動き出した俺
城門に着地する。城門には今来るのがわかってたようにドラコとシリウスが待っていた。
「女王様の安否は!?」
「無事だよ、今は城のネフト様の部屋にいる。見張りにロフトがしてくれているから問題ない。それより問題はアスナだ。坊主が言った通り黒だったぜ」
「ちゃんと調べたのですか!?間違いなく偽者?」
「ああ、今はこの城の檻にいる。他の幹部には内密で知ってるのは魔王様だけだ」
女王と二人きりにわざとさせたところアスナがいきなりドラゴン化して襲いかかったので三人で押さえ込んだそう。魔王様だけに事情を説明したうえで幽閉の許可が下りた。
「尋問は?」
「出来ないんだ…口封じの為か、押さえ込んだ途端に気絶してそのまま目が覚めない。特殊な魔法で魔王様にも女王様にも解除不可能だった」
「それよりグロリア様?後ろのアスナは本物?やけに静かですね?どこにいたんですか?」
「コイツも偽者なんだ。追っ手の暗殺者だ。でも今は協力してくれているので安心してくれ」
「ニャー」
「ほんとだ…絶対違う」
「それよりグロリア、坊主は何処だ?一番の立役者は何処だよ」
「それなら私の後ろに…ってあれ?」
振り返るがいない。何処だ?
「どうしたんです二人とも?そんなに慌てた顔して?私の背中に何か付いてます?」
「ウーニャー」
ベリッ
タマが背中から義手を剥がす。これって…
「これはユウ様の義手…」
しばしの沈黙。そして
「落としたのか…まさか」
「ユウ様!?えーーー!落ちたんですか!!」
義手がとれてまっ逆さま?城下町は魔物で溢れている。そんなとこに落ちたのなら…命はまずない。
「どどどどうしましょう!?」
「落ち着け!!最後に坊主と話したのは!!」
「魔王城付近です、急降下する前に…」
「その高度で落ちたのなら命は無いな…」
「わ、私何てことを!!」
「大丈夫ですよ!アイツならきっと地面の近くで落ちたんですよ。ポジティブに考えましょう?」
「それでもきっと大怪我だぞ!この付近にいるはずだ!他の幹部や魔物に見つかる前に探し出すぞ!」
そして三人はドラゴン化して魔王城付近でユウの総索に出たのであった。
「おっ、お前が魔王?女?」
「そうだ、てっきり知って乗り込んできたと思ってたよ。えっと名前は?」
「誰が喋るか」
これはひじょーにまずい状況だぞ。今の俺は最盛期に比べて弱体化したんだ!勝てるわけない!
「冷たいな…魔王がそれほどまでに憎いか勇者よ」
今なんて言った?こいつ…
「おい待て…今なんて言った!勇者?この俺が?そんなわけないじゃーん♪魔王って冗談お上手~♪」
ここは生き延びてやるわ!
「私の目に狂いはない」
「私の邪眼はどんなものでも魔力の質を見分ける最強の観察眼なのだ」
Oh!NOーーーー!なんだってーーーー!
「人間としても魔物としても異質なその魔力、魔法の詮で止めてあるな。これでは魔法は使えんな…
それにその剣、退魔の波長を感じる。特別な剣であるのを感じる…そんなもの持ってるのは勇者くらいなものよ。体中から神力を感じる、聖職者だけのはずだが所々から神力を感じるぞ?そんなの勇者だけだろ、すでにバレてるのだぞ勇者♪」
「あはは~なんのこと?」
「おっ、今魔力が揺らいだな…嘘をついたな」
全部見えてらっしゃるのね(涙)さようなら皆さん
。多分、殺されるよね俺。短い第三の人生だった。
オーディン…約束守れなくてごめんね…
「ふむ、その目付き…死を覚悟した目だな。だが安心しろ別に私はお前が殺意が無いのなら別に何もしないって…聞いてるのか?」
あーユリネルごめん…もう会えないかも。
エクシアさん、命を救ってくれてありがとう。
ディナメス、もう会えないねザマーでも寂しい。
クリュネル、魔法の実験は程々にね。
ミルティー、お仕事頑張って!
デルドレ、俺は諦めて違う男を見つけてね♪
ダン、駆け出しで苦労も多いだろうけどガンバ!!
セントーレ、人参ばっか食わされやっと解放された
ネフト、竜の国の政治?とかがんばれ、応援してる
おっちゃん、長生きしてね。後は特にない。
気がかりはナウシカアちゃんだけどどうか元気でね
。いつまでも遠くで見守ってるよ。
他の皆!お世話になりました!
ドラコ、死ね。
「聞いてるのか?殺さないよ。そもそも勇者は私の命の恩人だしね」
「んー?殺さないの?」
「そうだ」
「痛いことしない?」
「しない」
「上げておいて落とすみたいな一番残酷な虐め方しない?」
「しない」
本当ですか?
「証拠出せ!」
両手を上げた。よし、抵抗の意志はないな。
「信じてやる」
「やったー(棒読み)」
魔王と勇者ってもっと犬猿の仲と思ってたけど案外話のわかりそうなやっだな。
「それなら殺し合いとかやめよ?」
「お前を殺したくはないが部下は知らんぞ?」
そこから魔王との交渉が始まった。特に何も交渉してないがちょっとした世間話やら何やらで盛り上がった。
「面白いな勇者よ」
「そうかな?」
「文献を読めば大抵勇者は悪者で書かれているからな。お前は新鮮でいいよ」
魔王って意外といいやつなのかな。
「俺達が争わなければ皆平和に暮らせないかな」
「それは無理だろう、殺し殺され何百年…憎しみの連鎖は深く強い。二人ではどうにもならん」
うまくいかないか。
「勇者よ、どうやって城に潜り込んだ?部下をなぎ倒してか?」
「協力者がいてね」
「親交派の者達か」
「竜の国の女王のネフトってやつ」
「幹部クラスと通じてたとは…まぁ奴は親交派の中では鎖国的な立場の奴なのにな珍しい。私と話したい奴がいるとか言ってたがお前か」
「俺だな」
ネフト、ちゃんと言っててくれたんだ!
「謎の組織に狙われてるとか何とか部下の偽者が紛れ込んで拉致されてるとか言ってたな。奴に限ってとは思ってたが…そうか」
「少なくとも動いてきた!って感じがするな!」
「喜んでんの?」
変なやつだ魔王って奴は…
「退屈な毎日より刺激の多い方がいいだろう?魔王の素質があったからって小さい時から勇者に狙われるぞってこの塔に幽閉されてるような暮らしだったからな。最大の敵は勇者じゃない。怠惰だ」
「おかしな魔王もいたもんだな」
「そうだろうな、歴代の魔王の中では異質中の異質だろうな」
何処かオタク臭が漂ってるな…そうだ!
「昔から本だけが楽しみでな~♪こうして城の本を読みあさって時間を潰してたのだが。そのうち自分には体験出来ないような世界に浸るのが趣味になったのだ」
「そのおかげで魔法だけはピカイチだぞ!」
無限ポーチから俺が交通事故にあった時につけていたリュックを取り出した。
「おー!不思議な背負いかごだな!見たこともない素材で出来ている!すごいすごい!」
目をキラキラ輝かせてのぞきこんでくる。邪魔だな
。中身は弁当(故郷の味をいつか食べれるように保存の魔法がかかってる)と教科書とこれが
「あった」
漫画を取り出す。授業中は教科書は持ってきているがノートは持ってきておらず毎日教科書を開いて漫画を読む日々を過ごしていた。だから漫画が大量にリュックに入っている。
「読んでみ」
試しに一巻だけ渡す。
「綺麗な色合いだ。なんて技術力なんだ…」
「それより中身だろ」
ペラペラとページをめくっていく。
「ゆ、勇者!続きはどうなるのだ!これでは気になって夜も眠れんではないか!」
「もちろん続きはあるぞ。でもタダでは無理だ」
これで魔王に停戦協定を王としてもらうって作戦
だ。知識欲旺盛な魔王ならしてくれるはず。俺の仕事は王を説得することだな。
「くっ!宝物庫は勝手に使ってはいけないし…どうしよう…」
「条件は…」
「仕方ない…」
魔王が服を脱ぎ出す。なんで!
「今は金が使えない…なら体で払うまでた!」
バサッ!!
「ちょっ!服着ろよー!貸すからさー!」
「本当か!?」
そして裸で読み出す…
「先に服を着ろーーーー!」
「そんな暇はない!コレが私を呼んでいるんだ!」
そのあとなんだかドタバタして。
「他の幹部の説得か…不可能だが親交派の数は増やしてみせよう」
「俺もやれるかどうか王と交渉してみる」
あのよー、人間界と魔界の運命がかかってるのに漫画読みながら話すな!
更新が遅れぎみになってきました。頑張ります!動き出した俺




