『この全ては神のもの』
一話完結の短編です。神のお話です。人間の信仰心というのは愚かで儚く美しいものだと思っています。
神とは人よりも遥かに崇高で偉大な存在である。そんな神を人が摸して作ったり、想像で書いたりするなど言語道断。だけれど人は神がこの世にほしいと願ったそんな願いは神に届き一つの鏡を人に降ろした。人々はその鏡を崇高し、崇めた。誰も神が人に一つの鏡を降ろした理由を考えなかったのだ。ある人は神の持ち物かもしれない。ある人は神がお作りになられたのかも…と、噂を流し神は呆れた。想像ばかりで直面すべきなのは現実であると。一つの鏡は思う。どうして自分が崇められるんだろう。ただ一つの物にすぎないのに。
神の真意は誰もがわからない。神でさえ…ましてや世界さえ神の心はわからないのだ。
力の無いのは力を願い、敗北する。
学力の無いものは学力を願い、落ちる。
神は万能ではない。すべての人を救うのが神ならば神を救うのは誰だ?無限の思想に思う。すべてを終わらせれば悩まずに済むと。
"一つの願いを叶える変わりに曖昧なものはすべてこちらが解釈する。自身はそれに文句はない。だが人には文句があるようだ。自身にとって過去でもないものは人にとって古い記憶にすぎない"と、ひねくれ神は人に目を向けることはなかった。
終
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