表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8千pv【全104話】フェアリィ・ブレット ~妖精迷宮の銃弾~  作者: 御咲花 すゆ花
第3章 ギルドまたはムッチョーダ 抗争の果て
64/105

第64話 桁違いに残忍なナリナーヅメのスキル。

 思いのほか、ムッチョーダ側の対応は早かった。さすがに、抗争中ということだけあってか、向こうも警戒は怠っていなかったのだろう。

 横道から現れた人間をめがけ、ナリナーヅメが拳銃を放つ。

 パフパフ。

 気の抜けた音が聞こえて来るものの、弾道は見えない。


(不発……?)


 相手も同じことを思ったのだろう。にやにやとした笑みを浮かべながら、銃口をナリナーヅメに向けて構えるが、そこから銃弾が発射されることはなかった。

 串刺しである。

 突如として、その体がアスタリスクのような星形に、槍で貫かれたのだ。

 そのうちの一本は、頭から脚部にかけて、体を完全に打ち抜いている。まず間違いなく、即死であろう。

 興味ないと言わんばかりに、ナリナーヅメは敵の死体を横目で見ながら、コーザに向かってにこやかに口を開いていた。


「オレ、これ以外のスキルがないんだよね。だから、百発百中ってわけ。すごいっしょ」

「お前はストックの数が少ねえんだ、無駄撃ちするな」


 入れ墨の忠告に対し、ナリナーヅメは舌をべえっと出して、不満を露わにしていたが、コーザの関心はそんなところにはなかった。


(弾丸は……確かに放たれなかったはずだ。耳飾りの酸性雨(トレンチャント)でさえ、発砲するのは見えたというのに……)


 異様なスキルをまのあたりにしたコーザは、狼狽を隠せず、背中には冷や汗を流していた。その様子を見て取ったナリナーヅメが、得意げにコーザへと近寄る。


「気になる? でも、教えてやんないよ」


 その後もナリナーヅメの無双はつづく。

 前方より顔を覗かせたギルメンたちを、問答無用で突き殺し、最終的に四人の成員を亡き者としていた。


「いや~、働いた。オレってば、大活躍」


 反面、それは敵をおびき寄せる結果にも、つながったのだろう。後方から新手の人員が姿を見せた。


(……やばい)


 連れている妖精の雰囲気が、これまでのメンバーとは明らかに違う。

 ナリナーヅメの相棒にも似ているが、それよりもやや濃いのだ。殺意とでも呼ぶべき、負のオーラが。


「ヘーネベッタか……面倒なのに見つかったな。任せられるか?」

「さっき、回復したから、残数は二個ある。大丈夫っしょ。レベルは九で、スキルは三つとも把握済みだって」

「わかった。俺たちは先を急ぐ」


 後ろに回した手を振って、ナリナーヅメが別れの挨拶をする。それを不安げに見つめていたコーザも、やがては、入れ墨に急かされてその場をあとにした。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ