第一話 入学
趣味で書いています。更新頻度は少ないかもしれませんが最後まで読んでいただけると幸いです。
馬車から見える街並みはどれも少年には見たことのない風景だった
ガタ、ガタ、ガタ…馬車が止まって運転手が荷台に顔を覗かせる
「着いたぜ!兄ちゃんここがあんたの入る学校シャイン王国誇る名門グレイス魔法学校だ」
少年は馬車を降りて、目に映るあまりにもデカい校舎に驚いていた
門から校舎までの距離もそうだが、そこまで必要か?と疑わしくなるほどデカい校舎、だか運転手はさも当然かのように見ている
「ハハハッ、こんくらいで驚いていたら身が持たないぜ、なんせ魔法学校なんだからな」
少年もハハッ、と笑い運転手にお礼を告げた
門に入り校舎へ向かうと何やら人が並んでいる
その最後尾で生徒であろう人が
「新入生はここに並んで魔力測定してください」
少年も列に並び順番を待った、列が進むにつれ校舎のデカさを改めて感じていると後ろから
「お前、田舎の貴族か?」
少年は振り向いて
「どうしてそう思うんだ?」
「この校舎を見て圧倒されてるやつは大体、田舎者なんだよ」
少年の求めていた答えと違う答えが返ってきた
少年は田舎者と言い当てられた事を疑問に思ったのでは無く「貴族か?」と聞かれた事に疑問に思ったのだ
少年は貴族は傲慢で上から目線で自分よりも位が高ければ媚びを売り、自分よりも位が低ければ見下す人だと考えており、そんな風に自分は見えたのだろうかと思っていた
「いや、そうじゃなくて俺が貴族と思った理由を聞きたいんだ」
「はぁ〜、そんなの決まってるだろこの学校生徒はほとんどが貴族の家系だからだよ」
「それ本当か‼︎」
「お前そんなことも知らずにグレイス魔法学校にきたのか?この学校はな平民が通えるような学校じゃないんだぞ!お前みたいな田舎者がくるような場所じゃないんだよ」
少年はハッとした
自分以外は貴族なのだろう自分が貴族じゃないつまり平民とバレたら全員から見下され学校生活が平穏に送れないじゃないかと心配になった
しばらくすると列の順番が少年の番になった
受付けは生徒だろうか忙しそうにしている
「はい、次の子名前は?」
「トラン=フォーグです」
「トラン=フォーグ、トラン=フォーグ…あれ、名簿に無いわねあなたの名前」
「そんなはずは…」
トランは焦った
学校に入れないなら行くあてが無くなるからだ
トランは母と暮らしていたが突然、家を追い出され一人でこの学校を目指し今に至る
トランは母に学校に着いたらこれを出せと言われたものがあるのを思い出した
「あ、これあります」
とトランが取り出したのは手紙だった
それを見た受付けの生徒と後ろの人が嘘だろうという眼差しで手紙を見た
「あなたこれ推薦状じゃない!あなた推薦枠だったのね、どうりで名簿に名前が無いわけね」
推薦状はグレイス魔法学校の校長が認めた者のみに与えられるもの校長以外誰が来るのか生徒や教師すら知らない
「すっすいせんじょう!お前、田舎者のくせにあの校長に認められたのか‼︎」
後ろの人の反応を見てトランはこれなら貴族に見下されないんじゃないかと思っていた
「じゃあ魔力検査するから、この水晶に手を出して」
言われた通り手を出してからしばらくすると水晶に数字だけが表れた
その数字を見て後ろの人が思わず
「ブッ、10って低すぎるだろ!普通の新入生でも20から30ぐらいあるんだぞ、お前本当に推薦枠なのか?」
トランは再び見下される恐れが湧いて来た
だか受付けの生徒は後ろの人と違う反応をしていた
「おかしい、おかしいわ...色が出ていないわ水晶の故障かしら?」
魔力は基本的に火、水、自然、風、氷、大地の属性があり魔力が火属性なら赤色が水属性なら水色が自然属性なら緑色が風属性なら白色が氷属性なら青色が大地属性なら茶色が出るはずなのだが水晶は透明なままだった
すると後ろの人がこう提案する
「この俺が検査したらいいんですよ。この俺が検査して普通に色と数字が出れば水晶の故障じゃないつまり田舎者…名前なんだっけ?」
「トラン=フォーグ」
「トランの魔力は10しかない。しかも属性は無いという事になる。まあ、そんな奴見たことも聞いたこともないけどな」
「そうね、あなたを検査して故障か確かめるわ。あなたの名前は?」
「ライド=ウィングです」
トランの時とは違い名前がすぐに見つかりライドの測定に入る
トランは故障であれと強く願ったが水晶は白色になり30の数字が表れた
「故障じゃないみたいだな、残念ながらトランお前は魔力10の無属性だ」
それを聞いてトランは落胆する
「嘘だろ...故障じゃ...無い」
トランは魔力がある事は知っていたのだが自分の魔力に属性が無いことを知らなかった
まして魔力に属性がある事すら知らずにいた
そうこうしていると新入生の測定が全て終わった
すると生徒たちが入学式があるので会場まで新入生を案内した
会場に行くまでの道中、トランとライドに新入生の会話が聞こえてきた
「さっきの検査で45出たんだって」
「本当ならすごいですね」
「その人推薦らしいよ」
「なるほど、推薦なんですね」
「あ、あと10の人もいるみたい」
「そっそれは流石に...」
「しかもその人も推薦なんだって」
「10しかないのに推薦なんですか‼︎」
新入生達の間ではなかなか出ない数値を出した両極な二人の話題で持ち切りだった
「トランもうお前噂になってるぞ。もう一人はお前とは逆みたいだな、誰なんだろう?」
歩きながらトランはこれから先の不安を抱きながら会場に着いた
会場には椅子が並べられ舞台の上に一人の女性が立っていた
生徒が新入生を椅子に座らせ全員座り終えると舞台の女性が
「二年生、案内ご苦労だった授業に戻りなさい」
案内を終えた二年生たちが
「失礼します、校長」
と言って会場から出て行った。
「え〜、ようこそグレイス魔法学校へ、入学おめでとう私が校長のロニー=グレイスだ。今から君たちはこの場をもって新入生からこの学校の一年生だ。今からはする話はこの学校の建てられた理由や卒業までに君たちにどうなってもらいたいかなどの説明していく。まずはこの世界の話からしよう。この世界は今まさに闇の脅威にひんしている。闇は我々の住む場所を奪い、魔力を奪い、そして体をも奪い、世界を覆い尽くそうとしている。そうなっては世界が終わってしまうわけだ。そこでそうならない為、闇に対抗する魔導士を育てる為にこの学校が建てられた。どうやって闇に対抗するかをこの学校で身につけてもらい卒業後はこの世界を闇から救う魔導士になってもらいたい...だが一人だけで闇に対抗するなどあの戦いを生き抜いた私ですら出来ない…では‼︎
どうやって闇に対抗するのか。それは…
『一人がダメなら二人でだ‼︎』
実は魔力には相性がある。火が自然に強く水が火に強く自然が水に強い、そう言った相殺の関係性ではなく。全く逆の相乗の関係性を持つ火と風、水と氷、自然と大地の組み合わせの二人、このペアを組めば闇に対抗出来る『シナジー』を生み出す事ができる。今から君たちにはそのペアとなる相方を決めてもらいたい」
第一話 終
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