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神様の有給休暇。  作者: 炎尾
エルフの少女
6/22

神様の戦闘、一方そのころ。

一方そのころ帝国で別れたシーザとフロンは帝国近くの森にいた。


「あのー帝国から離れていくんですけどいいんですか?」


「いいんだよ。真正面から帝国に入ればフロンの嬢ちゃんのことが一発でバレる。それは避けなきゃいけない。だから別の手段で侵入する。」


別の手段で侵入?どういうことなのかな?


「えっ?こんなところから帝国に入れるんですか?」


「ああ。ギルドには有事の際に逃げるための隠し通路があるんだ。その通路は基本的にギルド長しか知らないんだが事情を帝国のギルド長に念話したらそこから入ってこいと言われた。今回の件で思うところがあるんだろうな。」


へぇー。国一つ一つにギルドがあるのは知ってたけどトップにいる人それぞれで念話で連絡取れるようにしてるんだね。


「まぁこれは緊急用なんだが今の状態はどう考えても非常事態だからな。よしあれだな。」


シーザが止まり指を指す。そこには巧妙に隠されてはいるが洞穴のような形になっている場所があった。人が一人だけ通れるような大きさである。

すごいね。全然気づかなかったよ。


「狭いが我慢してくれ。ここを通らないと帝国の中に入れるかすら怪しいんだ。」


「それは大丈夫だよ。私のことはあんまり気にしないで。助けてもらう立場で言えることがあるとはおもってないです。」


「エルフは何にも悪いことしてないんだ。文句こそ言われてもこっちが何か言えることなんてないさ。それに助けるんじゃなくて俺は人間の行いの尻ぬぐいをしてるってのもある。」


シーザもも大変だね。自分は何も悪いことしてないのにこうやって考えて。なんだかすごく申し訳なくなってくるよ。


「そうだ。これを被っておけ。」


そういってシーザはスポットから頭を隠すようにかぶれるフードを取り出す。


「これは?」


「エルフってのは結構見た目が特徴的だ。耳が少し尖っていたり、綺麗な金髪をしているとか、見目が麗しいといった具合にな。だからそれをごまかすためのものだ。」


「ありがとう。うわ。これすごい。魔法の力を感じる。なにか特別なものなんじゃ?」


「ああ。認識をごまかすための魔法陣が使ってある。被っておけばある程度はエルフとバレにくくなるはずだ。」


「すごい準備が周到だね。すぐに帝国まで来たのに。」


これだけなんでもできるのがギルド長って立場なのかな?シーザはやっぱりすごい人だよね。


「ああ。何かあったときようにいつでも遠出や行動できるものをスポットに入れている。ただそういった準備の物を入れてるからもうあんまりものが入らないって問題もあるんだがな。とはいえギルド長としてこういった準備は怠るわけにはいかないんだ。」


「やっぱり上の立場って大変なんだね。」


「だから今回の件が片付いたらフロンの嬢ちゃんとゼロスには一緒にギルドに来て欲しい。有事の際に動けける人材ってのは貴重だからな。ただ嬢ちゃんは強制しないけどな。さっきも言ったが人間のせいでこんな状況になっている。これ以上頼み事とかエルフにできたもんじゃないからな。」


ゼロスもそうだけどシーザもずっと私に気を使ってくれてる。何も悪いことしてないのに。もう、私は二人に感謝してるんだよ?


「大丈夫。私も一緒にギルドに入るよ。役に立てるかはわからないけど魔法はある程度得意だから。」


「そうか。それなら助かる。」


そうして二人は隠し通路を歩いていき帝国ギルドのギルド長の部屋に着く。


「来たか。シーザ。」


「ああ。久しぶりだな。ランディ。」


この人が帝国のギルド長?シーザよりも年が上な感じだね。顔にシワが出始めてる。40代って感じかな?それでも何かギルド長と似たような雰囲気がある。


「そっちがエルフの嬢ちゃんか?」


「ああ。そうだ。」


「すまなかった。」


そういってランディは頭を下げる。


「あの。気にしないでください。シーザにも思ってることですけど悪いことしてない人たちに頭を下げられると申し訳ない気持ちになるので・・・。」


「それでもだ。人間のあさましい欲でエルフの仲間たちを危険にさらしている。これだけは謝罪すべきことなんだ。」


ああ。この人もシーザにすごい似てる。上の立場にいる人はこんな風に責任感でいっぱいなんだね。


「わかりました。謝罪を受け取るので頭を上げてください。そしてお願いです。私たちの仲間を助けるために力を貸してください!」


「ああ。もちろんだ。必要なことがあれば何でも頼ってくれ。」


そういってランディは頭を上げて協力の意を二人に示すのであった。


「そうかなら。いくつか聞きたいことがある。さっきの放送で帝国全体の様子はどうなんだ?」


「半信半疑といったところだ。だがさっきよりも衛兵が歩き回っている。お触れを信じさせるためってのもあるが恐らくエルフの嬢ちゃんが帝国に入り込むことを警戒してるんだろ。」


「やっぱりあれだけの刺客が来て、全部返り討ちにしたんだ。警戒するよな。」


刺客?そんなの来てたの?


「それはどんなやつだった?」


「ああ。噂程度にしか流れていない蟲毒ってやつらだ。」


「何っ?実在したのか!?」


蟲毒って一つのツボに毒虫を沢山入れて殺しあわせえるって呪術だよね?すごく物騒な名前なんだけど。


「あの。もしかして私が眠っている間って。」


「ああ。何度も蟲毒がきた。狙いはフロンの嬢ちゃんだ。」


ええっ!そんなのが来ていたの!


「おい蟲毒って妙な術を使うって聞いたんだが理解できたのか?」


「ああ。ここに来るまでもう一人協力者がいてな。俺は人がいるって程度にしかわからんかったがあいつは術の正体まで見破りやがった。」


「おいおい。俺は蟲毒も気になるがその協力者も気になるぞ。どんなやつなんだ?」


ゼロスのことだね。ゼロスはたぶんすごい人。なんていうか雰囲気が他の人と違う感じがするんだよね。そしてとっても優しい人。


「正直わからん。ただ若いのに頭が切れるし、魔法に関しての知識もある。そして強い。最後のは俺の勘でもあるが戦って勝てるかって言われたら微妙な感じだ。何故なら蟲毒のことも見破るし、一撃ももらわずに蟲毒を封じることもできるからな。」


「おいおい。なんだそいつ?なんでそんな奴が今はいないんだ?」


「名前はゼロスってやつなんだが今別行動中だ。帝国の城に忍び込んで弱み、証拠探しだ。なんでも得意な魔法っていうか補助と回復の魔法しか使えないんだと。」


あれ?そうなんだ。だから最初会ったときに眠らせる魔法なんて使ってたんだね。


「そのゼロスってやつは安全なのか?」


「大丈夫だよ!ゼロスは仲間たちを助けてくれるって約束した!それにお守りもくれたもん!」


ゼロスは私に嘘なんかつかない!だってみんな助けて観光しようって約束もしてくれたもん。


「まぁそういうこった。このフロンの嬢ちゃんがいる限りあいつは裏切らねぇよ。どっかお人よしの気質があるみたいだしな。」


「それはお前お得意の勘ってやつか?」


「まぁそうだな。」


そういって笑うシーザ。シーザは自分の勘には自信があるようだった。


「少し話が逸れたが、他にどんな情報が欲しい?」


「ああ。あとはエルフがどこに捕らえられているかと元老院の弱みになるような話が知りたい。」


それは私もすぐに知りたい。助け出せるならすぐにでも。


「元老院の弱みになりそうなものは聞いたことはないが気を付けた方がいい。何やら実験を行って強力な兵器を作っているって噂を聞いたことがある。」


「今動きを強めているって点は俺も同感だ。エルフの件で戦争になるのは目に見えている。兵器等で身を守ろうとかそんなところだろ。」


「恐らくそうだろうな。それともう一つのエルフの居場所だがこの帝国の外には捕虜収容所がある。そこにエルフは捕らわれているだろう。城に牢に入れるにしても目立つし、放送もしてないうちにエルフを城に運んでいるのを見たやつはいなかったからな。」


わかった。捕虜収容所だね!そこに仲間たちがいるんだ!


「よし。そしたら俺たちはそこに向かおう。それでいいかフロンの嬢ちゃん?」


「うん。私も早く仲間を助けに行きたい。」


「すまないが俺は行けなさそうだ。帝国の元老院がさっきから念話を入れてきて依頼を出せとうるさい。恐らくエルフ関連だろう。こっちは絶対に協力させない。だからその対応で動けそうにない。頼んだぞ。」


「そうか。戦力的には欲しかったがしょうがないだろう。なら俺たちはこの通路使ってさっきの場所から収容所を目指すぞ。」


シーザが言うくらいだからやっぱりランディギルド長も強いんだろうね。でもその人も私たちに協力してくれてるんだから頑張らなきゃ!


「それじゃあなランディ。そっちは頼んだぞ。」


「ああ。何かあれば念話をする。どうにか計画を止めてくれシーザ。」


「その。お邪魔しました。助けてくれてありがとうございますランディギルド長!」


「気にするな。仲間たちの無事を祈っている。」


そういって二人は部屋を後にした。


--------------------------------------------


ギルドから森への隠し通路にて


(シーザ?聞こえる?)


「ゼロスから念話だ。フロンの嬢ちゃんちょっと待っててくれ。」


「そうなの?どういう内容かちゃんと教えてね?」


「ああ。任せろ。」


(おお。ゼロスか。何だ?何かあったか?)


(僕城に入ったらすぐに皇帝の親衛隊のデュランって人にバレた。)


「いきなりへましてんじゃねぇか!」


「えっ?何かあったの?」


「どうやらさっそく潜入がバレたらしい。」


「ええ!大丈夫なの!?」


(お前何やってんだよ!捕まったら元も子もねぇんだぞ!?)


(大丈夫だよ。考えはこっちの味方だったから色々聞けた。デュランって人だった。)


「ああ。親衛隊か。元老院側じゃないなら大丈夫か。フロンの嬢ちゃん大丈夫そうだ。」


「そうなの?よかった。」


(まぁデュランのおっさんなら大丈夫かもな。それでどんなことがわかったんだ?)


(まず僕の立てた仮説がすべて当たってたね。)


「ああ。仮説通りだったのか。あの情報量でよくそこまでたどり着けるもんだ。あいつの頭どうなってるんだマジで。」


「ええっ。あの予想全部当たってたの!?ゼロスすごい!」


(そうか。少なくとも筋は通ってたからな。その通りに動いて正解だったわけだ。)


(あと皇帝が元老院に捕まってるから助けてほしいって言われた。)


「ん?皇帝が捕まっている?」


「揉めてるって言ってたよね?なんで捕らわれるなんてことになるのかな?」


「わからん揉めてるだけでそこまで実効的な手段に出るとは思わん。」


「なにか弱みでも握ったとか?」


「ありえるな。」


(はっ?皇帝捕まってるのか?)


(みたいだよ。元老院の目の上のタンコブ状態だってさ。もしかしたら弱みを握ってしまって捕まっている可能性もあるみたいだね。)


「フロンの嬢ちゃん正解だ。弱みを握っている可能性が高いみたいだ。」


「えっ?本当にそうなってたの?」


(なるほど。それで?捕まっている皇帝は助けられそうなのか?)


(どうやら厳重みたいだね。魔法による鍵と蟲毒の幹部がいるみたい。)


「マジかよ。大丈夫なのかゼロス。」


「えっ今度はなに?」


「さっき話した蟲毒って暗殺集団の幹部が皇帝を守っているらしい。」


「お城って今そんな危険な状態なの?そんなところに侵入して本当に大丈夫なの?」


(おいおい。蟲毒の幹部って厄介なこと極まりないな。勝てるのか?)


(わからん。どうやら幹部は一芸に秀でているなんて話らしいし。)


「妙な術は使うし、何か隠してる刃があると来たもんだ。ホントになんなんだその蟲毒ってやつらは。」


「私たちにそんな人たちは来てないよね?」


「たぶんいないだろう。噂程度の奴らがこんなところに集合してるとは考えにくい。とはいえゼロスは少し心配だな。そんな奴がいるんだ。一回合流することを考えてもいいかもな。」


「そうした方がいいと思うよ。ゼロスだけ危険な目に合う必要はないでしょ?」


(そうか。危なさそうなら一回集まって作戦練るか?)


(いや。エルフ達が心配だ。先にそっちをどうにかしてあげないとまずいと思う。ところでそっちは何か手に入った情報があった?)


「断られた。エルフのことが心配らしい。」


「本当に約束守ろうとしてくれてるんだね。嬉しいけど自分のことも心配してほしいな・・・。」


(いや。フロンのこともあって大きくは動けていない状態だ。ただエルフ達がどこに捕まっているかはわかった。少なくとも城にはいない。帝国にある収容所に収められてる可能性が高い。だから俺たちはこっちに行く。)


(それなら気を付けてね。こっちには蟲毒の幹部がいるからもしかしたらそっちにも何かやばい奴が警護につけられてるかもしれない。)


「蟲毒の幹部が皇帝の警護ってことはエルフの方にも何かがいるかもしれないってか。」


「そうかもしれないね。こっちも気を付けないと。」


(妥当な考えだな。とりあえずこっちも動き始める。また後で連絡する。)


(ああ。また後でな。)


「ねぇシーザ?私もゼロスに念話してもいい?」


「ん?ああ。いいんじゃないか?激励してやれ。」


「わかった!」


(ゼロス!そっちも危険って聞いた。大丈夫?)


そう念話を掛けるとゼロスは少しびっくりしたようであった。


(ああ。大丈夫だよ。僕はこれでも強いから安心して欲しい。ただそっちも危険な可能性が高いから気を付けてね。)


(わかった。絶対にこっちは仲間を助け出すからそっちも皇帝さんを助けてあげてね!)


(ああ。任せろ。それじゃあな。)


よし。こっちも頑張らなくちゃ。


「よし。それじゃあそろそろ行くぞ。」


「うん。そうだねシーザ。」


------------------------------------------

帝国捕虜収容所


「ここが収容所ですか?」


「ああ。そうみたいだな。」


そこにはなんだかとても淀んだ空気と気味の悪い大きな建物があった。


「すごく気味が悪い感じがする。」


「ここは収容所でもあり処刑場でもある。怨霊といった類のものが跋扈していても不思議ではない。」


「そうなんだ。」


「とりあえず侵入したいんだが・・・あれじゃあな。」


そこには収容所を守る兵士が沢山いた。

これじゃあ入ってもすぐにバレちゃうよね。


「あれじゃあ下手に侵入したら見つかって捕らえられちゃうと思う。」


「そうだな。だがそれだけ今は重要な施設ってことだ。あそこにエルフが捕らえられている可能性は高そうだな。」


困ったなぁ。どうするかな。

様子を伺っているとなにやら多くの兵たちが慌てて帝国に向かって走っていく。


「ん?なんだ急になんで今帝国に?」


気のせいかな?もしかしてあの方向って・・・


「あの人たち城に向かってない?」


その私の発言を聞いたシーザは頭を抱える。


「間違いなくゼロスだろうな。見つかったか?」


「そんな!それじゃあ兵たちはゼロスを捕まえに行ったの?」


「可能性はあるだろうな。ただあいつは予定通り情報を掴んで俺たちに念話してきた。つまり役割は果たしている。捕まっても問題ない。」


なんでそんなに冷静なの?捕まったら何されるかわからないんだよ!


「ゼロスが捕まったら大変だよ!酷いことされちゃうかもしれない!」


「俺はあいつが簡単に捕まるとは思えない。むしろ頭の切れるあいつのことだ。ここにも人がいることを予想して行動を起こしたなんてことまで勘ぐっちまう。」


「でも!」


「ゼロスを信じるんだな。フロンの嬢ちゃんは何しに来たんだ?仲間たちを助けに来たんだろ?この機会を逃せばまた警備が厳しくなるかもしれない。だから俺たちも行動を開始するぞ。」


シーザずるい!そんなこと言われたら私がゼロスを信じてないみたいだ!


「むぅ。分かったよ。なら行こう。」


「まぁ少なくとも兵はいる。だから強行突破で行く。避けられない兵は気絶させながらだ。いいな?」


「うんわかったよ。」


「その前に何かフロンの嬢ちゃんは魔法が使えるか?」


念話使える時点でそれなりに使えるって思われてるのかな?


「私はどの系統の魔法もある程度使えるけど特筆するような魔法はもってない。ゼロスが使ったようなスリープとかそんなのを使っていくよ。」


「わかった。眠りそうになかったら俺が身体強化であいてを無理やり気絶させる。失敗しても気にするな。」


失敗は出来ないよね。なにかあれば私たちも捕まっちゃうわけだから。


「それじゃ行くぞ。あとここからは会話は念話でな。」


「うん。」


そういって二人は収容所の門ではなく、側面にある壁を駆け上るために動く。


(よしここから上るぞ)


そう念話をフロンにして何やら魔法を使い始めるシーザ。

すると壁に土の塊のようなもので階段が出来る。これを使って壁を超えるようだ。


(先に俺が上って様子を伺う。特に問題なければ合図する。そしたら上ってこい。)


その念話にこくりと一つ頷く。


収容所の中を伺うシーザ。どうやら誰もいなかったようでフロンに上ってこいと指で合図をしている。

フロンも上ってみると収容所の中はあまり人がいないようだった。どうやらかなりの人数が城に向かっていったようだった。


(よし行くぞ。収容所の窓を開けてそこから侵入する。)


(わかった。)


そうして二人は人気のない収容所の窓を火の魔法で溶かし鍵を開けて侵入する。


(地下に向かうぞ。そこにエルフが恐らくいる。)


(なんで地下にいるってわかるの?)


(建物の上の部分は軽犯罪を犯したものを取り調べをするときに使うんだ。そして重犯罪者や捕虜ってのは万が一暴れても取り押さえやすいように日の光を浴びせない空間とかで弱らせるんだ。たぶん食事もろくに与えられてないだろうな。)


そんな!そしたらみんなは今も弱っているってこと?


(なら早く地下に行こう。)


(そうだな。)


-------------------------------------------------


捕虜収容所地下


そこには多くの人が収められているのか何やらこもった臭いがする。


(ここの奥にいるはずだ。)


シーザが念話でそう伝えると奥には何やら人が話している。


「いやいやこれだけのエルフがいると迷ってしまいますねぇ。どれもこれも処刑するには惜しい顔をしている。」


「ベヨネ殿。あまり時間もありませんゆえ早めに選んでください。現在城に侵入者がいてこの収容所には人が少ないです。警護に使える人材もあまり多くはありません。」


「わかっておる。とはいえ万が一には秘密兵器もある。だから何も問題はない。」


秘密兵器?なんのこと?


「とはいえ本当に処刑するには惜しいな。これは少し味見をしても問題あるまい。どうせ明日には処刑する身だ問題ないだろう?」


「ベヨネ殿。別室を用意をしております。そちらをご利用なさってください。」


その発言にフロンの頭は沸騰し声を出してしまう。


「そんなことはさせない!!」


そういって看守とベヨネの前に出てしまうフロン。それにシーザは頭を抱えている。


「何ものだ!」


「私はフロン!エルフの仲間たちを助けにきた!」


「なに!まだエルフが残っていたのか!捕まえろ!」


「はい!」


そういって看守は向かってくるが、そこでシーザが現れ看守の首を絞め落とす。


「どーも。今回そこの嬢ちゃんとエルフの救出に動いているものです。とりあえずあんたには聞きたいことが山ほどある。手を煩わせないようにしてほしいもんだな。」


「貴様ら。誰に向かって口をきいているのかわかっているのか!」


「ええわかっていますとも。欲にまみれた豚に口をきいてあげているんですよ。敬語くらい使ってもらいたいもんですね。」


そういってシーザはベヨネを挑発する。怒らせて何かしゃべらそうとする作戦であった。

しかしベヨネは冷静であった。


「ご苦労なことだ。正義面をした馬鹿者がいるとはな。いい機会だ。兵器を試してみようか。」


そういってベヨネは手に付けている指輪に魔力を流し始める。

すると大きな音を出しながら大きなものがこちらに向かってくる。

それはゴーレムであった。真ん中にエルフが捕らえられていた。


「あれは・・・なに・・・?」


フロンがつぶやく。


「これは我が国が作り出した兵器だよ。エルフという実験体を使うんだ。エルフの魔力を絞りだせばとんでもない強さになっているはずだ!」


「これは酷いな。」


「なんでこんなことに。」


そういって泣き始めるフロン。


「泣くな。俺もゼロスと同じでエルフは助け出すつもりだ。どうにかしてやる。」


そうして二人と強化ゴーレムとの戦いが始まるのであった。


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