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オーギュスト・コントと人類教。その豊饒さに比べればマルクス主義の人間性の闇に対するとらえ方のなんという無知性と幼稚性

作者: 舜風人

コントは19世紀のフランスの哲学者である、しかし、今現在では全く人気がない?

というか、全く忘れられているといった方が良いだろう。

一般に彼は「社会学」の創始者としてのみ、今では知られているが、彼の主著「実証哲学講義」を読む人など、今ではまずい居ないだろう。

実証哲学とは何ぞや?と言われてもあまりにも膨大で到底私には語りつくせないが、

要するにコントの哲学体系であり、人間学であり、人間救済の方法論なのである。

だがとても膨大であるので、

項目だけでも挙げておくとこうなる。


実証哲学講義の目次


数学についての哲学的考察、

力学についての哲学的考察

天文学についての哲学的考察

物理学についての哲学的考察

光学についての哲学的考察

電気学についての哲学的考察

生物学についての哲学的考察

生理学についての哲学的考察

社会学の必要性

社会学創設の検証

社会現象の実証的検証

社会静態学

社会動態学

宗教について

拝物教あるいは神政政治の萌芽

多神教あるいは軍政政治の発展

一神教あるいは神政政治。軍政政治の、変容

近代社会における神政政治。軍政政治の崩壊

近代社会における合理的平和的制度の進歩

フランス革命後の実証的総合的社会の構築

実証哲学の最終目標

人類教の構築



最初は個別科学の哲学的考察から入るのが、良い?ですよね?

以前は、こうした方法は哲学なるものの常道だったのです。

つまり哲学は「万学の王」であり、諸学の、基盤をなすものとして

まずそれらの諸学を定義しておいてから、自分の哲学を開陳する、というのが

常道だったのです、

しかし今現在、こういう哲学体系は絶滅状態?ですよね。

あまりにも個別科学の細分化、が進みすぎてしまってこうした全体を俯瞰する視点が

困難になったからでしょう。

でも個別科学には、それを統御する神の視点(哲学)が必要なのです。

でないと、個別科学は暴走して挙句、人類の滅亡にさえ寄与しかねない事態に到達してしまうからなのです。まあくだけて言うとですね。

個別科学は物事の真相はどうなってるのか?がわかればいいだけですから

その真相が人類を抹殺しかねない真相であっても全くかまわないという事実なのです。

人類抹殺しておいて、何の真理?かよ、、という素朴な思いが正当でしょうにね。

ただしこう言った科学へのしばりはかっての、中世の異端審問、宗教裁判などの苦い思いから

今ではまあその反作用で?個別科学が野放し状態だというのもいかがなものかと思いますがね。

個別科学は放置すれば必ず暴走します。科学的真理が、必ずしも人間に都合の良いものばかりではないからです。

例えば今地球環境の汚染と破壊が大問題になっていますよね。

その対策も国連で話し合われていますが、ちょっと待ってください。

そもそもなぜ地球環境が破壊され汚染されたのか?

それの最大の責任者、張本人は人類でしょ、

その張本人を断罪しないで、いくら応急手当をしても無意味なんですよ。

つまり環境破壊への究極の解決法は「人類を抹殺することです」

人類がいなくなれば地球は再び緑の星として、植物が繁茂し、様々な動物が繁殖する大自然の王国となるからです。


、さてだいぶ話題がずれてしまいましたが、。

コントに限らず昔の哲学者というものは、世界を、科学を、社会を統一的に説明しつくすのが哲学の王道と信じ実践してきたのです。それこそが「哲学」だったのです。

実証哲学講義の目次を見ただけでも彼が説明しつく思想としてることがわかるでしょ、

まず自然科学を哲学的にセツメ資するそれから今度は人間学というか社会学を考察して

人類の理想社会を提示する。

で、、最後究極は「人類教」で完結する。

え?

人類教?ですって?

コントって、新興宗教?だったんですか?

えー。

ある意味そうです。

すべての個別科学や人間学、社会学は

コントの言うところの「人類教」で統一されるべきだからです。

おいおい

それって例えば

サンシモンとか

フーリエとかの

空想的社会主義と、まんま、おんなじ、じゃあないですか?

実はそうなんです。

コントはサンシモンの熱狂的な信奉者でして、まあのちには喧嘩別れしますが

それまでは弟子として忠実に仕えていたんですね。

サンシモンは資本家も労働者もともに「人道主義」のもとに共同して社会を発展させよという思想を生み出しましたこの辺がコントの「人類教」のお手本になっています。

さてこの人類教とは

ごく簡単にってしまうと、

キリスト教から「神」を外してそこに「人類」を、まつったもの、、といっていいでしょう。

まあ今の言葉でいえば、、立派な?新興宗教ですね。

こういうある種のいかがわしさ?を称して

のちにマルクスは「空想的」と批判したわけですが、

「宗教は阿片である」と称しましたが、まあバッサリと、私から言わせてもらえば、

宗教がらみの争い、宗教戦争などでの戦死者も多いが

スターリンや毛沢東、ポルポトなどによる「共産主義粛清」による殺戮も相当多いという事実でしょう。スターリンは粛清で300万人、毛沢東は400万人。ポルポトは300万人殺したといわれていますね。

共産主義(共産党)だけが絶対の正義であり絶対正しいという、この独善主義はコワイですよね。

したがって共産主義に反対するものは「悪」であり、なぶり殺しにしたって一向構わない、、というロジック。まるで、どこかのカルト宗教みたいですよね、

「尊士様の教えだけが正しい、それに反対するものは悪であるからポアしても、一向にかまわない」そういうロジックと全く同じですものね。

こういう萌芽を作ったマルクスの罪は、今から思えば相当重く断罪されるべきです。

かって、マルクス主義はまるで、至高の存在であり、神格化された人民の神?でしたね?でもその結果どうなったか?粛清と恐怖政治でしかなかったのです。それは歴史が証明しているとおりです。

昭和45年、哲学者の梅原猛はすでに、こういっていました。

「マルクス主義は、19世紀ヨーロッパという限界の中だけで通用する、きわめて限定的な思想である。だがマルクスもレーニンもそのことに気がついてはいない。

しかし人類はやがて、この思想の限界をきわめて高い代価を支払って知るときが来るであろう」と、

まさにその後の歴史は高い代価でマルクス主義という亡霊を葬り去ったのでしたね、

今マルクス主義とは、フーリエの空想的社会主義以上に、幻でしかない妄想だということがはっきりと歴史で証明されたのでした。昭和46年に梅原氏がこういったということは梅原猛氏の慧眼と先見の明が正解だったということですね。


人間、、人類というのは、宗教でも殺戮しまくり

社会主義でも殺しまくる。

どこまで行っても殺すという、愚かな存在なんですよね。

そうした観点から見ればいわゆる空想的社会主義の

サンシモンの、「人道主義国家論」

フーリエの「フーリエ共同体」などは

むしろすがすがしい?ですよね?

今現在の世界は

マルクス主義の幻滅と崩壊、後のカーオスから

眠っていた民族主義や偏狭な宗教主義が息を吹き返してきました。

まあ反動というか、揺り返しっていう現象は世界史によくあることですが。

マルクス主語が絶対の無謬性であるからそれに反するものは「極悪」であり

殺しても構わないという「怖さ」ですね。

それは中世の「異端裁判」と何ら変わらないじゃないですか。

アンチキリストは「悪魔」「魔女」でありそいつらは火あぶりが当たり前、ということと全く同じでしょう。

こういう不寛容、、それが今また息を吹き返しています。

偏狭な宗教主義

偏狭な民族主義です。


まあ普通の宗教心や

普通の愛国心はあって当然でしょうが

それも度を過ぎれば劇薬となるのです。

この辺の兼ね合いが、匙加減が、、難しいですが

それでも宗教は必要です、

もっと醒めた言い方をするなら「必要悪」です。

そういう意味合いからもコントのいう

ある種の普遍性を持った「人類教」なるものはまあ誰でも受け入れ可能な

宗教として、偏狭な過激な宗教の跋扈する現代の混沌に

私は今こそ目覚めさせるべきだと思うのです。


人間とは救いがたいほどの闇を抱えた存在ですよ。

それは「労働者は団結せよ」なんてそんな単純な言辞だけで律しきれるほど甘いものじゃないですよ。

人間の心の闇を律するのはやはり宗教しかないんですよ、

宗教はそういう闇をある程度照らし出して救済を当与えられるおそらくはこの世で唯一のモノですよ。

信仰心で救われるっていうことがこの奇々怪々な人間世界ではアリなんですよ。

人間世界はまさに不条理のかたまり

不合理の総合商社ですよ。

なんで俺が?

なんで私が?

ってことだらけでしょ、

合理的に説明できないことだらけですよ。この人間世界は。

なぜなのか?と問うても合理的な答えが得られないそれが人間世界でしょ、

だから宗教、、あるいは疑似宗教は

必要悪だということです。

そういう意味では「人類教」は、、素晴らしい?宗教であることは間違いないでしょうね。










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― 新着の感想 ―
[良い点] 哲学はそのまま学問全体のことを言うと思っていたので、全体を俯瞰する、というのは初めて知りました。 個別科学の真理、暴走、滅亡の考察がおもしろいです。究極の解決方法は自分も考えました。 [気…
2017/05/10 23:24 退会済み
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