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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
死地帰えりの男
56/135

俺の取扱いが雑な点について

今なんて?なに?この王道的な展開は?でもね、そう言うことは仮想世界では美味しい話かも知れないが現実だと死刑宣告となんら変わりがないと思うのだが…

突然お前ら救えとか無茶言うなよ。


「正式な依頼ではないですよね?」


「この国には身の丈を越える危険な依頼は受けることが出来ない。仮にこいつがあんたの言う依頼が越せる実力があってもランクはEのこいつには行かせられない。村が滅ぶなんてスケール、内では対処出来ませんね、他を当たってください」


「ドラゴンが出たんだ」


一人の女性が前に出るフードを上げて素顔がよく見えるこれもまたドラゴンね…最近俺の近くではドラゴンネタが多いね~?そこまで戦わせたい?もう怖くなってきたよ。やってられるかよ!


「ドラゴンですか?聞けば聞くほど物騒な話になってくるな…それなら余計無理ってもんだろ!大事なギルドの人間を捨て駒にするつもりは全くない!」


そう、俺も行きたくない!!でも興味はあるので聞いてみることにした。


「受ける気はないよ?でもどんなことがあったか説明してもらえません?」


「ユウお前!?行く気じゃないだろうな!?」


「もちろん、命がまだ大事さだから話だけ、話だけならいいだろ?ねっ?」


「村長…ここは私から…」


「うむ…任せる…」


数ヶ月前魔界領、戦闘街ほど近くシュトムの森ー

最初に犠牲になったのはダークエルフの子ども達。

森に入ったまま戻らなくなったと親達から連絡があった。人間界にも近いこともあって、当初は人間に拐われたと思われていた。出生率も低く珍しいダークエルフの子どもは奴隷として拐われるのもよくあることだからだ。すぐに村の若い男達が捜索に出た。捜索中そこでドラゴンと出会う。


「聞いた話だ。生き残ったのは一人…そいつもつい先日そのドラゴンに食われた」


森に入ったのは45人、戻ったのは一人のみ…大きな体であんなドラゴンはこんな魔界の端にはいないはず、

急に森に現れたのだ。


「腕に自信のある若者、皆殺しだ。最後の一人は川に飛び込み泳いでやり過ごした。挑んだ者、逃げた者は食い殺された。子ども達に若い男達。泳いで逃げた奴もドラゴンはわざと泳がしていたんだ」


空からずっと後をつけ、村まで案内させ、村につけばドラゴンは無差別にダークエルフ達を食い殺していくそこはまるで地獄絵図燃え広がる村、逃げ惑う人々、

それを食らうドラゴン…


「突然のドラゴンの襲来、我々は村を捨て周辺の渓谷や山に逃げた。だがドラゴンは隠れ穴を見つけ出し仲間を食らっていく。我々は狩猟で生活している。生きるためには狩りをしなければならない。でも狩り場はすなわちドラゴンの狩り場…」


何人も犠牲となった。広まる餓え、日に増える死傷者

に我慢ならず、魔法の剣も精霊を乗せて放った矢で戦いを挑んだ者もドラゴンの巣に無数に転がる剣を1本増やしただけ…気に病んだ者達が絶望の果てに次々と一家でドラゴンに身を捧げる者まで現れる始末に。


「悪の循環を断ち切るため、どうか助けていただきたい。報酬は人間界の通貨は持っていなくてな、わが村の宝、人の頭大の金剛石の原石。昔友好のあるドワーフの者よりわが村に友好の印として贈られた物だが今となってはこれしかないが…足らんと言うなら我はお前の奴隷となる!村のためだ!好きにしろ!!」


オイオイ…ややこしいな…


「リア・ル・ラーナこの身一つで助けていただきたい…どうか…このままただ滅ぶだけなんて…」


「そんなのかるーくお断りだ」


「なんでだ!?」


「話聞いたら怖くなっちゃった♪冗談だ。俺もギルドと言う組織に属してる以上勝手なことは許されない。

あんたら聞けば魔界の側の者だろ?依頼書もないはずだよなーこれじゃあ。そっちの話だろ、人間が手を貸すと思うか?」


「見捨てると言うのか!?」


ダークエルフの中から痛烈な声が飛び出す。


「先の魔界と人間界の大戦…ダークエルフは人間の敵であって味方じゃない。味方だったのは獣人やエルフを含め僅か。今さらドラゴンに襲われたから人間側に一部のダークエルフが寝返るとか言われても信じれないしな」


ディロンも言ってるしこの話はなしでいいだろ。さ~

切ったりしないから帰った帰った!


「頼む!!見捨てないでくれ!」


「マスターはこの依頼、受けないと判断をくだしたのです。今更助けてと泣きついたって知ったことではありませんお帰りを…」


「ミカサ・アオイ?伊丹ユウ…誰でもいい…助けてくれ…お願いだ」


その時ドアを開けてダークエルフが一人入ってくる。


「街の冒険者にバレてた!皆逃げるぞ!!」


すると蜘蛛の子を散らすように瞬く間に消えてしまった。逃げ足速いな…ドラゴンから逃げて鍛えられてるのかな?切り込み隊長はアイサさんだ。見事ドアを今度は破壊して入ってくる。


「無事か~!?」


「アイサさんだ?踏んでます…」


「おっと、悪い」


それから何があったかあれこれ聞かれた。この街に騎士団がないのによく治安が維持できてるなとつくずく不安を覚える…治安なんて災厄か…


んでそれも終わり帰り耳、ぺローとミカサはまだ話を聞かれてるそうなので俺は先に酒場に帰ることにしたのだ。例のダークエルフの集団はまだ捕まっていないらしい。それでか、図上の建物の屋根からピリピリした気配を感じるのは。待ち伏せか…つけてたか…それは知らんけどね。


「ねぇ、降りてこいよこのまま…このまま怪我して…帰りたくないだろ?なんだこれ?眠い…」


「うっ…」


精霊…確か相手を眠らせる精霊がいたはずだ…ユニさん情報だけど…ダークエルフも精霊が使えたのなら…

やられたな…






































「でもどうすんだよ!!巧く拐えてもドラゴンを退治してくれるとは限らないぞ!!」


「色仕掛けでなんとかする…私の三百年培った技巧にかかれば人間の男なら…」


「俺達の運命はお前の献身にかかってるわけか…」


「こそこそこと…」


「?」「?」


俺を拐うならもっとやり方あっただろ?猛獣みたいに檻に入れられ誰が言うこと聞くと思うんだ!!


「出せ!出せー!」


「救世主に逃げられる訳にはいかない…もうすぐ着きますよ」


「なに!?もう魔界なのか!」


「二班に別れて追手を引き離してるので厄介なミカサ・アオイも追い付くことは出来ない」


グラムを奪われた俺になす術はない。次檻から出るときが最後だ。


「協力しない場合は死刑だからな」


「見せしめだ悪く思うな…」


「そっちこそ、俺をずっと縛ったままに出来ると思うな…殺す手筈は整ってる…」


ビビらすことには成功だがしかし、立場を悪くしたような気もする…生きて帰りたーい(涙)出して!!出してよ!!ドラゴンやだよ!やだー(涙)


「騒ぐな!ここでひとまず休息をとる!」


村長が命令、ダークエルフの集団が腰を下ろそうとしたその瞬間、その人達が消えた。一瞬黒い蔭が見えたが俺の目でも捉えきれないスピード?ダークエルフがいた場所の地面はえぐれている。地面ごと姿を消した

幸い俺の檻を見張ってた男二人、女二人は無事のようだ。何が起こった?


「ドラゴン?」


見上げればデカイ蔭が覆ってるさっきまで森だったのに木は全て燃え上がり、俺達の周りは火の海に囲まれた。火はこっちには向かってこない。あくまで逃がさないように囲ってるだけのようだ。


「も、もう終わりだ」


「そんなに悲しそうな顔すんなよ」


空飛んでてなんかかっこいいじゃねぇか、檻の中からしみじみとこの状況を楽しみだす。


「この男を戦わせろ!早く!」


「無理だよやっぱり!こいつを食わしてその隙に逃げるんだよ!」


「火に囲ってるんだぞ!」


「死にたくないよー!」


「少し黙ってろよ!今なんか作を考えるから!!」


「どうせ死ぬんだよ俺達!!」


何やら仲間割れ?でもね、俺を生け贄にする案だけはダメよ~?死んじゃうからさ…ダークエルフさん?ねぇ聞いてる?そんなに大きなお耳あるのに聞こえてないわけないよね?無視?無視かコラ。


お?檻から出してくれるの?てかなんで弓矢でこっち狙うの?違うでしょ?ドラゴン狙えよドラゴン。


「やめてー!」


「こいつを殺して置いていく!ドラゴンがこいつ食ってる間になんとかして逃げるんだ!」


「バカ野郎!!避けろ!!」


遅かった…弓矢を向けてたせいでドラゴンから目を離してたから避けられなかった。鋭く大きな爪は俺に弓矢を向けてたダークエルフの男の体を引きちぎる…飛んでった上半身はえぐれた地面にぶつかり潰れる。残るは俺含め四人。


「うおー!」


「止まれ!」


もう一人の男は自分の剣を抜き挑むも敵は空中、届くわけない。今度は尻尾を回転させぶつかったそいつはもといた場所まで転がってくる。生きてるようだ。

その時ドラゴンが口を開く…


「不味そうなダークエルフよ、貴様らも腹が膨れれば豚の餌さと同じだからなありがたく食ってやる」


ガタガタ震えるダークエルフ、残るはこの身を捧げるとかほざいた女ダークエルフとガタガタ震えっぱなしの見るからにか弱そうなダークエルフ女だけ。二人いた男は一人体がちぎれ死亡、もう一人は重症だ。


「その男から先に食うか、毒が回って死んだ頃合いを見て食うかな…ところで、そこの檻の人間。なぜお前は檻にいる?」


「拉致された」


「それは可哀想にな、お前は最後に食ってやる。ありがたく思え、それまで自分の人生を思い返すがいい」


「そりゃどうも」


「これは驚いた。七竜神を見てもここまで冷静なやつは初めて見た…どいつもこいつも面白くなくてな」


「へー俺もドラゴンが喋れるとか知らなかった」


てか七竜神とか知らねー自慢かよ?残念、俺は知らんぞ?はずかしーね!


「七竜神!?なぜこんな辺境の地に!?」


「黙れ、今はこの男と話をしている」


「七竜神ってなによ」


「人間界にはあまり知られてないか?竜の国、女王より認められし実力者。神にも例えられる空の王者!ドラゴンの中のドラゴン!」


「そいつはスゲーな」


「とある任務でこの地にきたが邪魔なねずみが蔓延ってな…それを食ってるとこなのだ。こそこそとしてな時々無礼な者は我が巣に断りもなく侵入してくるので困っている。だからなねずみの巣を見付けては殺して

もまだまだ減らんのだ。それどころか我が狩り場に侵入し、我の獲物を盗んでる輩が増えだしてな。まったく飽きさせんよ…悪い意味でな」


「それはご苦労なこった…」


ダークエルフを狩ってるのはこのドラゴンか…白い鱗のドラゴン。真っ白だ。雪みたいに。


「わかってくれるか?お前は可哀想にねずみに拉致されたのだったな。よし、お前だけは助けてやる。我が探し物の手伝いをさせてやる。まずはそこのチビってるダークエルフの女!臭そうなお前から食ってやる。

次はそこに転がってる男、最後は女!お前だ!」


「くっ…この侵略者め!呪ってやる!一族地獄からお前を呪ってやる!」


「よしよし、元気がいいな、元気がいいのは最後だ。我は不味そうなのから先に食うのだ」


「そうかい…なら俺から先に食ってみな。ちとお前よりお高いから食えるかな?」


ゆっくりと檻のドアを開ける…この矢じり…切り味悪くない。サラマンダーで檻の錠を熱して切った。ドラゴンが相手なら不足なし。堂々と張り合える。


「やれやれ、人間が相手では本気を出すわけにはかないか、どれくらい加減してほしい?」


「空飛んでないで降りてこいよ」


「でも食事の順番待ちは後だ。食われるのを待っとけ最初はこの女だ」


「キャアっ」


首筋が切られてる!早く止血しないと!


「おい!そこのお前!早く止血してやってくれ!」


「了解した!」


あの切られた娘は大胆エルフに任せて…


「なぜ止血する?血抜きしないと殺したとき肉が硬くなるじゃないか?」


「立派な歯があるだろ。見せかけか?」


「なるほどな丸のみもあるが味わって食べたいのだ。

この歯の切れ味。感じてみるか?」


全部俺がへし折ってやるよ…白い鱗も真っ赤に染め上げてやる。


「来な!!」


「七竜神、白帝竜ベスティ・リオレス焼け焦げないことを祈れ」


いきなりのブレス!地面を焦がしながら向かってくるぞ!これは避けられん!だって後ろにはダークエルフ達がいる!


「サラマンダー!テメェの炎なんてねじ曲げてやる!どりゃー!」


これくらいはまだ防げる!


「これはどうかな?」


俺の両脇に火球が現れ、飛んでくる!正面はブレスでどうしても防げないぞ!


「でもやれないことをやってのけるのが俺だぜ~!」


ドラゴンもビックリだろう。まさか火球が剣で切られるとは。俺もビックリだ、流石グラム、まじ最高。


「少し驚いたぞ!大概はブレスで死ぬがそれをまさか流れを曲げ、火球すらも切り裂くとは!人間にしてはもったいない!いい男だ!でも終わりだ!」


くるんと回転し、尻尾が落ちてくる!毒の尻尾だ!当たればヤバイ!


「少し寂しいが毒で死ね!」


「ウオオオオオオオオオアオ!!気合いのーーーー!尻尾切りー!テメェの敗けだー!」


プツン…


「グアアアアア!?人間の剣に我が鱗が負けるだと!?う、嘘だぁぁぁぁ!!」


尻尾の硬い鱗を砕き、弾き飛ばし綺麗に尻尾を切り取ってやった。空中で羽を広げて戦っていたのだが急に尻尾を切られたせいか、不様に落下した。


「逃げられたら嫌だし、羽も折っとくか」


「お、折るだと!そんなことしてみろ!その毒に犯された男の解毒法も教えんぞ!死んでしまうんだぞ!」


「もし死んだら俺の代わりに謝っといてよ」


「え?」


「あの世でさ」


「ふっふざけるな!!ドラゴンを脅すだと!」


「口の聞き方には気を付けなウィンディーネ」


たちまちドラゴンの周りを水が覆い被さりそのままかき混ぜる。ドラゴンはなすすべもなく水にかき混ぜられる。


「ぷはっ!たっ助けて!泳げないんだ!溺れる!溺れるよー!助けてくれー!」


念には念を入れてかき混ぜてウィンディーネを帰す。

後には水を飲んでずぶ濡れになり威厳も消し飛んだ哀れなトカゲが一匹残った。


「ゴホゴホゴホッ…」


「おお、水飲んだか。美味かったか?」


するとたちまち人間の姿になる。


「女だったのかドラゴンだったらわかんなかったよ」


「こんな事しやがって覚えてろよ…」


「そうか、まだ灸を据えてやらないとな」


「グバァ!!」


吐いた水が再び口に入り喉を塞ぐ。


「たっぷりと苦しめ、いいな?」


「グガァ!グガガガ…」


水を出した後問い詰める。


「解毒法は?言う気になったろ?」


「ハァハァ…うわー!」


まだ元気だな~逃げ出すも尻尾を切られているから満足に歩けず這うようにして逃げる。それはまるでトカゲのようだった。そして自分が吐いた火の海の前で止まる。俺が楽に追い付いたからだ。すると俺に手を合わして懇願する。


「ゆ許してください!ダークエルフに拐われたんでしょ?お望みなら殲滅してきますよ?どんなことだってします!だが命だけは…」


ゆっくりグラムを抜き、構える。


「もう悪いことはしません!ここから出ていきますからどうか!」


「依頼主の意向は殺すこと、だったはず」


「依頼主?」


「ダークエルフ」


「!」


ここにきてドラゴンの顔は悲痛な顔に歪む。涙流して土下座するこいつを許すべきか否か。


「なんでもします!どんなことでもしますから!許してください!」


「殺してください」


大胆エルフちゃんが側による。


「毒にやられた彼もいましがた息を引き取りました。彼女はキズは深いですがなんとか止めました」


俺は無言でグラムを地面に突き刺しドラゴンに背を向ける。大胆エルフちゃんはグラムを抜き、ドラゴンの首に構える。


「許して…許して」


「お前に焼かれ、食い殺された一族の仇だ…」


ゆっくり剣を引き上げる。


「まった」


「どうして止める!!」


大胆エルフちゃんからグラムを奪う。そう、俺には御約束のあれが許されてもいいはずだ。


「ドラゴンは宝を溜め込む、そうだな?勝ったんだからお宝は俺のもの…」


「金剛石を報酬に用意しましたよね!」


「だって正式な依頼じゃないからもらえないだろ?」


「あげるよ!」


「お宝ならそんなちっぽけなな金剛石よりもっと大きなものを持ってます!金銀財宝好きなだけ差し上げます!」


「だって?」


「この身もつけると言っただろ!」


「そんな安いダークエルフの女の体より私の洗練された女体の方が良いにきまってる!そんな下品な女より我を今一度抱くべきです!胸だってほら!こんなに大きいですよ!どんなご趣味でも性欲でもご主人様のためなら満足させてご覧にいれましょう!!」


プライドを捨てたドラゴンはこうも変わるのか?夢が崩れたよ。でも怖い思いした後だからなんでもいいからしたいな~♪


「裏切るのか伊丹ユウ!!我らダークエルフの女を誰でも好きにしても良いと村長が言っておられた!今すぐ殺させろ!」


「村長はもういないぞ?もう食らった!」


「今すぐ殺してやる!覚悟しろ!」


グラムは鞘に入れると背を向けて歩き出す。


「どこに行く!」


「もう魔界のゴタゴタは関係ない帰る」


「それは困る!待ってくれ!またあのドラゴンは我々を皆殺しにする!それを無視する気か!」


元々関係のない話なんだ知るか。我がの命が大事。


「ダークエルフは敵側、俺を拉致して来たくせになんでお前の言うこと聞かなくちゃいけないんだ!恨んでも恨まれる覚えはないね!」


「そ、それはそうだが…」


「魔界のことは魔界で解決しろ!俺は襲われそうだったからドラゴンをちょいとシバいただけだ!後のことは知らん!」


そこでまだ諦めてないのか…


「剣を捨てろ!このダークエルフの女がどうなっても良いのか!?ドラゴンの握力ならプチっと潰せばすぐ終わるぞ!」


めんどいなーもー!!


「グラムを捨てたら良いんだろ!ほい!」


「ふっふっ…我に勝てたのはその剣のお陰とは思わんか?それがなければ我でも楽勝だ!」


「伊丹ユウ!!」


大胆エルフちゃんを投げてこっちにドラゴンが迫る。ドラゴンはヨレヨレと倒れそうに突進してきた。

確かにあの巨体に踏み潰されたらお仕舞いだろう。


「俺の最後のドラゴンに対抗できる武器だ」


左手の義手?手甲みたいなのを出現させドラゴンの顔面を思いっきり殴り付ける。アイサさんにも負けず劣らずの腕力だ!どうだ!


「そ、それは情報にあった。義手…そうかお前が女王様が探している…」


ぶっ飛びそのまま動かなくなる。殺してはいないはずだ。殴ったときに折れた頭の角を拾い、大胆エルフちゃんに渡す。


「依頼達成じゃないがこれくらいにしてくれ。やりすぎたらギルドの規定にも引っかかりそうだ」


「こちらは助けてくれた側だ…文句なんか言えない」


「そこのか弱そうなダークエルフちゃんおいで~」


「は、はい」


取り敢えず犠牲者を軽くだが埋葬する。


「人間界までお送りするよ」


「それより君達の別動隊が気になる」


「男が一人女が三人、どれも強者揃いだ。心配にはおよばんよ。ありがとう大丈夫だ」


「いんや~それは甘いぞ」


「どうしてだ?」


俺の経験上絶対奴が動いてる…最強の猫耳女が…


「怒らしてはいけないやつを怒らしたのさ」


「誰だ?あ、まさか…」


「ミカサ・アオイがじっとしてない気がする…」


「俺達は今三人だ。救助に行くぞ!」


「協力してくれるのか?」


「うん、ミカサの邪魔したいもん」


そうしてダークエルフの別動隊と合流することにしたのだった。

























「伊丹ユウ…名前も間違いない…女王様の探している人間はさっきの男。あの義手も間違いない」


「でも女王様…このベスティ、命令には従えません。あんな良い男は滅多にいませんから…」


「私が旦那様に貰います♪殴られた時のあの炎のような瞳…我の胸を焦がすあの炎…あ~ゾクゾクしてきます♪と言うことでダークエルフ二匹はすぐに始末出来ますが伊丹ユウだけは…拐うのは機会を見てと言うことにしますか」


「急がないと他の七竜神が集合しつつある…時間はない。次で拐う」

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