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8千pv【全104話】フェアリィ・ブレット ~妖精迷宮の銃弾~  作者: 御咲花 すゆ花
第1章 コーザとニシーシ 放浪する二人
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第20話 少しの立ちふるまいで、素人と見抜くんだから大したものだ。

 コーザを見るにつき、情報屋は不敵な笑みを浮かべたが、それは何か企てがあってのことじゃないだろう。コーザと気があうことからも察せられたが、笑顔がへたくそなだけである。


「久しいな、コーザ。どうした? お前が俺に用なんて、珍しいじゃないか」

「まあ……な。あんたには、前に一度、話したことがあったろう? それだよ」

「ほう。こんな子を連れてか?」

「……。こいつはちょっと訳ありだ」

「ふん。まあ、いい。そういうことなら、行き先はワープゲートか。となると、知りたいのは氷結の位置だな?」

「話が早くて助かる。それと、モンスターの分布に変化がないかどうかも、だな」

「ここ最近は変わらないぞ」

「待て待て。うちがあんたと未踏破領域を覗いたのが、何か月前の話になると思っているんだ。それ以降からだよ」

「それもそうだったな。そうさな……あのときに比べれば、Bランク以上が、多少は増えて来ているという印象か。あるいは、俺の勘が正しけりゃ、全体的に凶暴化しているな」

「はん? 今以上にモンスターが凶悪になるなんて、ありうる話なのか?」

「だから、先に『勘だ』と断りをいれただろう」

「それに、ちょっと待て。今、モンスターが増えたって言わなかったか? おいおい。うちはついさっき、カウンターの主人から、足りてねえって話を聞いたばかりだぞ。なんだ、うちは担がれたのか?」

「セーフティの近辺はそうだろうさ。実際、向こうじゃめっきり稼げないしな。コーザも、ほかの住人たちに意地悪をしないで、こっちで戦え――って……悪い、もう出ていくんだったか。まあ、なんだ。こんな深層まで来られるのは、俺たちくらいだ。お前よりも弱いやつが来たところで、死体が一個増えるだけさね。主人の発言もそんなところだろう」

「なるほどな……」

「それより、氷結の位置だったな。ちょっと長くなる。向こうで座ろう」

「ん? ああ……」


 この場で腰を降ろさない理由について、コーザはすぐに見当がついたが、ダンジョンに不慣れなニシーシは、事情が二人とは少し違う。訝しむようにしているだけだ。


(なるほど、情報屋はスポットを見つけていたのか)


 もうだいぶコーラリネットから離れたのだ。コーザは、いきなりモンスターに出くわさないと言うが、いくらなんでもこれは不用心なのでないかと、ニシーシはしばらく立ったままであったが、やがては二人に倣って、自身もおずおずと腰を降ろすのだった。


「同行者もいるようだから、少し詳しめに話してやる」

「ああ、頼む」


 スポットの存在を知らなかった点から、ニシーシがダンジョンに詳しくないと、情報屋は見抜いたのだろう。それを悟ったコーザは、眼前の人物を、抜け目ないやつだと素直に感心してしまう。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

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