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010 (閑話)嗜好品

「先ずはハーブティーでも飲んでリラックスしては如何でしょうか」

 道化者は、どうぞ、という手振りをすると、ティーポットが宙に浮いてカップへハーブティーを注ぐ。

 私は無言でカップを口元へ運び、まずは香りを愉しむ。

 バーブティーはラベンダーだった。

 バーブといえば間違いなく選ばれる品種だ。


※ラベンダー

 鎮静作用があり、ストレスからくる緊張を解し、不安を和らげてくれる。

 神経を安定させる作用もあり、お茶以外にもポプリの様に匂い袋、アロマキャンドル等で

 よく利用される。また殺菌抗菌作用があるので多種多様に好まれている。


 私は、あからさまに嫌な顔してカップをソーサーへ戻し、そーっと遠くへ避けるように滑らす。

 好みの問題なのだが、私はラベンダーが嫌いだ。

 鎮静・殺菌抗菌作用があるので、芳香剤や石鹸でも良く使われる。

 最近の芳香剤、石鹸は目が痛くなりそうな程、臭いが強い。私にとっては匂いではなく臭いた。

 ラベンダーが好きな方には大変申し訳無いのだが、私にとてラベンダーティーは、石鹸水を飲まされるのと同義に嫌悪する。

 普段なら好意として飲めなくもないのだが、道化者の出すものだ。ここはキッパリ断らせてもらおう。


「おや?お好みでは無いと」

「ではこちらは如何ですか」

 と言うや、目の前にあったティーセットはふわふわと離れていってパット消えた。

 消えた所から新しいティーセットがふわふわとやってくる。まるでネズミの王国のおとぎ話みたいだと思いながら、

 ティーカップに注がれる光景を眺める。

 私は無言でカップを口元へ運び、まずは香りを愉しむ。

 バーブティーはミントだった。

 バーブといえば間違いなく選ばれる品種だ。


※ミント

 強い抗菌効果、抗酸化作用。

 清涼感、目覚ましや気分転換に効果が高い。

 口臭や体臭を防ぐのにも優れているし清涼効果のおかげで暑い夏にはデザートとして好まれる。

 身近な用法としては豊富なメントールによるガムや歯磨き粉だろう。

 余談だが、ミントは生命力が強い。雑草化したミントのそれは、木を枯らすほど除草剤を撒いても枯れない。

 (ちなみに作者の実体験なので間違いはない。はず。)

 これを利用してミントテロとか言われる嫌がらせ方法があるが、良い子は真似したら駄目だと断っておく。


 私は、あからさまに嫌な顔してカップをソーサーへ戻し、そーっと遠くへ避けるように滑らす。

 好みの問題なのだが、私はミントティーが嫌いだ。

 殺菌や防臭、清涼感があるので、芳香剤や石鹸、歯磨き粉でも良く使われる。

 最近はミント=メントールと誤解した様な製品が多い。香りとしては良いのだが、飲むとなると戸惑いがある。

 ミントが好きな方には大変申し訳無いのだが、私にミントティーは、歯磨き粉を飲まされるのと同義に嫌悪する。

 普段なら好意として飲めなくもないのだが、道化者の出すものだ。ここはキッパリ断らせてもらおう。



「おや?こちらもお好みでは無いと」

「わがままですねぇ」

 今までのやり取りだ。道化者があえて嫌がらせをしていると思えてならない。と疑ってしまう。


「仕方がありません。お好みはなんでしょう?」

 何度も苦手なハーブティーを出されるのは迷惑だ。もっとも代表的は種類が苦手な自分の事は棚置きではあるが。

 コーヒーが希望なのだけど、西洋美ある陶芸芸術なティーセットにコーヒーは無粋というものだろう。

 紅茶は品種が分からない。

 緑茶も面白そうだとは思ったが、微妙だな。

 今の私にはハーブティーしか選択肢は無いようだ。


・カモミール

・ローズ

・ローズマリー

・ローズヒップ

・レモンバーム

・レモングラス

・ジャスミン

・ステビア

・タイム

・セージ(サルビア)

・バジル

・ヒソップ


 知っている種類はこの程度なのだが多いのか少ないのか。

 ここはあえてセージを選ぼう。

 ハーブ園でもあまりお目にかかれない種類だからだ。


「セージですか?」

「竜登様は、性根はひねくれ者ではありませんか」

 道化者からひねくれているとは言われたくないと、苦虫を潰したような表情で応える。


 セージティーは苦味があるので単品ではメニューに載らない事が多い。よくてブレンドで含まれる程度だろう。

 そういった経緯もあるので、今回の言い放ちは甘んじてやるとしよう。



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