壊れた王様
むかしむかし、あるところに一人の王様が三百年以上治る王国がありました。
王様は壊れていました。
国を守るために、人を人と思わず使い捨てのように扱っていました。
それでも、人々は王様に着いていました。
いつか王様が壊れる前にもどるかも。
王様のお妃さまがなくなる前に戻ると人々は信じて、王様の命令にしたがっていました。
お妃様が生きていた頃は、王様は優しく賢かったです。
お妃様が亡くなってからしばらく、壊れたように王様は何も食べず動かなくなりました。
しばらくしてから、また動き出しました。
ですが、王様は壊れてしまっていました。
「国を守らないと。あの子の作った国を守らないと」
国を守るために、効率的であるけれど必ず犠牲が出る選択をすぐするようになりました。
人体改造、サイボーグ化、ナノマシンモンスターの討伐などを進めるようになりました。
そしてどこからか王の子を連れてくるようになりました。
お妃様が亡くなったあとのことで、王様にまた愛する人ができたと最初はみんな喜んでいました。
ですが、子の母親はどこの誰かわかりません。
どこからきたのかもみんな知りません。
子に聞こうとすると泣いて言えないと言われたり、ひどい時には気を失ってしまう子もいました。
そして、その子たちは優秀で父親である王に絶対的にしたがっていました。
道具のように子どもたちを使っていました。
疲れ切ってボロボロの体で動いていましたが、それでもその表情は幸せそうでした。
けれども、ある時から効率的ではないと王様が言いました。
それから壊れて働けなくなった王様の子は城から追い出されてしまうようになってしまいました。
そして、王様の末子の姫を戦う道具、武器として扱うようになりました。
それに王様の腹心だった騎士は怒りました。
騎士は姫を守るために、王様を裏切ることにしました。
騎士は王様に逆らう意志を持った者たちを集めました。
その中には、王様の子供いました。
王様に捨てられて絶望して死んでしまう子も多い中、それでも誰かに助けられて、生き残った子たちがいました。
その子たちは、絶対的な王様への忠誠はなくなっていました。
代わりに一つの目標を持っていました。
「王様、父様を停める」
こうして、騎士は仲間を集めて反乱の準備を整えて行きました。
そして反乱を行いました。
騎士は王様がいる玉座の間に行きました。
王様に直談判するためです。
王の子たちと他の仲間は、何人かは地下に向かいました。
地下には王様の大切なものがありそれを使って、脅して、王位を譲ってもらう計画でした。
騎士は王様を殺しました。
元々殺す気はありませんでした。
けれども、反乱を起こした騎士たちを制圧するために、末の姫を呼び、末の姫を自爆させようとしました。
それに怒った騎士は王の首をはねました。
王の首からは青の冷却液が床に広がります。
人の赤の液がありませんでした。
「クニヲマモラナイト、アノコノツクッタクニ」
なんと王様は人間の部分がない完全なロボットだったのです。
騎士も周りの人間も驚き固まりました。
まさか王様がロボットだとは誰も思いませんでした。
サイボーグだと誰もが思っていました。
「末の姫、ジバクシロ」
それを最後に王様は動かなくなりました。
玉座の後ろにあるステンドグラスを突き破り、末の姫が入ってきました。
「ここから出ていけ!反逆者ども」
末の姫は叫びました。
胸の心臓コアに張り付くようにある青の自爆装置を見せながら。
多くの人は逃げました。
しかし、騎士は逃げずに姫に向かいました。
姫の自爆を止めて、姫の命を助けるためでした。
騎士は姫の体から自爆装置を取り除くことができました。
騎士は、姫の自爆装置を何度も見ていました。
ピンチの時にすぐ自爆しようとする姫を止めるのが騎士の役割でもありました。
こうして、壊れた王様は死に、末の姫は自爆装置から解放されました。
王の子が次の王になり、国は平和になりました。
めでたし、めでたし。