流石にトリプルはやめてくだちい
「あらよっと」
血流操作し傷口から毒を吐き出す。へっただの人間だと思いましたか、どうも勇者さんです。
「人間離れし過ぎてなにも言えない、それもここから始まったことでもないか」
ミルティーの率直な意見。怖いですか?もうちょっと優しくしてくれよな~
「魔物に狙われるだけじゃなくてとうとう人間にまで狙われだしたか…盗賊か~仇討ちなんて仕掛けやがって人間味のある奴等じゃないの。親父の仇だってさ。人殺し…人殺しね」
「気に病むことでもないですよ、相手は盗賊、正当防衛ですよ。それにしてもあの女盗賊と忍者には逃げられましたね。また攻撃してきますね…」
大胆エルフちゃんは素早く荷馬車をはずし鞍のついてない馬に股がる。ミルティーと俺もそれぞれ馬に股がった。リヴァは…ご想像通り俺の後ろに乗りたがったが敵は俺を集中的に狙ってくるはずだからリヴァの安全のため大胆エルフちゃんの方へ乗るように促す。
「馬?乗るな、私に乗れ」
……できん相談ですなー!幼女の背中に乗れだなんて…リヴァイアサンの時ならまだしも…抵抗あると言うか陸上じゃ意味ないでしょ。
「陸上じゃ意味ないでしょ?大胆エルフちゃんに乗せてもらいなさい…聞いてるかおい、危ないから、
降りなさい!!」
「うんしょうんしょ…乗れた♪」
うん、そうだね。話でもしようや…
「ずいぶんなつかれてますな~その子に」
ミルティーの嫌味攻撃、大胆エルフちゃんの冷ややか目線攻撃、破壊力は抜群で俺に心理的大ダメージをおうはめになった。ぐはっ!と白目で胃液を吹き出す…
「冗談半分だろうと俺には攻撃とうつるから(涙)やめてくだちいーもういっぱいでち~(涙)」
「イジメるな!今度彼氏を傷つける言動をしようものなら殺してやるからな!脅しじゃないぞ!」
幼女がこんなこと言っても普通なら可愛い、でも大胆エルフちゃんと俺は笑ってない。爆笑してるのはミルティーだけ、無知とは幸せだな(涙)こっちは血の気が引いて冷や冷やするぞ~
「さて、どうする?ユウにこの先のことはまかせるわ、ここにいる皆それに従うし?」
ミルティーに女性陣は皆賛同、後は俺の答えを待っていた。俺は静かに目をつぶり考えた後決断を済ませた。
「けりをつける、走りながらな…止まるなよ。敵は凄腕の忍者だぞ」
「決まりね」
夜が明ける前から馬を走らせた。
敵は今度で仕留めに来る。奇襲はできない、俺が狙われてるのを悟られたからな。普通なら距離を離して逃げるのだがここはあえて戦う。ゆえに速度はそこまで出してない。けど向こうは思ってない。だから逃げられないようにろくな作戦も用意せず来るはずだ。冷静さに欠ける向こうはよりこちらに勝機がある。
「このお誘いに向こうはのるかな?」
後方を走るミルティーが嬉しそうに呟いた。俺はそこにこけにした女盗賊への復讐に燃えるミルティーの静かな殺意を感じられた。殺気消せよ殺気。
「来る必ずな、大胆エルフちゃんとリヴァ、索敵頼むぞー?接近に気づくのが遅けりゃそれだけ隙が大きくならからな」
「ダークエルフよりましな働きをする。なぜなら私はユウの彼女だから」
「そんなの関係ないですよね!?」
信頼関係で言えばそうなのだが俺はリヴァを彼女とは見ておりません。それでも妹のように大事には想ってる。ユウナみたいな妹がもう一人…
「関係ある、なぜならユウの未来の妻になるから」
「へぇーそうなの♪」
「今度子ども扱いしたら丸飲みだぞ女!!」
だから茶化すなー!お前はリヴァの恐ろしさを知らなすぎるんだ!!リヴァが人間嫌いになったらどうしましょー(涙)
「敵が来ます!!」
前方を走る大胆エルフちゃんから報告が入る、ほう1本道だから張り込んでたってわけね。道のど真ん中に佇む女盗賊とくの一の二人。女盗賊はいつ逃げ出そうかそわそわしてるのがわかる。でも逃げたら俺よりくの一のほうに切りられそうだな。
「どうどうと正面からか」
「正々堂々と勝負しろ!伊丹ユウ!!」
女盗賊が叫んだ。なにが正々堂々だ、人質を使い闇討ちしようとしてた人間が偉そーに!!でもまぁそちらがそうなら合わせてやるか。
「いいぜ、どちらが相手でも構わない。なんなら同時に来るか?」
「御託はいい、かかってこい。拙者一人で充分手は足りてる。なんなら片手で相手をしてやろうか?」
嘗めてる敵、激怒寸前の二人…ミルティーは剣をカチャカチャと鳴らして威嚇し(顔もがら悪い)リヴァにいたってはドラゴンに戻りそう。それだけは勘弁してくれ、ミルティーだけでなく俺まで倒れる。
「ではこちらから~」
瞬間移動、卑怯とは言わせないぜ?急接近からの連撃で反撃の隙も与えず畳み込む。でもそこまで甘くはなかった。罠をはってやがった。
「粘着性のワイヤーで張り巡らされていたとは…」
蜘蛛の巣に捕まったように身動きができん、女盗賊がニタニタと笑いながら懐からダガーを取り出す。仲間は俺を援護しようと駆け寄るが静止させる。そもそも俺の戦いだし他に罠があるかも…
「そこで信じて待ってろ!!すぐ終わる」
「この状況でもまだほざくかー!」
振り上げたダガー、リヴァめそれを口から発射した水滴で弾き飛ばす。リヴァは待てなかった、と言うよりあまりにも激昂しているので俺の言葉なんて最初から届いてなかったようだ。くちゅくちゅと口を動かす。このままではコイツら蜂の巣になる。
「ちっ…なんだよこの子どもは!!」
「次はどこに穴をあける?」
その言葉を遮るようにくの一と俺の勝負が始まる。火花を散らして剣を俺は振り回す。剣技はなかなかのもの、それよりかは気になってたのは。
「お前、忍者か?忍ばん忍びがいるか普通、それに道具に頼りすぎて他はおろそか」
その指摘に過敏な反応を示す。図星か、こいつの動きは…間違いない暗殺よりむしろ…
「察しの通り忍者なんかじゃあない」
「ならなんだ、戦い方が何だろうどこか間があってだな…」
「武士の家系で育った。その黒髪、お前もヤマト民族の生き残りだろう?」
一歩後ろに引いて蹴りだし勢いを乗せて放つ、この国の兵法書にはない独特な戦い方を展開してくる。
そらよりか武士とは
「サムライと出会えるとはね、忍者がいても不思議じゃないか、わざわざ忍者になる必要がある?」
「バレてはしょうがない」
今度は切っ先が傍観して応援していた女盗賊に向くそれに気づいた女盗賊はその場に尻餅ついて倒れたとこみると、場数を踏んでない素人に見える。
「裏切る気!?いいのか?妹の情報が手にはいらなくなるんだぞ!?」
「最初から持ってなかった、でしょう?盗賊ギルドに所属していると思っていたのでな、潜入するのに利用したにすぎん。お前の首でこの場はおさめるとしよう…死んでいった部下もこんな上司では浮かばれんな。せめて美しく死ね」
今度は仲間割れしてくの一と思ってたサムライが女盗賊を襲い始めた。女盗賊は走ることも忘れてジリジリと後ろに下がるもリヴァが足を撃ち抜く。
ぺっ!
「ぎゃっ!」
撃ち抜かれた足を必死に押さえて足掻く。サムライは首を狙い振り上げた。女盗賊はもう逃げれない。
「助けて!!誰か!!」
懇願するが…だって命狙ってきたのそっちでしょ。
殺す理由はあっても助ける義理なんてないね。
「お命覚悟!」
「誰だと思ってるんだ!?天下のネリア様だぞ!?こんなとこでこんなとこでくそう!!」
降り下ろされた忍者刀は俺のグラムが受け止める。
その場で固まる、姿勢そのままでサムライ女が口だけを動かした。
「情が湧きましたか、こんなの口からでまかせ…拙者を騙した狼藉者、首をはねられても誰も文句は言いますまい…よりによって仇の貴方が止めるとはどういう風のふきまわしで?」
「殺そうとしたのはお前も同じ、信じるに値しないのは承知だろ?」
「ごもっともで」
「哀れになったからな、これに懲りてもう立ち向かっても来ないだろうよ」
「あっああ…」
「チビったか?」
「少し…」
聞けばこの女盗賊、親とは疎遠で名の知れた父親が死んだのを良いことに仇討ちを掲げて部下の指揮を上げようとして逆に返り討ちにあったそう。
「仲間にも愛想つかされてさ…ほら、根性無しだから…それであんたをネタに名を売ろうとしたら…」
「このざまか」
「もう仲間もいやしない…一人だ」
暗殺ギルドで忍者を連れていれば勝てると思ったんだろう。妹探しをする自称忍者のサムライを仲間にしたようだ。
「妹さんどうしたんですか?」
すっかり女性陣に溶け込んだサムライ、なにお前らころっと信じこんでんだよ!!
「人拐いを追いかけてな、黒髪の奴隷、特に男はなかなか頑丈だから奴隷として優秀だからよく狙われるのだ。珍しがられてコレクターとやらに多額で売り買いされいるのを救いに妹は家を飛び出したのだがなにぶん世間知らずの箱入り娘だったのでな、心配した父上が家督を譲る代わりに私に捜索するよう使いをしていた」
「そうしたらあの女盗賊に唆されたわけね…」
「知ってると言うのでな、初めての手掛かりで何としても知らなければと思ってなだな…」
はい、俺の影が薄くなってきた…ほら?誰か忘れてない?それは俺。はーいリヴァだけが褒めてと寄ってくるぞ~止めなくていいの?
「でえーい!キスしようとすんな!」
「ご褒美、これは貰ってしかるべき」
「我慢だ?わかるな?」
「他人がいるから気にして交尾を我慢するのはわかる。でもキスは了承しない」
わからず屋め…今はそれどころじゃないの!さて大事なことを聞いておこうか。
「あんた名前は?」
「おお!名乗り遅れました、拙者しがない現在浪人
の後藤又兵衛と申す」
すんげー男っぽい名前だね。男気溢れるいい名前ですこと♪
「俺は伊丹ユウ、そっちはミルティーでダークエルフはラーナ。この子どもに見えるのはリヴァだ」
「よろしくお願いいたします」
「ネリア…盗賊をやっている…駆け出しです…」
さて、早くユニファーとぺローに追い付かないといけないのに。とんだことで時間くっちまったな。
「これからどうすんだ、えーと後藤さんとネリア」
「妹探しをしたいが、恩義を返したい。旅のご同行許してはくれまいか?」
「行く当てない、部下の仇討ちを…冗談ですはい…もう言いません…」
完全にリヴァに心を折られている…リヴァの奴隷扱いとなっている。
「妹探すなら恐らく妹さんはセレーネ王国にはもういない。黒髪の奴隷なんて奴隷市場で一度も見なかったからな。俺もこのセレーネ王国から出るし仲間は多いにこしたことはない。来てくれるか?」
「武士として、喜んで」
「逃げたら撃たれるんだろ?」
よし、ならば行こうではないか…この完璧なる布陣で…
ガシッ…
「わかってるユウ?女の子が増えたからって…」
「ハイ、ワカッテマス」
「よろしい」
ミルティーめ…リヴァまで…大胆エルフちゃんも!?
もういい、そんな目で見つめないでくれ。
馬の配置は次の通り
大胆エルフちゃん
ネリアとその後ろに監視員リヴァ
又兵衛と後ろに俺が
「俺が前じゃなくて大丈夫?」
「これくらいさせてください、それより落ちないよう確りと掴んでください」
「はーい」
もみゅ…
「んっ♪」
後ろから胸を鷲掴み…いや、わざとじゃないんだ。
知らなかったと言うよりなんの意識もしてなかったんだ!本当だ!信じてくれ!
「あの…そこは敏感なところなのでその…」
「ごっごめんなさーい!!」
「ユウ…」
「はっ!!」
殺気!それも複数の反応です!パターン青…ミルティーです…それにリヴァと大胆エルフちゃん…
迫る大胆エルフちゃん、少し泣き顔。おっ…なに?
「不潔!!」
バッチーン!!
鋭いビンタ!
「うぎゃー!!」
落馬したあとの連弾はやめてくだちい…もういい、もういいんだ。こんな争い、誰も望まない…
「死んねー!!」
ミルティーの靴底が俺が最期に見た映像でした。




