良いんだ!気にするな。』
『でも・・・。』
『大丈夫だって!もし真理香が何か言ってきたら言えよ。』
『はい・・・』
その一週間後
真理香が何も言ってこなかったので、香りは安心していた。
が、
『香りさん、ちょっといい?』
『あっ、はい・・・』
香りはおびえながらも真理香について行った。
『約束破ったんですもんね。本当は殺してるとこだけど、仕方ないよね。
新が・・・だから今日はこれで許してあげるね』
シュッ!
『っ、何?』
いきなり刃物で腕を切り付けられ、一瞬わけがわからなかった香り。
『次、新に近づいたら、今度は殺すから』
首にナイフを当てられ、香りは息をすることもできなかった。
そしてナイフを離すと。
『今からずっと見張ってるから、一秒たりとも見失わないようにね。
新と喋ったら、香りさん。貴方の命ないから』
そう言って、教室に戻っていった。
はぁはぁ・・・
開放された香りはやっと息ができ、呼吸は荒く
恐怖で体が震えていた。
もう嫌、こんなの・・・
香りは新と一緒にいたいという気持ちよりも、
真理香から早く解放されたいという気持ちの方が強かった。
『あ〜れ?何処行ったんだろ?』
『どうしたの新?』
『真理香・・・あの・・・『良いよ!』
『えっ?』
『新のことは許してあげる!だからこれからも
一緒にいようね♪』
『おう!』
この時の新は、真理香の一緒にいる。
という意味を、ただこれからも友達として仲良くしよう。
という風にしか捕らえてなかった。
この時の会話が、これからの真理香や新、そして香り
の日常に大きな変化となるとも知らずに・・・