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神様の有給休暇。  作者: 炎尾
エルフの少女
9/22

神様と皇帝

「ひとまず笑う元気があるなら大丈夫そうだね。」


「ああ。ゼロスのおかげで久しぶりに心から笑えた気がする。感謝するぞ。」


感謝されるほど笑わせるようなことした覚えはないんだけどな?

まぁエーヴェル皇帝も元老院や側近の間の張りつめた空気で生きてきた人間だ。こういう何気ない会話が新鮮なんだろうな。


「まぁエーヴェル皇帝の役に立てたならこっちも光栄だよ。」


その言葉に不満そうにするエーヴェル。なんでだ?


「まだこの部屋には二人しかいない。そんな堅苦しい呼び名はやめてほしい。」


不満だったようだ。


「しょうがないな。エーヴェル。」


「うむ、ゼロスに呼ばれるならそれがいい!」


満面の笑みで見ないでくれるかな・・・。二人でいるときなんてそうそうないと思うけど公の場で呼ぶ際には間違っちゃいそうだよ。


「さて、そろそろ真面目な話をしよう。なんでエーヴェルは捕まっていたんだ?」


僕はそうキリッとした顔で言う。予想はついてるけどね。


「ふむ。ゼロスはなぜだと思う?こんなところまで侵入してくるゼロスの見解を聞きたい。」


「僕はエーヴェルが元老院の弱みを握ったからだと睨んでいる。何故なら揉めているとはいえ行動が大胆すぎる。目の上のタンコブでそこまで元老院が動くとは思えなくてね。」


「正解だ。やはり根拠もなしにこの城に侵入するわけがないから予想はついていると思ったぞ。そうだ、私は元老院の一人の弱みを握っている。」


だよね。一国の皇帝を捕まえるなんてよっぽどの事じゃないとしないでしょ。まぁそれを実行できるくらいに元老院に権力があることも問題だとは思うけどね。


「それで弱みって?」


「ああ。帝国元老院ベヨネの報告書だ。やつは一人、元老院室で独り言をつぶやく癖があってな。その話を聞き耳を立てていて奴が部屋を出た時に侵入して中身を漁っていたらベヨネが戻ってきてバレてしまった。その報告書がこれだ。」


そういってエーヴェルは報告書を自分のスポットから取り出す。

それにしてもわんぱくな皇帝だな。聞き耳立てて侵入までするなんて。


「なるほど。誰に出すかまでは書いていないね。」


「ああ。残念ながらな。ただ奴を捕まえ、尋問すればそのうち吐くだろう。」


そういえば。元老院が収容所に行こうとしていたよな。この独り言の癖を考えるともしかしてあいつだったのか?


「ねぇエーヴェル。さっき元老院の部屋に侵入する前に独り言をしていた元老院がいたんだ。そいつの特徴って悪趣味なくらいの格好で全体的に丸い感じの太った体型だったんだよね。」


少し考えるそぶりをしてエーヴェルは話し出す。


「それは間違いなくベヨネだな。あいつは何と言っていた?」


「確かルード殿の側近としてより元老院での発言権が強くなるとか言ってた。」


「あいつは常にルードの近くにいるからな、私たちの予想ではそのルードが一番あやしいと考えているのだが。」


「ああ。たぶんそれで正解だと思う。そのベヨネってやつはルードが大それたことを考える人だって言ってた。何年もエルフを捕らえることを準備して前皇帝を暗殺したとも言っていた。」


その言葉を聞き、エーヴェルは静かに目を閉じる。


「そうか前皇帝もなのか。あの人は継承権の低い私にも優しくしてくれた。そしてなにより民を愛していた。そんな立派な方が奴らによって・・・。」


エーヴェルは怒っているようだね。前皇帝もいい人だったんだな。どうやら元老院はこの国の害悪になり始めているようだ。


「すまない。少し考え事をしていた。ありがとう。その証言は予想を確信に変えてくれた。」


「どういたしまして。ただこの証言を使えはしないだろうね。」


「ああ。そうだろうな証拠としては弱い。何よりその発言は侵入者からもたらされたものだ。一部の人間以外は信じてくれないだろう。」


まぁそうだろうね。予想はしていたよ。


「外部に公表も出来ないよね。だって侵入者を許す城だと喧伝するようなものだし。」


「そうだな。この城の警備について疑われる。それはそれで元老院につけこまれてしまうだろう。」


はぁ人間世界はやっぱり面倒なところが多いね。


「それじゃあ早めにベヨネを捕らえるべきだね。さっきベヨネは収容所に行くって言ってた。」


「そうか。ならば収容所の方にベヨネを捕らえろと兵を出そう。」


よし。これでエルフを助け出すことができる。シーザたちはうまくやったのかな?


「そういえば収容所にも侵入者がいる。僕の協力者で王国のギルド長のシーザとエルフのフロンだ。」


「なに?王国のギルド長が来ているのか!?」


「うん。僕が最初にエルフの子を保護して成り行きでシーザと出会って、フロンの事情を聞くうちに時間がないことがわかってね。戦争の懸念もあったからシーザはついてきたんだと思う。」


いやあ戦力的にはホントにシーザが来てくれたことはありがたかった。あそこまで頭が切れるなら心配は少なくて済むからね。


「それは王国にも多大な迷惑を掛けてしまったな。ただそれよりも私は今すぐにでもしなくてはいけないことがあるな。」


「うん。そうだね。エルフの件は僕の目的のうちの一つだから早めにお願いするよ。」


はぁ。これで少し安堵できるかな?


「それでは準備をしようか。」


そういってエーヴェルはベットから降りて準備を始める。

あわわ。着替えるなら先に言ってよ。


「僕は部屋の外で待ってるよ。」


「ああ。待っていてくれ。」


そういって僕は部屋を後にする。

ちょっとぉ!この国の皇帝はどうなってるんですか!男の人の前で着替えようとするなんて!羞恥心を持ちなさい!


そうして小一時間待っていると。


「準備は出来た。それでは行くとしよう。」


「はいはい。」


--------------------------------------------

帝国の城三階


「エーヴェル皇帝!ご無事でしたか!」


そういってデュランが嬉しそうに皇帝に近づき跪く。


「うむ。心配をかけたな。私も毒を盛られ危ないところだったがゼロスが助けてくれたのだ。」


「そうでしたか・・・。苦しい時に近くに入れずにまことに申し訳ございませんでした。」


「よい。お主にはこれからしっかり働いてもらうからな。それで手打ちとしよう。頼むぞ?」


「ハイ!命にかけて!」


うむうむ。一国の皇帝と騎士の関係。よきかな。これを見れたのは僕が頑張ったからだよな。本当によかった。


「ところでそちらの方は?」


「む?デュランに私のことを助けてほしいと頼まれておったらしいが面識はないのか?」


「ええ。その時は蟲毒の秘術を模倣しておりましたから顔や姿といったものは見ておりませぬ。」


酷いなデュラン。雰囲気でわかってくれないのか・・・。


「僕がゼロスだよ。まったく雰囲気で分かろうよ。そこはさ。」


「なるほど。エーヴェル皇帝を助けていただいて感謝する。私たちが不甲斐なかった。エーヴェル皇帝はこれからしっかり守っていくから安心してくれ。」


ゼロスに皇帝と同じようにデュランは跪く。


「うんうん。よかったね。僕も頑張った甲斐があったよ。」


「ただデュラン?私を守るというのに侵入者に気づいたのはお主だけなのか?」


「ええ。この城に常駐する兵士は誰も気づきませんでした。」


「ということはわかるな。」


「ええ。この騒ぎが片付いたら絞り上げましょうぞ。」


うわぁ。僕のせいでこの国の兵たちご愁傷様です。


「よし。それではデュラン。お前は今から収容所に行きエルフ達を救出に兵を回してくれ。そこにはゼロスの協力者である王国ギルド長のシーザがいるらしい。戦闘などがあれば援護してやってくれ。その間に私は国民にエルフの誤解を解かねばならない。」


「仰せのままに。国民に向けた放送の準備を手配しておきます。その後兵士をまとめて収容所に向かわせます。それと元老院の処遇はどうしましょう?」


「ゼロスの話によるとベヨネが収容所に向かったらしい。捕らえに動け。ただもういない可能性もある。奴の屋敷にも兵士を向かわせろ。指揮はデュランお主が取れ。」


「ハッそれでは行ってまいります。」


そういうとデュランは敬礼をし、皇帝の元から去っていく。


「デュランも大したもんだね。」


「本当に私には過ぎた家臣だよ。」


そう卑下することなのかな?デュランもエーヴェルに知識をつけて危ない目に合わせたって後悔してたよ?


「そう自分を卑下しちゃいけないよ?デュランもエーヴェル皇帝に学を着けて危ない目に合わせたと後悔していた。どっちもどっちでバランスが取れてていいんじゃない。」


「客観的な視線はありがたいな。なまじ二人とも偉い身分だから誰も文句を言わんのだ。」


「まぁそうだろうね。」


身分が高いと委縮して言いたいことを言えないってのはどこの世界でも一緒だ。


「それにしてもどうだった?」


「どうだったとは?」


「さっきの私の皇帝としての振る舞いのことだ。」


ああ。そのことか。


「カッコよかったよ。すごく皇帝らしかった。」


「ふふん。そうだろう?」


そういって自慢げにドヤ顔をするエーヴェル皇帝。

この皇帝もホントに腕白でどこか子供だよな。まぁそんな一面出すわけにもいけないか。


「それじゃあ国民の前に行こうか。」


「ああ。事情も説明しなくてはな。」


-------------------------------------------

帝国の城、国民側バルコニー


着々と準備が始められ国民に向けてエーヴェル皇帝が話を始める。


「帝国の国民の諸君。私はグランドル帝国第24代皇帝エーヴェル・G・グランドルである。しばし仕事の手を止めて聞いて欲しいことがある。」


エーヴェルは放送を始めその声は国民全員に届く。


「私はここ最近までこの城に監禁されていた。ご丁寧に毒まで盛られてな。生きれるかどうかすら危うい状態ですらあった。だが神は私に味方したみたいだ。私は今ここに立っている。私に毒を盛った罪人、果ては先代皇帝にすら毒を盛った不届き者を裁く権利を私にくれた。そのことをまずは神に感謝したい。」


そのセリフを聞いてゼロスは少しドキリとしていた。

あんまりきわどいこと言わないでよね。僕の正体がバレてるんじゃないかとドキドキするんだから。


「さて私に毒を盛ったものだがそやつらは他にも罪を犯している。それはエルフの事だ。エルフは先代皇帝に毒など盛っていない。むしろ先代皇帝はエルフと共同で薬の開発といったことまでした協力関係にあるものたちだ。だから誤解しないで欲しい。そのもの達に罪を被せ、処刑しようとし、果ては裏で奴隷にしようと画策していた元老院を私は絶対に許さない。この件に加担した者たちは今から国を挙げて捕らえに行く。覚悟しておくがいい。」


うんうん。これでエルフ達への誤解も解けるよね。


「それともう一つ。今回の件で私は国民に伝えておくべきだと思ったことが一つある。エルフの事についてだ。エルフは南の獣人の国、北の魔族の国では神聖視されている存在である。今回の件でエルフにもしものことがあればこの二国に戦争をすることになっていただろう。」


その皇帝の発言に国民は息をのんだ。


「もう一度言う。覚えておいて欲しい。エルフにもしものことがあれば確実に戦争になるだろう。だから私はエルフに関する法律を作ろうと思う。互いを尊重し、互いを守れるようなそんな法律だ。この法律がある限り私は彼らを無下に扱うことを許さないだろう。」


熱いな皇帝。まぁ国民を守るために必要なことだからいいだろう。


「最後に。聞こえてはいないだろうがエルフの集落の者たちよ。すまなかった。我が国の人間がエルフの生活を奪うようなことをしたことを謝罪する。本当にすまなかった。」


そういって皇帝は頭を下げる。その時間は一分にも及んだ。


「これで私からの放送を終わる。我が帝国に栄光あれ!」


その放送が終わると国民たちは拍手を始め、皇帝コールが飛び始める。


「お疲れ様。」


「さすがに国民の前に立つのは緊張するな。」


「いやいや。カッコよかったよ。」


「照れるからあまり褒めるな。」


ホントにこういうところを見ると女の子だなぁと思う。


「さてこれでエルフに対しての国民の見方も変わるだろう。間違っても奴隷にしようとはするまい。」


「そうだね。ただ戦争は防げるだろうけど獣人国とか魔族の国とかには頭を下げないといけないだろうね。」


「うっ。頭が痛いことを今は言わんでくれ。あまりそのことは今は考えたくない。」


まぁそれはおいおいでいいだろう。今は元老院を捕まえることだな。


-----------------------------------------------

皇帝の放送が掛かった後、元老院ルードの領地、領主邸にて


「くそっ!ここまで来て失敗するとは!蟲毒の幹部は何をやっていた!あれだけの金額を払ったのだぞ!」


するとノックの音がする。


「誰だ!入れ!」


「随分と不機嫌そうだな。」


そういって入ってきたのは収容所でシーザと相対した蟲毒の幹部であった。


「当たり前だろう!お前たちが不甲斐ないせいで何年も準備してきた計画が台無しだ!」


そう当たり散らすルード。そこに蟲毒の幹部の男はルードに袋を投げ渡す。


「今回の依頼の金だ。失敗した以上受け取るわけにもいかない。言い訳になるかもしれないがもう一人の幹部は掴みどころがないが相当強い奴だ。それが負けるということはそれだけ侵入者も強かったってことだろう。」


「ならなんで失敗した!本当はそこまで強くはないのでないか!」


ルードは頭に血が上り発言に気を付けるのを忘れていた。その発言はどうやら蟲毒の幹部の逆鱗に触れr多様である。

一瞬でルードの首にナイフの刃を当てる。


「われら蟲毒を馬鹿にすることは許さない。いつの間にか頭が回らなくなったのか?暗殺術の限りを尽くしてお前を殺してやろうか?」


その状況にルードは肝を冷やし謝罪の言葉を口にする。


「あっああ。済まない。失言だった。」


「二度目はない。」


そういってナイフをしまう男。


「それで俺が警護にいったベヨネを連れ戻してきたぞ。収容所でも襲撃があったようで何かしゃべる前に気絶させここに運んできた。」


そういってベヨネを雑に投げ捨てる。


「ああ。それは助かる。証拠の類は命令通りすべて擦り付けておいたか?」


「だいぶ頭に上った血は落ちたようだな。ああ。あんたの類の証拠はすべてこいつに擦り付けておいた。これであんたが罪に問われることはない。」


「ふむ退路を作っておいて正解だったな。こいつ以外の元老院にもいくつか証拠を擦り付けておけるか?」


少し思案しながらルードは証拠の擦り付けをさらに行うことを提案する。


「ああ。可能だ。だがなぜそんなことをする?」


「ああ。こいつ一人でやったにしてはエルフの集落を襲撃した際に動いた人間の数が多すぎるからな。そこらのところを嗅ぎつけてくれば見つかってしまうかもしれない。だからベヨネ以外にも証拠を擦り付けるひ必要があるだろう。」


「ふむ。俺はやはり頭の回るやつは嫌いだ。敵に回すと厄介だからな。」


そんな話をしているとベヨネが目を覚ます。


「うぅ。ここは?」


「目覚めたかベヨネ。」


「ああっルード様!どうかお助け下さい!今エルフのいる収容所が襲撃されておりまして・・・」


「ああ。その点は心配する必要はない。」


「さすがはルード殿。私にはルード殿と違って頭が回りませんからな。それでどうすればよろしいので?」


そういって自分の無能をひけらかし、ルードにゴマをするベヨネ。しかし彼に待っている未来に明るいものはない。


「ああ。それはな。衛兵!ここにエルフの件に関わっているものがいたぞ!こいつを連行しろ!」


その一言で外に待機していた二人の衛兵が入ってくる。


「えっルード殿?それは一体どういう冗談で・・・?」


今の発言にベヨネは困惑する。


「冗談ではない。お前はこれからエルフの件で捕まり、そしてその首謀者として処刑されるのだ。ああ。先代皇帝の暗殺の件もあるな。生易しい処刑にはならんだろうが諦めろ。」


「なっ!私はあれだけっ!あれだけルード殿に仕えてきたではありませんか!その私を見捨てるのですか!?」


「私は犯罪者の言葉に耳を傾けるわけにはいかん。衛兵。さっさとこいつを連れていけ!」


「「ハッ!」」


「ルード殿ッ!ルード殿ォ!」


ベヨネは衛兵に引きずられて連れていかれた。


「今回の件で元老院の地位はしばらく落ちるだろう。しかし私は諦めんぞ・・・。おお。忘れるところであった。この指輪をベヨネに渡しておけ。」


「これは?」


「現在のところ最強の強化ゴーレムを呼び出し使役するための指輪だ。ただ使うと魔力が吸いつくされるまで操作し続けることになる。つまり死ぬまで止まらない。」


その指輪を見て幹部は思案する。


「つまりこれを使うか余計なことをしゃべりそうになったなら殺せと。そういう依頼だな。」


「その通りだ。証拠を擦り付けたとはいえこの屋敷にまで調査に入られては面倒だ。隠すための時間が欲しい。そして恐らくだがこの指輪を奴は使うだろうがな。」


「そうだろうな。まだ見捨てられていないとそんな幻想を抱くだろう。使うタイミングはどうだろうな?」


「そこはなんとも言えん。だからこうも付け加えてくれ。帝国に入国してからこれを使えと。そうすれば逃げられると。」


「了解した。依頼の代金は失敗した分の違約金として無償で請け負ってやる。」


「そうか。では頼んだぞ。」


そういって蟲毒の幹部は部屋を出ていくのであった。


--------------------------------------------

帝国の城一階にて


「そういえばシーザとフロンに連絡しないと!」


やっべぇすっかり忘れてた!もう結構時間たってるんだけど大丈夫かな?

やられてなんかいないよね?兵士も沢山収容所に行ったし。

フロンに連絡するかな。心配してくれたわけだし。


(フロン。フロン?無事?)


「うん。無事だよ?」


あれ?念話したはずなんだけどフロンの声が直接聞こえてくるぞ?どういうことだ?


「お前は無事なら連絡しやがれ?」


あれ?今度はシーザの声も聞こえてきた?なんでだ?

そう考え振り向いてみるとそこにはフロンとシーザが立っていた。


「ゼロスー!」


そういって喜びながらゼロスに突撃してくるフロン。


「ゲフゥ!」


内臓が傷ついたままのゼロスは吐血する。


「うわぁ!ゼロスが血を吐いた!大丈夫!?」


「大丈夫大丈夫。ちょっと内臓に傷が付いてるだけだから。」


「よく無事に生きてるなゼロス。俺も収容所で別の幹部と遭遇したがあれの強さは尋常ではなかったぞ?」


どこが無事だ!内臓に傷が付いてて簡単に吐血する人間が無事に見えるのか!?


「全然無事じゃないよ。外傷は治したけど・・・内臓までは治せないんだ。」


「えっと・・・ごめんね。そんな状態なのに飛びついちゃって。」


そういってフロンは謝ってくる。


「いやいいんだよ。喜びたいときには喜べばいいんだよ。」


「うん!とにかくゼロスも無事でよかった!」


「おーおー。二人の感動の再開におじさんはちょっと邪魔かな?ゼロス。あとで幹部の事教えろよ。」


最後の一言だけはシーザの目は笑っていなかった。


「了解。」


そういってシーザはその場から去って行った。


「エルフのみんなは無事だった?」


「うん。みんな少し弱ってるけど全員無事だった!」


よかった。これで約束は果たせたよね。このフロンの笑顔を見ていると頑張った甲斐はあったと思うよ。

これで今回の騒動は片が付いたよね?でも少しシーザの様子が心配かな?話に行ってみようか。


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