最低ランクなのはナイショの話
辺りは静かだ。朝日がぬくぬくと暖かく心地いい。体の感覚があやふやになるほどの、重量感が消える。雲の上に浮いてるようだ。
「ミ…カサ?」
「目覚めましたか?」
「あ…ああ、久しぶりに目覚めのいい朝だぜ。
それよりぺローは帰ってないのか?」
隣のベッドを見てもぺローはいなかった。俺より早く起きるわけがないし、ディロンの家にでも寝泊まりしてるのだろう。
「最初の言葉は「何故お前が俺の部屋にいるんだよ!」かと思っていましたが」
「寝起きで頭がな…覚醒するのにもうちょい時間がかかるのさ。部屋を追い出すのはそれからでもいいかな、と思ったりして…」
「それほどまで頭が回転してるなら大丈夫でしょう。私は自分の部屋に戻ります。お手数ですが出発前には一言お呼びください。用意をして待っていますので」
「今日の依頼はあんたが出っ張って来るほどの案件じゃないと思うけど~?」
ミカサはこの国一番とも言われる強者、俺達のような素人がする仕事には不釣り合いだと普通ならミカサが嫌がりそうなものだが…
「それでも私はユウの隣にいて支える」
それだけ言い残すと部屋から気品ある歩き方で
出ていく。あ~仕事だ~このままゴロゴロして
過ごして~
「そうも言ってられないか…最近手応えない敵ばかりだから薄れてたな…もっと気を張らないと、俺はまだ死ねん」
持ち物…とは言ってもこの無限に物が入るポーチの前では必要のない物まで入ってるので問題なし。装備はレザー装備、頭はなにも被らず長袖の皮の鎧に手を通していく。楯ももたず、貧弱な皮の鎧の装備だけだがミカサが言った通りに新調するか?でもようやく馴染んで愛着がわいた俺の鎧は捨てがたい。それももうランクアップしてから悩むかな。
「最後に俺の命を持ってと…」
最強の剣グラム、今だかつて磨いでもないのにはこぼれすらしない。切れ味抜群言うことなしの俺の宝だ。
「俺もどうやってこんな良い剣を手にいれたのかな?実力でもあったのかな?でもランクは低いは装備はもろいは災厄だけどな」
でも用意はすぐ終わり部屋出て隣の部屋の前へ
「オラ!行くぞ!」
ガチャ…
「では行きますか?」
階段を下りてカウンターに座る。こう思えば満足に三食食べてるかと考えれば食べてないな。
今日からはちゃんとした食生活を送ろう…
「いい食べっぷりねユウくん♪そんなにがっつかなくても誰も捕らないわよ?」
「いやでも、こいつとかさ…」
ミカサに指を指そうと思って隣を見たらスプーンですくって俺に食わそうと思ったのか期待のある眼差しで俺の口元で止まっている。
「………」
「………」
無言の戦い…朝から何しやがるんだ?新手の嫌がらせでも思い付いたのか?するとからかうように皿を拭きながらユニさんが
「朝からお熱いわね二人とも~♪」
なんてからってくるんだ!もう災厄だ!
「ユニさーん!俺達は因縁ある者同士でそんな甘酸っぱい関係じゃなーい!例えそう見えたとしてもそれは幻覚だー!」
ものすごい抗議する!俺は無実なんだー!
でも止めない、止めてくれない(涙)こうなればあれだ、あれしかない。
「レナーズ!」
「は、はい!」
レナーズを呼んでー!
「あーんてして~♪」
ふっふっふっ…誰がお前のなんか食うか!図に乗るなよ!恨めしそうな顔してるミカサの隣でレナーズも反撃とばかりにいちゃいちゃしてやった。見せつけた!お前のおちょくりのネタはこれで終わりだ!バカめ~♪あー愉快愉快♪
「ぺロー?昨日はお疲れか?」
「飲み過ぎた…うえっぷ…」
「明日依頼があると言うのに体調管理がなってませんね。これは私の仕事もやりがいがありそうですね…」
ディロンめ!夜中までぺローを連れ出しやがって!おかげでぺローがグロッキーになっておるわ!
「ならぺロー抜きで仕事だな?理解したか?」
「顔面へこませんぞ?想像できるか?」
「へこますなんて生温い…マスターの処分は禁酒1ヶ月です」
「この悪魔どもめー!」
はい、こんなバカは置いといて。今回の依頼はスライム10匹の討伐~!あ~興醒めね!
いいかい?俺はね、この街でも五本の指にはいる男なのね?そこまでは理解できる?話続けても大丈夫?そんな俺がスライム10匹と…オホホホホホホホ♪冗談がお上手ね♪
「ランクがクソだと言うのが原因だ。わかったか?実力あってもシタッパだよちみ~♪」
俺を散々バカにしたディロンはミカサによって成敗された…なんで?
「次ユウをバカにすればマスターの安い命…貰いますから覚悟してください…」
「は、はいー!」
いやーあれだなどっちも嫌いだな。ぺローは二日酔いでお留守番。ああ…話し相手よ…誰かまともな人間を私にお授けください…
狩場に到着!これからはこの林道をうろつくスライムを片っ端から切り刻めばお仕事修了!!残業は無し!素晴らしい!
「お、早速スライムだなっ?」
「………面白くなーい………」
見つけたそばからミカサが動き一瞬でスライムを昇天させていく…俺達男組の仕事がない。それで報酬が割勘とはね…嫌いな女に食わせてもらうとか俺の名誉が守れねぇ!最後の方は包帯お耳がピクピク動き、俺達が見つける前に全て狩っていく…あーつまらん!
「全滅させました」
「あ、はい、そうね…」
刀をしまいこちらに歩いてくる…一日仕事ははずだよね?予定ずれてるよ!まだ半日だよ!太陽まだまだ明るいよ!
「早すぎなんだよ!手加減しろ!」
「ユウのために頑張ったのに…(あ、察し)」
「少し待っててください」
「あっ!おい!どこいく!?」
こうしてミカサは道から外れ林の中に入っていく。止めようと思ったがスピードが速すぎてあっという間に消え去った…
「男と言うものは狩猟本能があるとお父様から聞きました。恐らく早すぎると怒ったのはユウが私に自慢する為の獲物を私が狩ってしまったから…ふふふ♪それなら私が特大の獲物を」
とは思ってはみたものの辺りにはユウが満足するような魔物がいない。駆け出しの冒険者が腕を磨く場所なのでそうそうユウに釣り合う獲物がいるわけもなくて…
「ん?もうあれでいいですか…」
目に留まった目の前の魔物に切ってかかる!
「おっせーなーなにしてんのかねー?」
こういうことに限ってよからぬことがおこる長年不幸が訪れている俺にはわかる。嫌な雰囲気というものを…
「あいつのことだ…何かあっても助けもいらんだろうな…」
「お前、ミカサには厳しいよな」
「嫌いだもん」
「昨日は仲良く帰ってたのに?」
「俺、死んでなかったか?」
「じゃあ何もなかったの?」
何も?何かあると思ってたの?あってもトラブルよ?それ以上でもそれ以下でもなく。
「へー…ぺローが可哀想…」
「なんでぺローが出てくんだよ…」
なんて雑談してたらだ、してたらミカサが厄災を連れてやって来た。やって来たって簡単に言ってるけど実際はそんな簡単な話ではない。
今度こそは地の果てまで追放してやろうかと思ったほどだ。もう限界だ!!
「助けてください」
「何から?」
ミカサが現れた。さっきと変わらないが違うところを挙げるとすれば服が薄汚れていること。
気丈なところは変わらない。助けてくださいなんてほざいてるが全然元気そうだ。
ブーーーーーーーーン!!
「な、なんだ!?」
林から特大のスズメバチのようなものが飛んでくる…うひゃ~団体さんのお着きだ~
「何したんだ!転んでキラー・ビーの巣にでも
突っ込んだか!!」
「ディロン?キラー・ビーってなに?たかがデカイ蜂でしょ?毒でも当たらなければ…」
前言撤回、避けるなんて数じゃない。辺りがデカイ蜂で埋め尽くされてる。見てて吐き気がしてきた。ブーーーーーーーーンという羽音がすげーうるさい。これはあかんわ…
「きゃあこわーい(棒読み)」
わざとらしく怖がり俺の後ろに逃げ込む…俺のイライラも限界だ!!
「俺の怒りの具現!!吹き荒れろ!サラマンダー
燃やし尽くせ!!」
数も俺の変幻自在に延びるていく炎の前では無意味、どんなに危険な相手でも燃えカスも残らんて♪
「はいおーわり…」
これまたあっさりとかたずけて殺りましたよ…
今度はお前だミカサ・アオイ!!鼻つまんで泣かずなんて可愛いもんじゃないぞ!裸にひん剥いてダンジョンに置き去りにしてやる!俺がされたと思うけどされたように!
ガサガサ…
「おい!」
助けたお礼どころかまた厄災を探しに林の中に入っていく…置いて帰るか…依頼達成したし、
これ以上はアホらしくなってきた。
ガサガサ…
ん?帰ってきたか…もう帰るぞって言おうとしたが…またか…
「きゃあこわーい助けてください(棒読み)」
今度はディロンもやってられなくなった雰囲気だ流石に俺も理解してきた…こんな茶番に巻き込みやがって!!
用意周到に今度は縄で縛られているが仏頂面だけは変わらない。縛った犯人とおぼしきコボルトは頭に大きなコブが出来ており、涙目で震えながらミカサの縄を持っている。間違いないミカサめ!脅してこんな芝居をさせたんだな。
その後可哀想なコボルトは俺が出した炎にビビり大人しく林の奥に消えた。
「いい加減にしろよっておいー!」
言う前から消えている…
「きゃあ~(棒読み)」
今度はなんだ!?
ミカサの後に生まれたばかりだろうか?手のひらの大きさもない小さなスライムがついて来ていた。これくらいなら可愛いく見える。ミカサめ…獲物を連れてきて手柄をあげさせているのか?いらんのだよ。帰りたいのだよ。この意味わかるね?猫は飼い主を狩りができないと思い
時折獲物を捕まえて持ってくることがある。ミカサも猫の本能で俺達が狩りができないと思い獲物を持ってくるのだろうか?
「これだけ小さければ害はないだろう?逃がしてもよくないか?」
「大きくなれば危険です」
「わかったよ…ユウ、帰るぞ」
「ああ、待てよ」
「…」
あれが習性と言うなら俺がミカサを怒るのは悪いだろう。ミカサも良かれと思ってしたんだと思う。でも最初のキラー・ビーは下手すれば誰かが危険な目に遭ったかもしれない。自重してもらいたいもんだ。
依頼達成を報告しても昼の3時になったところだった。でもこれから仕事に行く気にはなれない。夜は寝たいのだ。
「ちょいと早いが明日の依頼を探そうぜディロン?」
「いや、それもあるんだが一旦俺の家に来てくれ。話すことがあるんだ」
「ぺローもいるし、そうするか?ミカサは何か用事があったりするか?」
「問題ないです。行きましょう」
道すがら俺はディロンの話の内容を想像してみた。例えばそう、ミカサを抜いて王国一の冒険者としてなんか表彰されるとか?ではないか?
俺のランクが特別に上がるとか?なら嬉しいな
亡者の森に行けるから…あの聖都の冒険者…俺のことを知ってるようだった。でも今は敵か味方かわからない奴に会いに行くか?危険を承知で俺は誰なんだ!なんて聞きに行くほど焦ってもないし、頭痛の種だから早く戻って欲しいけど…
「ただいま~ぺロー?無事か?」
「二日酔いか?なら大丈夫だ。治った」
見ればイス座ってマタタビをくわえ、くつろいでいるようだった。うん、大丈夫だ。
「話を聞こうか?ディロン?」
ここでディロンが重い口を開いた。
「お前が先日の掃討作戦でとんでもないスコアだしたからよ、俺のギルド宛に沢山の依頼が届いてる。お前個人指名の依頼まで来てるが…」
おー!それはそれは、是非とも行かせてもらおうか?止めても無駄だよ?行くよ。
「だがお前には行ける実力はあるがギルドの規定があるからな?ランクの低いお前には受注の許可なんて下りないからな」
「確かにそうだな。分相応ってもんがあるからな。これは個人的に気になるから聞くんだけどどんな依頼?」
「それがな、どれも似たような依頼ばっかだぜ
?依頼主がよくわからないものが多数。それも洞窟や地下迷宮型のダンジョン、いりくんだ逃げ場のない超上級者向けのダンジョンの攻略。
ミカサがいるとはいえ、危険だ。下手すればミカサ以外全滅かもな」
確かに逃げ場のない状況と言うより狭い空間での戦闘はご遠慮願いたい。精霊術が使えないし剣術だけで皆を守れるか?挟み撃ちにでもされれば全滅も確かにあり得る話だ。
「他は?俺のランクでも出来そうな…」
「無いな、どれも危険な内容だでも一際多かったのは迷宮型のダンジョンの攻略と調査だ」
「何の?」
「ドラゴン」
聞いてますます恐ろしい…ドラゴンの調査に行けだぁ?俺に死ねと?あー恐ろし!
「最近人間界に近いこの近辺に活発にドラゴンが現れてる。強さもピンからキリまで沢山あるがどれも俺達には対処できない代物さ。ただドラゴンも無駄な戦闘は避けたいようで戦いを挑んでも逃げたすらしい」
ドラゴンとはもっと凶暴なのでは?
「見たやつの話では奴らは何かを探してるようだ。人が歩いてたら地上まで降りてくるらしいんだ。で顔を見たらそのまま消える。しかも人間界に近いここら辺のダンジョンの奥によくドラゴンが住み着いてるそうだ。だから俺はそう言う依頼は全て断ったよ。うちでは対処出来ませんってね」
「私もよくドラゴン討伐や撃退の依頼は来ましたが私を見れば逃げだす連中なので特に気にしてませんでしたが…ユウのランクをあげるため私も調査を受けたほうがいいのでは?」
「困ってる人がいるなら俺は無茶しない範囲でがんばるけどどうかな?」
生ドラゴンが見える♪俺見たい♪
「手始めにドラゴンが住み着いてるダンジョンを叩き潰すのがいいでしょうか?それとも調査の方に力をいれましょうか?」
「お前らな…行くならお前らな二人で行けよ?
俺とぺローなら足手まといになるやも知れんしな。あくまでドラゴンがいる可能性のある依頼で止めとけよ?堂々とドラゴンの討伐になんて行かしたのがバレたらお前、冒険者じゃいられなくなるぞ?」
「マジ?」
「他の依頼中ドラゴンが現れ、やむを得ず戦闘になったならまだ大丈夫だけどな。何にしても死ぬんじゃないぞあからさまとドラゴン退治はするんじゃないぞ?」
まぁ、ドラゴンが出くわす可能性がある依頼を受けるのね?なるほど。わかったぜ。見るだけ…見るだけだから。
コンコンッ
「ん?お客かな?」
扉を開ければそこにはぼろぼろのローブを羽織った沢山の集団が…
チャキ…
ミカサめ…息なり刀を抜くもんじゃないぞ危なっかしい…部屋で切り合いでもする気かよ…
「なんだお前らは…」
「ここに伊丹ユウと言う男はいるか?」
「俺だ…」
腰かけてたイスから立ち上がり扉に向かって歩きまだす。ぺローもいつでもレイピアを抜ける戦闘態勢だ。
ガシッ…
力強くミカサが俺の肩を持つ…
「罠の可能性が…」
「それは…まぁ否定は出来ないなぁ」
振りほどき扉の前まで歩き、ローブを羽織った集団に切り込める間合いで立ち止まる。何かあればすぐさま真っ二つにできるぞ?
「警戒しないでください。わしらはただのダークエルフじゃ…あなたの腕を見込んで頼みがあります…」
そしてこの集団で一番偉い人なのか先頭の人がローブのフードの部分をあげる。褐色色の肌に
ユニさんと同じ長い耳、その人白い長髪をしていた。そしてそのじいさんに続き、次々とフードをあげる。若い男女、俺と変わらない男女も
少し成熟した大人な女性がほとんどだった。興奮するとても挑発的な鎧だなボンテージだなエロいわ!じいさんと若い男数人を除けば全員この服装だぜ!?恥ずかしくないのか!?ディロンが鼻の下伸ばし始めたぞー!!
「どうかわしらの話を聞いてください…」
すると全員頭を下げる。
「まぁ話だけなら…」
丸め込まれたディロン…しょうがないか…
「立ち話もなんだ…入れよ。俺に話があるんだろ?聞くだけ聞いてやる」
「ありがとうごさいます…」
そこで聞いたのは俺も命を賭ける話だった。
「もう貴方しかいないのです…どうかわしらの村をお救いください…救世主様…」
聞かされた話は俺を新たな冒険に駆り立てるのだった。
「ユウ様はまだ見つからないのか?」
「今全力で調査中です。人間界にもスパイを送り込み情報を集めております」
「最初から人間界を目指しているはずです。まだ彼が魔界をうろついてないのは明白…何としても他の幹部、魔物に見つかる前に探し出せ!
なんとしてでもだ!竜の国の全捜索部隊、人間界周辺にいるドラゴンに連絡してなんとしてでも探し出せ!ユウ様は人間界周辺にいるはずだいいな!!」
「了解しました」
ちっ…何で見つからないのだ?もう人間界に入ってしまってるのか?それとももう…
その時大きな扉を開けて立派な軍服を見にまとったドラゴニュートが入ってくる。
「報告します!先程戦闘街に入った密偵からです。戦闘街にユウ様とおぼしき人物を確認!どうやらユウ様は人間界にいる模様!」
「何だと!?」
生きていたのか!?良かった…本当に…だが泣いている場合ではないな…今すぐ連れ戻さなくては。魔王様のため…何よりネフト様の為に…
「そのことは他の者には!」
「いえ!グロリア様に先に報告を」
よし、私以外誰も知らぬわけだな?
「この事は内密にしておけ、不確かだが今までで一番有益な情報だ。私が直で確かめる!女王にも口を閉ざしておけ!!」
「グロリア様自ら行かなくても…」
「ならん!!いいか?誰にも喋るんじゃないぞ!
後のことはロフトが引き継ぐ、いいな?」
「捜索隊は人間界周辺を固めておけ!他の幹部及び魔王配下の偵察部隊を一匹逃さず通すな!いいな!」
「了解しました!」
ふふふ…やっと会えるな…数ヶ月ぶりだと言うにのもう何百年も会ってないように感じるぞ…
私が確実に捕らえる…もう逃さん…知ってますかユウ様?ドラゴンは財宝が大好きです。ドラゴンは好きな物を溜め込む習性があるのです。
そして気に入った物は絶対手放さず盗んだものは誰だろうと容赦しない…ドラゴンが大切なものを失って初めてそのものの大切さを理解する
そして後悔するのだ。だから取り返したものは
二度と失わない絶対にだ…ユウ様は私の大事な
大事な大事な宝だ…誰にだってあげない…見せるもんですか…私だけのものだ…私だけのユウ様なんだ見ていいのも触れるのが許されるのも私だけ…
「私だけのユウ様だ…渡すもんか…髪の毛1本だってくれてやらんぞ。人間どもめ…お前達の
ものではない…ユウ様は我々ドラゴンのものだ
返してもらうぞ」
取り返したらユウ様ずぅーとずぅーとずぅーとずぅーとずぅーと私のそばにいるんだ…私の…
私だけのユウ様なのだ…
「今迎えに行きます」
黒龍は人間界の方向に向かって大きな体を持ち上げ力強く羽ばたきやがて見えなくなった。




