3.紐なしバンジー、Ready go?
……………まずい。
え、何がまずいって…
わたくし澤村波瑠(30)何か知りませんが…
絶賛墜落中であります。
(体感、かなりの高度から落ちてるよね。
何か女の人がぶつぶつ言ってて…入れ物?というか、私が入った空間?ごと落とされた…のか…)
内臓が持ち上がるような異様な感覚に耐えなから、現状の確認に余念はない。
(うーん、高度があってもいずれ地面に激突は免れないような…良くわからない場所でぺちゃんこは嫌だなぁ…というかコレ流石に夢オチ、じゃあ無さそうだし)
耳を澄ませれば密閉空間の周りで風が轟と鳴る音が聞こえる。
流石に永遠に落ち続ける事はないのだろうが、という事は畢竟、終着点があると言うこと。
(…気を失って目が覚めました…な、オチを祈っておくかな…)
最終、神頼みも面倒(?)になった波瑠。
為るようになれ、であった。
同刻―
辺境の森は古の姿を残して木々は深く生い茂る…からして、落下物の確認に出たアイギスは落下地点を目指して駆けていた。
『クソが、木が多すぎて進めねぇ(怒)』
駐屯地から観た限りでは全力で駆けずとも落下地点には間に合う…と予測を立てたものの、辺境の特殊な環境を若干失念していたのだ。
『チッ…(目視だと後3リーグぐらいか?)
っつうか、ありゃぁ……』
かなり距離をつめたからこそ、肉眼で確認できたモノ。
『卵……か?』
そう、波瑠の入っている空間は……卵であった。
『ら、ラグザ。そ、空からた、たまごが!!?』
アイギスは大混乱を極める事となった。
空から卵…
小学生の頃通学路の木に野鳩が営巢していて
運悪く風が強い日に卵が降ってきた事がありました…あの時は曇り、後『卵』と真面目に日誌に書いたものです(そんな事有るわけなかろうと、先生大困惑でしたが、田舎はあるんですよ…)




