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泡にならない人魚姫は  作者: 逃した魚
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私の決意

私が小学五年生の時、学校の行事で臨海学校へ行った。私は泳げるようになってから初めて行く海だったので、とても楽しみだった。

楽しみすぎて、当時仲の良かったクルミちゃんと近所のプールでシュノーケルをつけて、海に行った時の予行練習を毎日していた。もちろんクルミちゃんも海に行くのを楽しみにしていた。クルミちゃんは今まで海に行ったことがなかったので、私よりもワクワクしていたに違いない。

私たちは、その日が来るのが待ち遠しかった。

その日が、どんな日になるのかも知らずに…






ついに臨海学校の日がやってきた。

バスに揺られ2時間。窓から海が見えてきた。よく晴れた日だったので、想像してたよりもずっと海がキラキラしていた。

海に着き、宿舎に荷物を置き、支度をし、私たちはようやく待ち望んでいた海に足を入れた。夏の日差しで火照った私たちの身体を冷たい海水が心地よく冷ます。

私にとって久々の海、クルミちゃんにとっては初めての海。だから私たちはゆっくりと恐る恐る海に入っていった。やっと胸まで浸かるとだんだんと水温に慣れてきて、私はクルミちゃんより先に海に潜った。

「っぱぁ!!しょっぱ〜い!!クルミちゃんも潜ってみなよ!」

「っぱぁ!!ほんとだね!しょっぱ〜い!プールとはぜーんぜん違う!」

2人はそのあと浅瀬でしばらく遊んでいた。でも私は慣れてきたためか、なんとなくもう少し泳いでみたくなった。それと、遠くの方に見えるあの石みたいなのはなんなのだろうと不思議に思った。

「クルミちゃん、もうちょっと先まで泳いでみない?」

「いいよ!!でも私、海姫ちゃんみたいに泳ぐの上手じゃないよ?」

「 大丈夫!私についてきて!!」


小学生の考えることはとても愚かである。

私のその安易な考えで、友達を失うなんて思っていなかった。


私はクルミちゃんを事故にあわせてしまった。

深く、深く後悔した。


それが私の海の思い出。




だから私は決意した。誰も海で死なせたくない。

同じ目に合わせたくない。私が助けるって。


そうすることで、私の罪が償える。そう思った。




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