王様ゲーム(薔薇)
「二人って、もしかして~」
里美がそう言うと二人は息をのんだ。
「潔癖症?」
「「ほっ」」
二人はホッとした。
「そっ、そうなんですの! だからこの命令はなかったことにできませんの?」
「そっ、そうだぜ。(ゲームでつなぐのなんて嫌だからな)」
二人は意見が一致した。
「でも、王様の命令だから手はつながないとダメだよ~」
里美は意外とSだった。
「わ、わかった。ルナ手つなぐぞ」
「承知の助ですの(!?)」
ルナ、お前はいつの時代の人間だ。
二人は手をつないだ。
「はいはい、茶番はこれぐらいにしてもっと過激なことしよう」
と、拓哉は言った。
そうだな。
茶番はお前の出番だけにしよう。
「じゃあ、次は過激にしますよ~」
「そうですわね」
「わかったぜ」
全員納得した。
「王様誰だ!?」
「また、私だ~」
里美がまた引いた。
「じゃあ、1番が2番にキスをする」
「はい、はい、はい、僕が2番です」
拓哉がそうほざいた。
『ふふ、これで3分の2の確率で僕は美女とキスできる』
ちなみに2分の1である。
性格も頭もとても悪い。
「1番は俺だ」
「えっ、エーぇぇぇ!?」
「僕の3分の2理論は~?」
だから、2分の1である。
「海斗だって僕とキスするの嫌だろう。手つなぐのだって躊躇するんだから」
「いや、もう俺はファーストキス済ましてるから」
「えっ」
ルナは驚いた。
「僕はまだ済ましてないから~!」
拓哉は逃げた。
しかし、体育会系の肉体の海斗に取り抑えられた。
「なんで、お前は僕とキスしなきゃいけないのに捕まえるんだよ」
「だって、王様の命令は絶対だろ」
「時と場合によるわ~!」
「里美、海斗、拓哉を椅子に縛り付けるわよ」
「なんで、この部活はロープと手錠持ってるんだ~!」
「もしかしたら、使うかもしれないでしょ~」
「普通の人は一生使わないわー!」
「拓哉、往生際が悪いぞ、俺にキスさせろ」
「だから、お前は何でそっち側の人間なんだ~!」
そうして、拓哉と海斗は唇を交わした。
ーー時を同じくして花屋さんーー
「あれ、薔薇の花が」
薔薇の花が一輪落ちた。