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夢の中で生きていた僕は、ある日目を覚まさなくなった  作者: 月白
第三章

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第十八話

翌朝、目を覚ますと

外からセレナとカイルの話し声が聞こえてきた。


俺は体を起こし、テントの外へ出る。


「おはよう。今日はどうだった?」


セレナが振り向いて聞く。


「おはよう。いつも通り過ごしてきたよ」


見ると、カイルがセレナに教わりながら朝食を作っていた。


「おはよう......お前の姉ちゃん怖いのな」


スープをかき混ぜながらぼやくカイル。

どうやら相当怒られたらしい。


「おはよう。作ってくれてるのか?ありがとう、美味しそうだ」


そう言うと、カイルは得意げになり、何やら食材を足そうとしている。


「あーーー!それは入れちゃダメ!!」


セレナの叫びが辺りに響いた。


やがてノクティアも起きてきて、

俺たち四人、御者も交え朝食を取り、ディストラへの旅を再開した。


――――――――――

数週間後。


野営や道中にある村の宿を繰り返し、

俺たちはついにディストラの森の入口へ辿り着いた。


「それでは、私はここで」


御者に礼を言い、馬車を降りる。


森へ足を踏み入れると、

木々が奥へ奥へと手招きをするように揺れていた。


柔らかな木漏れ日が差し込む、不思議と心が落ち着く森だ。


「素敵な森ね」


セレナが深呼吸する。


ただ、異様に静かだった。動物が一匹も見当たらない。


「暗くなる前に野営できる場所を探そう」


ノクティアの声は、わずかに緊張していた。


俺たちは開けた場所を見つけ、準備を整えた。


――――――――――


夕食後、ノクティアが口を開く。


「この先は、まともに眠れるとは限らない。

今日はしっかり休むといい」


俺は早めに横になった。


すぐに眠りにつき、目を開くと向こう側だった。


身支度を整え、学校へ向かう。


教室に入ると翔が声をかけた。


「湊、おはよう」


挨拶を返し、他愛のない会話を交わす。


午前の授業が終わり、昼休み。


弁当を食べながら翔が言った。


「そういえば湊、部活入らないのか?」


「部活か。翔は入ってるんだっけ?」


「おう、剣道部」


「どんなことをするんだ?」


「竹刀で一対一。間合いを読み合って一本取るんだ。

集中すると世界が静かになって、最高な気分になるぜ」


ーー集中。


戦う感覚に近い。


「俺も入れるか?」


「もちろん!今日の放課後、一緒に来いよ」


「ありがとう」


――――――――――


放課後。


翔に案内され、部室へ向かう。


「神崎先生すごいんだぜ。竹刀握った瞬間、空気が変わるんだ」


熱心に語る翔。


部室に入ると、畳の匂いが広がった。

中央では、防具を着た生徒と男が向き合っている。


「ーーめん!」


一瞬の踏み込み。


息を飲むほど鋭い一撃だった。


稽古が終わり、男がこちらへ歩いてくる。


朝霧あさぎり、そいつは?」


「入部希望です!」


翔が答える。


「月島湊です。よろしくお願いします」


頭を下げる。


神崎 恒一(かんざき こういち)だ。よろしくーー」


面を外したその瞬間。


俺の呼吸が止まった。


顔を見た瞬間、理解してしまった。


「......父さん」


思わず声が漏れる。


「え......湊?

......ミナトなのか?」


震える声。


間違いない。


見た目だけじゃない。

その中身も――


父、レオニスだった。

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