3 ポチの気持ち
今回の主人公は犬です
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御主人様の匂いがするワン!
玄関の外からだけど御主人様の匂いがしてきたので駆け出したワン
お出迎えだワン
<パタパタパタ>
ひさしぶりに会えるため尻尾が凄い勢いで勝手に動くワン
はっはっはっ
身体が暑くなってきたワン
<ガラガラガラ>
玄関が開いて御主人様が入ってきたワン
でも不思議だワン
御主人様の匂いがするのに姿が見えないワン
「わんわん!(おかえりなさい)」
御主人にいつもの挨拶をするんだワン
そうするといつも
「ただいま、ポチ」
と言って頭を撫でてくれるだワン
でも今日はしてくれないんだワン
「ごめんねポチ」
そう言って小さいのがオイラを抱きしめるんだワン
この小さいのはいつもオイラにご飯をくれるんだワン
御主人の次に偉いやつなんだワン
でもいつもは元気いっぱいなのに今日は元気がないんだワン
そんなことよりも御主人様なんだワン
オイラちゃんとお留守番できたんだワン
褒めて欲しいワン
「わんわんわん(ほめて!御主人様!)」
そう言うと小さいのが泣きだしたんだワン
なんでだワン?
小さな犬が必死になって老人の棺桶に向かって鳴いている
それを見た人達は口ぐちに
「おじいちゃんが死んだのが判らないんだね・・・」
「よくなついていたからね・・・」
「飲酒運転の車にひかれなければ今頃おじいちゃんとポチは仲良く笑っていただろうに・・・」
と涙した