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008

最後の、ハズナの最後の笑みが忘れれない。ずっと頭の中に張り付いて取れる事は無い。

あの笑みは、何かに絶望して、何かに吹っ切れた時の笑みだ。何度も見た、わたしが、ハズナが、良が才能を発揮する度に、天才だ秀才だと言われていた人達が浮かべる笑み。


その笑みを、なんで、なんでハズナが!!!!


何度考えても分からない。何度考えようと思い至らない。

何も語らなかったハズナの唇は、ただ、終始困った笑みを貼り付けているだけだった。


「ハズナ」


親友の考えが読めないことなんて無かった。小さい頃から2人で、途中で3人になって、これ以上の幸せはないと思っていたのに、全部、全部壊れてしまった。


グッと拳を握りしめる。

良が死んだのは、私とハズナのせい。だから、私達が生き返らせないといけない。もう一度、もう一度みんなと笑い合いたいから。

そして、二度と、二度と自分なら良を死なせるような行動は絶対しない。

二度とあんな無残な姿を見せない。

そう、心の中で思うが、蟷螂の姿を思い出し、ハズナを通してみた映像を思い出し、歯を噛み締める。


「うるせぇ!!!いいだろ!!!」


大声で叫ぶ声。高校生にしては少し高めのその声に、自然と視線はそっちを向く。

見えたのは軍服を着た人達の塊。

高い声はその塊の中心から聞こえているようだ。


「だーかーらー!!いーだろ!!

結城にも許可は貰ってる!!

訓練でも何回か実践したことあるし!迷わなければ軽く体を動かすぐらいになるだろ!」

「だからー!隊長は探知者(ソナー)が居れば良いって言ったんだろ!俺たちはもうみんなに付けるのでいっぱいいっぱいだ!

あーもう!お前のせいで作業が進まん!解散解散!!」

「あ!!もー!!!

少しぐらいいーじゃねーか!!」


ワイワイ騒いでた塊がバラバラになっていく。その隙間から見えたのは軍服と学校の制服の合間のような服を着た少年。

白いシャツの首ともから見えるアーマーは戦闘用のものだろう、光沢が光っている。


「けちー!!!!」


赤茶色の髪に焼けた肌を見せる男の子。身長はそんなにリーシャと変わらないだろう。

中学生、かな?と当たりをつけながら少年を観察する。

胸に光るのはゴールド一つ。私と同じ色と個数。


相手をしない軍人に文句を言いながら、近くにある自動四輪車の荷台に乗り込む。

軍と公共機関以外での使用が認められていない自動四輪車は、公共機関のものと違って大量に荷物を運ぶために後ろが大きく開かれている。

しかし、ちゃんと積荷を濡らさないためか、軍用テントと同じような素材で四方を囲んである。

それに腰掛けた少年は膝の上に肘を着き、空を見上げている。


「ちー、せっかく制御具を戦闘用に切り替えて貰ったのに。説得するの大変だったんだぞ!!」


そう叫ぶと、近場の軍人からおつかれっと軽い声が返ってくる。それに更にムスッとした少年は荷台から飛び降りた。


「あ、」

「え、」


目が合う。


「なぁ、結城見なかった?」


目が合ったせいか、さっきの少年が声をかけてくる。


「知らない」


少し離れていた距離を歩きながら縮められるので、背を向けて反対方向に歩き出す。

無関心に歩き続けても、後ろから聞こえるサクサクという軽い足音は消えない。

もー!なんなのよ!


「なに、」


不機嫌そうに言う。同じ学校の生徒ならそれだけでどっかに逃げていくのに、少年は目を瞬かせる。

ほんとに何よ!


「いや、結城知らない?」

「知らない。2度目よ」


そう答えると、次こそは着いてこないだろうと足を進める。

サクサク、

サクサクサクサクサクサクサクサク


「あーもう!何!?」


着いてこないだろうと思いながら足を進めたのに、着いてくる足音がずっと耳に響く。

大体自分は虫の居所が悪いのだ、これ以上何もされたくないしして欲しくもない。


「いや、探知者(ソナー)だよな?」


確認するように問いかけてくる少年に眉を寄せる。

そうだったらなんだと言うのだ。あぁ、そうか、この少年はさっき探知者(ソナー)を探していると言ってたでは無いか。

よく回転してくれる頭は、これは面倒事だと当たりをつけ口を開く。


「違う」

「嘘つけ、そんなヒョロっちぃ体で何が出来るんだよ」

「うっさい。あんたも変わらない。」


自分はハズナと良以外とは話したくはないタイプだ。元々口数も少ないし、それでも2人は理解してくれるから余計それに歯車がかかったことは理解している。

そして、それを直そうとも思わない。別に必要なことではないし、誤解されたのならそのままで構わないからだ。


「なぁなぁ」


少年のその呼び掛けに一切答えずまた歩き出す。行先はさっきハズナがいた場所。もう一度話し合いたい。さっきは自分も冷静じゃ無かった。少し冷静になった今なら少しは話し合えるかもしれない。

そう思って足を進める。


「なぁーってば!」


未だに着いてくる少年に目線を寄越すだけで問いかける。2人は理解した、他の人はそれを睨まれていると取ってすぐに逃げていく。

どうせ逃げるだろうと思って、いつもの数倍は凄んで睨みつけてやった。


「お!話聞いてくれるの!」


嬉しそうに少年が自分の横に並ぶ。

.......は?

ハズナと良以外に目線の意図を汲み取った人間は初めてで、少しだけ目が開くのがわかる。

無表情で、殆ど喜怒哀楽が出ない自分の表情に、ハズナと良以外の人間に表情を見せたことにも自分の中で戸惑いが起こる。


「俺さ!来年から訓練生になるだけど!結城に殆ど仕込まれてるから、そこら辺の奴より強いんだ!」


つい数時間前までの自分達を見ているようで、ズキリと心臓が痛む。


「だから?」


絞り出した言葉に、応えてくれたのが嬉しいのか少年が笑う。


「俺!この地帯行ったことなくてさ!浅い所でいいから潜ってみたいんだよ!

でも、探知者(ソナー)が居ないとエルメイの生息地で迷子になるなんて当たり前だろ?だかさ、探知者(ソナー)だけでもして欲しいんだよ!」


生き生きとした少年の言葉に眉が寄る。

少年を見ると強そうなのは伝わってこない。良く考えればハズナも良もわかりやすい強者だった。

ハズナは女性にしては引き締まった四肢に、燃えるような戦闘を思わせる真っ赤な髪、良は入肉中背ではあるが鋭く光る目はただの人には見えなかった。


そう思い返せば、少年は全く強そうには見えない。

ここにハズナか良がいれば、少しは強さが分かったかもしれないが、あいにく自分はそういった特技は無いに等しい。

むしろあったって邪魔である。


「あ、いた!大路(だいち)ーー!」


遠くから誰かが誰かを呼ぶ。


「なにー!!!?」


大声で返す少年にあぁ、と思う。この子の名前は大路と言うのか。

なるほど、と頷く。


「あ、良かった。探知者(ソナー)見つけだんだね」

「おう!」


大路が何気なくそれに応えるので、見つかったの?って首を傾げる。そして、自分の脳みそはそこまで鈍感でない。

もしかして自分の事?っと振り返ってみると、大路が満足そうな笑みを浮かべていた。

嵌められた。


眉を寄せて、舌打ちしたいのをこらえる。

ここでいちいち訂正するのも面倒だし、さっきの場所を見た感じハズナはもう既にその場にはいなかった。

大路という少年と一緒に歩き回ってもいいかもしれない。そう思い返して大路の方を振り向く。


「隊長の所までこの書類を届けて欲しいんだけど」


そう言って大路に数枚の紙を渡す軍人。


「分かった。」


大路はそれを受け取りペラペラとめくる。


「それ視覚阻害かかってるから読んでも頭に入らないし、別の内容にしか見えないよ」

「うぐっ、」


苦しい声を出す大路。

そんなことよりもリーシャは軍人が言った視覚阻害に目を見開いた。

視覚阻害は重要な書類や、自分の住所などを記入する時に発動するものだ。機械などに元から埋められており、その技術は物凄く難しく、使える人は少ないらしい。


それを、しかも紙に、それを何枚もかけられていることにリーシャは目を張った。

視覚阻害は古典的な物ほど難しい。電子機器よりも紙、紙よりも和紙、和紙よしも石版、石版よりも大地に書かれた文字、こんな風に難しさのグレートは上がる。


電子でも重宝されるのに、和紙にかけれる人が軍にいるなんて、と思いリーシャは持ってきた女性を眺める。

この人がかけたのだろうか?


自分の好奇心に思考が沈んでいる間に、2人の話は終わってしまったらしく、女の人はどこかへ行ってしまう。

んー、残念。


「って事で、一緒に結城探してくれるよな?」


ニッと笑う少年にムカつきながらも諦める。


「リーシャ・ニルアードよ」


手を差し出すと少年も手を重ねる。

見た目と身長に似合わないゴツゴツとした手だ。


「岩田 大路だ。」


そう名乗り終わるのと同時に識別信号(ポイント)をつけ終わり、ポイッと大路の手を捨てる。

それに驚いた顔をしてまた笑う。


ムカつく顔してる。

そんなことを思いながらも歩き出す。


「どこ行くの?」

「んー、多分注意エリアの方に行ったらしい」

「誰も識別信号(ポイント)付けてないの?」

「付けても外すし、あいつ」


だから大まかなのしか分からないのしか付けれないと言う大路に、軍人も苦労するな、と同情する。

そして、外せるのか。と驚くが結城ということを考えれば出来そうだなと納得する。

とりあえず大路の背中に大人しく着いていく。


しばらくすると鬱蒼と生い茂った木々が目立ち始める。それに地面もジメジメとし始めて、何だか嫌な気分だ。

それが、制服だと言うこともあるだろうし、単純にあの事件があったからと言うこともあるだろう。


「あれ?警戒エリアに入り始めてる?」

「あぁ、あそこから入れば注意エリアは殆どないって言ってもいいぐらい短い。」


へーと思いながら当たりを見渡す。

今まで守られてきたのが常だったので、何だか普通に歩いているのが変な感じだ。


「ここら辺は階級が秘宝級(アーティファクト)しかいない代わりに数が多いからすぐにエルメイが来たら言ってくれ。」


リーシャがえ?と呟いた瞬間ガサリと音を立てて小さなエルメイが飛び出してくる。

大路は腰につけてた小刀を取り出すと振りかざし真っ二つにする。


「おい!探知能力(ソナー)は広げてなかったのかよ!」


また、ガサガサと音が聞こえ大路が低く構える。大路は警戒を強め静かに木々を見つめる。

リーシャも急いで探知能力(ソナー)を広げるが焦りで映像がうまく読み取れない。しかも、動きながらの探知能力(ソナー)なんて初めてで焦るばかりである。


ガサガサと言う音に追われながら、2人は走る。

敵の姿は見えない。

大路が切り落とした奴らも、よく分からないまま走り始めた。


「ま、前の木下に小型2体!」


そう叫んで次は大路に背を向けるように周り後ろを探知する。


「おいおい!まさか360°見きれないのかよ!くそ、俺はある程度分かるから後ろを頼む!」


そう言って先程探知したところから飛び出してきたエルメイをたたっ切る。

リーシャは深呼吸をして胸元をグッとつかむと力を強める。

安心を取り戻してき、いつものように視界が320°まで広がる。


「左!三体!」


ざっと振り払っていく大路にはまだまだ余裕が見られ息すら上がっていない。

リーシャは少しずつ息が上がってきて目の前にエルメイの影が見えた瞬間ヒュッと息を吸う。


大路はまだ先程のエルメイと交戦しておりわざわざ後ろを向く余裕は無さそうだ。

目の前の影は2つ、対して大路の前にある影は全部で7つ。

これぐらい片付けられないと横に立っている資格がない気がして3人で戦闘訓練をした時を思い出して拳をかまえる。


小型のエルメイが目の前に飛び出す。

まだハズナのパンチの方がはやい。

ステップを踏み最小限に避けるとエルメイの背中の甲羅に向かって振るう。

そのエルメイは(さそり)のような形をしており背中にはキラリと光る甲羅が硬さを物語っている。

甲羅は見た目通り硬く、殴っても大したダメージになっていないようで、地面に着地すると同時に威嚇してくる。

尻尾には二つに分かれた鋭い爪が付いておりガチガチとすごい音を立てている。


なにかに太陽の光が遮られる。

それはそのままリーシャの横を通り過ぎビュンと音を立てて地面にいたエルメイに貫通する。

地面に突き刺さったそれは小型のナイフでマントの内側などに隠しておくものだ。


「リーシャ、無理をせず俺に言え、探知者(ソナー)が戦うのは最低限だ。」


大路はそれだけを言うとまた目の前の敵に向き直る。

そこでようやくもう一体のエルメイも絶命していることに気づく。


彼は強い。

私が必要ないぐらいに。

こんな(さそり)のエルメイでは、獅子に群がる鼠程度の脅威でしかない。

頼りない自分に嫌気がさす。


ギュッと唇に歯が刺さる。

蟷螂(かまきり)のエルメイの時もそうだった。

私は安全な所から見てるだけ、まともに指示も出さずに1人を見殺しに。

もう1人を危険な目に合わせた。


「リーシャ!」


大路の声に素早く反応してまた走り出す。

あらかた片付いたのか、次のエルメイが匂いにつられてやって来ないうちにその場を離れる。

しばらく走り、少し見通しがいい所で足を止める。そして振り返った大路が浮かべる顔は、今までなら映像でしか見られないような討伐し終えたあとの笑顔だ。


そこでストンと心に収まる。結城さんはこれだから私だけはいらないと言ったのか。

軍の探知者(ソナー)は仲間と共に行動するのが基本だ。私たち高校生がしている方法とは全く別の方法だ。だから、私は力不足なんだ。


「リーシャ!!!」


大路のビリッとした声で思考の渦から抜け出し周囲の警戒度を上げる。

しかし、なんのエルメイの反応もなく首を傾げる。


「リーシャ、狭く、長く、深く見てくれ。」


大路のその真剣な声に眉を寄せながら探知能力(ソナー)を強める。

何にも引っかからずハテナを浮かべながら360度見渡す。

二周目で何か影があることに気づきそこあたりに力を強める。

その瞬間バチン!というやききれる音と共に映像が途絶える。


「イッ!」


強い頭痛と共に現実の視界に戻る。


「大丈夫か?」


大路がリーシャの方を驚いてみる。

リーシャはまだ頭痛が続くのか頭を振りながら、大路に大丈夫と声をかけながら立ち上がる。


「なんだか分からないけど、4本足のエルメイだと思う。影を見たらいきなり映像がきえ...きゃぁ!!」


いきなり大路がリーシャを担ぐと全力でテントがあった方に走り出す。

リーシャがいたため出せなかったであろう全速力をだす。その速さに驚きながら小さい悲鳴を上げる。

いきなり自分を担ぎ上げて走り出した大路に目の前にある背中を叩いて説明を求める。


「リーシャが完全に見えないってことは幻想級(ファンタズマ)だ。古代遺産級(レリックエンシェント)幻想級(ファンタズマ)には大きな力差がある。俺じゃ勝てない」


結城を探すよりテントに帰った方が早い。という大路に大人しく従い担がれておく。

息も絶え絶えになりながら説明してくれる大路の足はまだまだ止まる気配がない。

おかしい。大路の足ならもう着いていてもおかしくないぐらい走っているはずなのに。

一向に森は開ける様子がなくむしろ森深くに誘い込まれているようだ。


「大路!道が!」


霧が出て来て目の前にある道だんだんと消えていく。


「チィッ!幻想級(ファンタズマ)の領域に飲み込まれた!俺たちじゃ、簡単に抜け出せない。」


ガっ!と速度を落とし止まった大路はリーシャを地面にゆっくりと下ろすとあたりを見渡す。

幸いなことにまだ幻想級(ファンタズマ)のエルメイはこちらに気づいておらずただ歩いているだけのようだ。


「リーシャ!!!!」

「ハ、ズナ?」


自分を呼ぶ声が聞こえてリーシャが周りを見渡すとハズナのような影が霧の中からこちらへ走ってくるのが見える。

あいにく識別信号(ポイント)は実習が終わったあとに外してしまい確認が取れない。


「リーシャ、本物か?」


大路が警戒しなかがらリーシャの前に立って拳を構える。

走ってくる姿も髪型も体型もハズナそのものだ。それでも未知の敵である幻想級(ファンタズマ)が相手である以上何事もうたがなければならない。


「分からないけど、本物、だと思う。」


霧が完全にかかる前に一瞬だけ見えたその姿はハズナとしか言い様がなく、そういうことしか出来ない。


「わかった。じゃあ、合流しよう。多分たまたま森に入っていたんだろう。」


頷きながらハズナに向かって歩いてゆく。

後ろには警戒をした大路が静かに着いてくる。

青い顔をしてこちらを心配そうに見てくるハズナ。自分の手足のあちこちを触り、怪我が無いか確認してくるハズナに、先程とは打って変わった態度に少し驚く。


「リーシャ、どうだ?」


大路が眉をひそめて聞いてくるので、大路を怪しんで睨んでいるハズナをどうどう、と収めながらハズナを観察する。

いつも通りの体型に、喧嘩してなかったら疑いようもないハズナの行動。

どうしてここにいたかは分からないが、今の要素ではハズナと言い切れる。

そして何より決定的なものがある。


「うん、ハズナ!」

「ほんとに?」


大路が警戒しながらハズナわ見るので、ハズナもさらに大路を警戒するように、自分を腕の中に収めながらグルグルと唸る獣のように睨む。


「まず、おっぱいが私より断然小さい!!!そして!安産型でもなにその骨盤!!私よりも女性の魅力が劣っているこれは!!!ハズナである!!!」


ドヤーとポヨンとした胸をはる。

幻覚なら幻覚で、ハズナのことを知らない大路を誘惑したいならもうちょっとでも胸を膨らませるはずだ。

仮にハズナの思考を読んでからの姿でも、ハズナは周りが見ているより自分は胸があると錯覚している。

だから、この姿はハズナと言えるだろう。


「なるほどな!!確かにそうだ!!!」


何事にも素直な感想を述べる大路にハズナの震えが大きくなる。


「やはり私の目に間違いはない!!!」

「おぉーー!!!」


パチパチパチと大路がリーシャに拍手を送る。


「バッカじゃないの!!!!リーシャ!!そんな極チビで私に勝ったなんて思わない事ね!!」

「む、胸もお尻も性格も勝ってる。」

「む、胸と、お、お、お尻はしかないけど!性格はお互い様でしょ!!!しかも!貧乳好きというジャンルもあるのよ!!」



わーぎゃーと言い合いをする2人に飽きたのか大路がクルクルと周りを歩きはじめる。

まだまだ霧が晴れそうにないその森は幻想級(ファンタズマ)の力のせいで霧は濃くなる一方だ。


はぁ、とため息をつくと霧がかかっているはずなのに空は真っ青なのが見える。やはりこの霧も幻想級(ファンタズマ)の物か、と再認識して気が重くなる。

どうしてハズナとやらがここにいるかも分からなければ、2人の言い合いが終わりそうもない。

俺、帰れるかな。

と思いながらもようやく重い腰を上げて、2人の喧嘩の仲裁に入る。


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