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進め!健太郎ー番外編

「あの夢を見たのは、これで9回目だった。」

 僕は呼んだ。「健太郎ー!!」

 吹雪の中、声は消えて行った。

 おかしい。さっき通った道の筈だ。

 あった。満百合のバンダナだ。

 未玖のカチューシャもある。


 気が付くと、ゲームの世界。

 これって、草薙さんが持って来たゲームの世界?


 皆で力を併せて倒したのは、ドラゴンだった。

 健太郎のブーメランが決め手だった。

 ドラゴンは言った。

「次は、リバイアサンだ。勝てると思うなよ。」

 フロアから階段を伝って上がって行ったら、白銀の世界だった。

 僕たちは、迷子にならないように、目印を置いた。そして、15分。

 いつの間にか、僕1人になっていた。

 僕は思い出していた。

 これは、何度も何度も見た、そう9回以上見た夢の世界だ。

 でも、ゲーム野中の世界。

 訳が分からなくなっていた。


 小屋があった。

 入って行くと、母の伝子がいた。悦司の母みちるもいた。健太郎の母あつこもいた。

「母さん、みんなは?」

 僕がそう言った途端、母達は蝋人形になった。


 僕は、暫く泣いた。

 そうか。あれは幻だ。母さんがここにいる訳がない。


 雪は止んでいた。

 良と継男がやってきた。

「健太郎達は?」「どこに行ったか分からないんだ。」

 僕は、満百合のバンダナと未玖のカチューシャの他に、みどりのイヤリングを見付けた。

「みんな、一度はここを通ったんだ。」

 僕の説明に良と継男は頷いた。

 山の断崖のヘリの小道を行くと、町があった。

 酒場が、町の入口付近にあったから、入ってみた。

 バーテンが、こちらを振り返った。

 アテロゴのマスターだった。

「ミルクしかないぞ。」

「マスター。他のメンバーは?」

 マスターは、蝋人形になった。

 どうやら、僕は話しかけてはいけないらしい。

 酒場を出ると、オオカミが待っていた。

 僕たちは、目をつぶるしかなかった。

 突然、オオカミのうなり声は止んだ。

 悦司だった。悦司が、相撲の技で倒したんだ。

「行こう。健太郎が待ってる。」

 4人になった僕らは、悦司の先導で、洞窟に着いた。

 巨大な蛇のような怪物が、洞窟の中の湖の中にいた。

 その前には、みどり、未玖、満百合、千香乃、悦子、めぐみが横たわっていた。

「食事の邪魔をするのは、お前らか?」

「ああ、そうだ。悪かったな。」

 登場したのは、ブーメランを持った健太郎と藤堂先生だった。

 藤堂先生は、最中に1本の刀、左右の腰にも刀を持っていた。

 2人の闘いは不利に思えたが、やがて、6人の女の子の体から発せられたまばゆい光が2人に力を与え、リバイアサンは、小さなミミズになった。

 僕らが勝利の叫びを上げたとき、場面は急展開した。

 気が付くと、僕のマンションで、草薙さんが笑っていた。

「母さん、夢を見たんだ。」「リバイアサン?9回目だよ。」


 ============== 主な登場人物 ================

 物部満百合まゆり・・・物部一朗太としおりの娘。

 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。

 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。

 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。

 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。

 服部千香乃ちかの・・・服部源一郎とコウの娘。

 南原未玖みく・・・南原龍之介と文子ふみこの娘。

 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。

 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 南出良みなみでりょう・・・転校生。千香乃と同じクラス。

 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。

 藤堂所縁・・・健太郎達の小学校教師。部活ではないが、ミラクル9の顧問を名乗っている。

 大文字伝子・・・おさむの母。

 久保田あつこ・・・健太郎の母。

 愛宕みちる・・・悦司の母。

 物部一朗太・・・アテロゴのマスター。

 草薙あきら・・・発明家。

 ===============================

 ―完―






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