地獄に仏、戦闘街にアホがいた
こんなところで犯罪者集団に囲まれるとか洒落にならん。その時はその時だが見つかってたまるか!!
そんじょそこらの近所のガキも逃げていきそうな大迫力で歩いて行く。ぺローも同じでガラの悪い二人組が戦闘街に行く。ああ!?やんのかそこのお前!!お前なんか数秒でボコボコだぞ!?やってもいいんだぞ!命のやり取りを!
でも…そしてどうか許してください(涙)
貧民街から出て大通りに出たところ。
「で…出れた」
「まだだ…まだこれからだ…最後の難関戦闘街があるぞ…!」
「もういい、疲れた…帰る」
肩で息をしながら座り込む。
「こんな距離歩いただけで疲れんだ、お仕事なんてできるか!」
「宿追い出されるぞ…!仕事するんだ!こんなところで一人とか狩人ギルドの連中に狩られる
ことになる…」
そうだな!生きるために仕事するんだ!
「行くぞ…覚悟しろ!」
「ウオオオオオオオ!!」
「戦闘街に向けて、いざ突撃ー!」
んで戦闘街に着いたが空気ちゃうよね~なんかさ重苦しい。
「ぺローよ、毛皮になったらちゃんと買い取ってあげるからな」
「なんで俺は殺された前提なんだよ(怒)そこはお前も助けろよ!」
逃げるが勝ちよ!悲しいけどこれは生きるためなの!許して~ちょうだい(涙)ケットシーを見捨てるのもそれはこの世の中が決めたことなのよ~(涙)
「そんじゃ仲間に見られるかもしれないしここでバイバイ♪」
スタスタスタスタスタスタスタスタ…
「おい待てや(涙)こんなとこで置いていくな
絶対生きて帰れない(涙)」
「来んなー!お前といたら余計なトラブルにまきこまれるかもしれないだろ!自分の命最優先じゃボケー!」
散々罵りながら逃げる男の後ろをトコトコとブーツを履いた二足歩行する猫が泣きながらついてくるというシュールな状態に陥った。
そのおいかけっこはとある冒険者ギルドの前まで続いた。
「お前はこの戦闘街で力強く生きるんだ~これもお前の為なんだ~わかってくれ~(涙)」
「にゃーにゃーにゃー(涙)」
なんか感動的、でもここは戦闘街。感動する奴なんか一人もいない。
「おい見ろよ!ケットシーなんか使役してんぜ
!あんなもやし野郎が一番嫌いなんだよ、雑魚
モンスター連れて我が物顔で戦闘街うろつきやがって…邪魔なんだよ田舎者が!」
「なにー!?なんか言ったか一人じゃ無能な群れ作るしか強がれない雑魚集団が!」
突っかかるぺロー…トラブル発生。まぁこうなるのはわかってたけど。
「なんだ~この猫!調度いい、毛皮剥いで高く売ってやるよ!そこの貧弱そうな魔物使い!
こっちこいや!テメーも気に入らねぇ!身ぐるみ剥いで魔界に捨ててやる!」
やれやれ…こんなところで剣なんか抜きやがって、大人なら話し合いで解決しようぜ全く!
相手は五人、どいつもアホにしてバカ笑いしている。見るからに雑魚そ~こんなん楽勝だぞ?
倒していいのか?
「すいませんね~田舎からこいつ連れて戦闘街でほそぼそと暮らそうと思ってまして…今日のことは許してもらえないですかね?」
バキッ!
顔面殴られそのまま地面に倒れる。
「おいっ!ユウ!しっかりしろ!」
「力がねぇなら戦闘街に来んな!冷やかしならよそでやれやもやし野郎♪ギャハハハハハハおい!さっさと縛って身ぐるみ剥いじまえよ!」
後ろからそいつの仲間が一人二人と前に出てくる。あっ鼻血…
スクッ
「立ち上がって大丈夫か?じっとしてろあれぐらいの数なんてことないさ」
「そう言う訳にはいかないでしょ?あいつら確かに言ったな、力がねぇなら戦闘街に来んなって」
ぺローが不気味ににやける。
「ああ、確かに聞いたぞ…俺もな」
静かに笑いながら腰のレイピアをゆっくりと引き抜く。
「なんだー?お前ら殺る気か?おい、相手してやれ」
四人の男がロングソードを抜いて向かってくる
が正直負けるとか思えない。戦闘街か…あーあ拍子抜けだ。びびってそんした。
「泣きわめきながら死ね!」
四人の男が剣を抜いて襲ってくる。でも周りの人間はまるで無視、日常茶飯事のようでなに食わぬ顔で歩いている。いつも通りからまれてる俺達が負けると思ってるんだろう。
「ふんっ!」
俺が迫る二人組の剣を切りつけた。すると当たったと同時に剣が粉々に砕け散る。居合い術ってやつかな?忘れたけど。ここらへんの記憶はあるが思い出?人の顔とか思い出せない。
物の名前とか使い方はわかったりわからなかったり、そこらへん曖昧なんだよな。
「おい、そっちは?」
「見ての通り、やっぱり威張るだけの雑魚じゃないか?疲れたぜさっさと頭倒せよ…」
ぺローの剣さばきの前では役不足だったようで道端に二人の男が転がっている。残るは威張って命令を出していた偉そうなやつ。
「いいのか!俺達にこんなことしやがって!俺達は魔物捕獲ギルドの天空の網のメンバーなんだぜ!?俺達にこんなことしやがってマスターが黙ってないぞ!400人のメンバー全員がお前に復讐に来るぞ?」
はぁー面倒だ…いちいち吠えるな五月蝿い…
剣を握ってゆっくり近づく。
「何しやがる気だ!お、おい!聞いてなかったのか!俺はあのドラン同盟の一角の天空の網のメンバーだぞ!!おい…やめろ!くるな!」
「おら、ドーン!」
思いっきり蹴り上げて空中に飛ばす。
ヒュードチャ…
白目で道端に転がる。気絶したか、他愛ない…
んんん?気づけば俺達の周りには人だかりが出来ていた…
「天空の網のメンバーを倒しちまうとは…何者だい?」
青年が一人話しかけてくる。戦闘街の殺気を放つ他の人達とは違い、雰囲気が明るく、人柄の良さそうな印象を受ける。
「あんたは?」
「俺は…マスターさ…ギルドの」
ほー、何かのギルドのマスターか。見かけによらず強いのかな?この戦闘街、油断は禁物か。
「何かようかい?これ以上面倒事押し付けんなよ?今の喧嘩見てたなら無駄なことはやめとくんだな」
「ははははは!」
急に笑いだしたぞ!大丈夫かこいつ…
「そうじゃないんだ、新しくギルドを立ち上げたんだがメンバーが俺だけでさ!あんたらの腕を見込んで頼みがある。俺のギルドに入らないか?見たところ天空の網も知らない田舎から来たんだろ」
そんなに有名なのか、やべーとこに喧嘩うっちゃったかな…
「いや、俺はもう冒険者ギルドの人間だし…どこのギルドか知らないけど…」
「紋章は?」
「え?」
「紋章だよ、その腕輪の横に付いてるがあんたは付いてない。つまり戦闘街以外の普通の冒険者ギルドの人間だな?知らずにギルドに入ったのか?」
戦闘街のギルドは魔界の国境付近という特殊性から他の街では冒険者ギルド、他のギルドは一つと定められているが、戦闘街に限って冒険者ギルドだけでも複数ある。しかも他の街では冒険者ギルドの種類はなく、冒険者ギルドは冒険者ギルドだけ、狩人ギルドは狩人ギルドだけで名前も冒険者ギルドなら冒険者ギルドと天空の網のようなぱっとではなんのギルドかわからないような名前はなく記号のように分かりやすく冒険者ギルドと呼ばれている。
「俺は前線ではなく、他の共通冒険者ギルドの人間ってことだな?」
「そうだな」
「なら尚更入れないだろ?」
「戦闘街では他の冒険者ギルドに所属していたならその上から上書きする事が可能だ。この前線でやっていくならそうした方がいい」
「そう言うことなら…なぁ?」
ぺローの方を見る。
「勿論その猫ちゃんも大歓迎だ!腕もいいし入れない理由がない!俺には君達が勿体無い位さ!」
「誰が猫ちゃんだ!」
「どうだ?」
仕事無しでは渡っていけない。前線でやっていくならしょうがない。
「わかったよ、えっと名前は?」
「ディロン!ディロンだ!やがて戦闘街一番の
ギルドのマスターになる男の名前だ!」
元気だけはあるみたいだな。
「俺はユウ、そしてこいつは…」
「ぺローだ!間違えても猫ちゃんなんて呼ぶんじゃねぇ!」
そう言ってレイピアを抜く。危なっかしい奴だよほんと…
「そうと決まれば~行くぞ!!」
「えっ?えーーーーー!」
そのままでっかな建物に連れていかれる。ここで依頼の受注、依頼の発行を行う。依頼の達成もここに言えばいい。ちなみに手配中の犯罪者の換金もここでする。
「ほらほら早く♪」
腕輪に紋章を押された。これでディロンのギルドに入ったと言うことらしい。変なマーク!
そして新たにぺローの冒険者ギルド所属の手続きをし、ディロンのギルドに入ることとなって
今はディロンのギルドに向かう。
「ここ?ただの部屋じゃん」
ぺローの第一声、俺もそう思う。
「そうだ!実際俺が寝泊まりしてるからな!」
ギルドが保有する宿のとある一室。冒険者ギルドの建物を新しく作る金はなく、自分の部屋をギルドとするとは。
「それで依頼ってさっきの建物で受けるのか?
ならこのギルドっている?」
「依頼はそう最初のうちはさっきの建物のクエストボードから受注することになる。他の街のギルドの仕組みと同じだ名前が売れてるギルドはそのギルド専用にそのギルドに依頼がいったりしてるんだがな…まだ新しく立ち上げたギルドだからな…今は下積みの時期だ!」
最初はそのギルド専用の依頼はなく、さっきの建物の共通依頼を受けるらしい。
「明日からここに来てくれ、そっから依頼を受注しに行く。わかったか?」
「おーす」
「では今日の所は解散、お前らはどこに泊まってんの?」
んで説明、飯めっちゃうめーんだぜザマーミロみたいな風に言っておく。
「すげーな…やっぱすげーなお前ら…」
はぁ?何で?
「あの酒場、有名なギルドの凄腕メンバー達の御用達で一見さんお断りなんだぜ?」
「そんなん何処にも書いてなかったぞ」
「暗黙の了解ってやつ?いやー流石お前ら他の新人より頭一つ抜けてるわ…」
こうしてギルドから出る。
「時間通りに来いよ~後、喧嘩すんなよな~!
さっき天空の網のメンバーを倒したんだ。良くも悪くも名がしれわたってるのを忘れるな」
最後にご忠告どうも、さようなら。
こうして俺は新しくギルドのメンバー入りを果たしたのだった。




