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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
魔界潜入調査中
34/135

乗り込め魔王城!

「もうちょっとさ…優しく起こして…心臓に悪い」


寝起きから死にそうになるとはな!


「ウウウウウウウウウウウ!!」


ほら、アスナモドキも怒ってる。そうだ、名前がないから名前を考えよう♪


「猫っぽいからタマって呼ぼう」


「猫ならタマなのですか?」


「俺の生まれた国ではなタマと言ったら猫の名前の代名詞なんだ!」


「ウ?」


「タマ!」


「ニャー」


ほら、気に入ったぽい!決まり!


「アスナの姿なのにタマとは…不思議な気分です」


「ここから魔王城まで距離は?」


「そんなに離れてませんが?」


「急がずゆっくり飛んでくれ…」


「ですが…」


「でないと死ぬよ今度こそ…」


「酔い止めの魔法を使いますか?」


「それはいい」


では行きますか。


「ドラゴン化したら面影が無くなるから誰かわかんないよな~」


「そうですか?」


そうですよ、皆同じ。変わらん!


「ウニャー!」


「お、おお…」


タマの背中から羽が生える。ちっせー


「ウニャーと言うよりガオーだろ普通」


しかもドラゴン化はやはり完全ではないようで羽と後は鱗が生えた尻尾だけ。


「二人も乗って重くない?」


「大丈夫です、一人も二人も変わりません」


そっかーならよかった。


「あのさグロリア?」


「なんでしょう?」


「この魔界にも刀ってあるんだな」


刀って俺のいた世界の物だと思ってた。この世界にもあったとは。これを探すためにどれほど街の鍛冶屋をまわったことか…


「珍しいでしょう?刀と呼ばれる剣はこの世界でも数本しかありません。とある有名な鍛冶職人が作ったそうですが正体はいまだ謎ですが勇者ではないかと言う噂です」


俺と同じように死んでからこの世界に連れて来られた奴かな?


「私の愛用しているこの刀はほとんどが模造品ですが月光刀・月影だけはその職人の作と言われております。代々ネーロ家に伝わる家宝です」


「魔界には出回ってないはずなんですけどね、刀を所持している魔物は魔界を探しても私だけでしょう

。人間界にはこの刀を装備した騎士団も存在するとか、その切れ味に目をつけて人間界や魔界でも数々の刀が作られましたがその有名な鍛冶職人の業物には勝てません」


是非とも欲しいですな~♪


「俺も見つけようかな刀…」


「ユウ様の剣は…なんと言うか…人の剣ではないと言うか業物ですよね?かなりの…」


「その剣を使い続ける方が宜しいんじゃないでしょうか?」


でもさ、日本人なら刀の方が…


「今更他の剣に変えるのもな…手に馴染んできたとこだしグラム使い続けたほうがいっか」


「元は有名な家の出ですか?」


「じゃないけどね、貰い物なんだ」


オーディンに貰ったんだけどね。神様に貰ったとか信じてくれないよな。


「あのさ~グロリアの月光刀・月影ってさ矛盾してるよな」


「え?」


「名前が」


月光は光でしょ?月影って隠れちゃってるじゃん!


「それには秘密があるんです」


「秘密とは?」


「この刀は抜群の切れ味をほこりますが、この剣を使うには相等の腕が必要になります」


なんでよ!?


「この剣は刃に血が付くと黒く錆びるんです。ですから刃に血が付かないスピードで切らないといけないんです」


なにそれ、神業じゃん。


「月光刀は暗い夜空に浮かぶ三日月に見える物で、

黒い峰に冷たい白色に光刃が月に見える刀で、

人間界にも二本しか確認されていません」


「月影は血が付くと黒くなるので刀が真っ黒になるんです。刃が消えて黒くなるのが月が隠れて見えなくなったと言うとこから月影という名がついたと言われています」


ほへ~


「もう着きますよ!しっかり掴まってください!!」


「ちょっと待っ…うわー!」


いきなりの急降下、左腕で掴まるので精一杯で今にも落ちそうだ。


「うおおおおお~!」


「…………」


タマ冷静よな…俺が片手で掴まってても。飛んでるから助けられないか。


ガクン!


「え?」


義手とれた。


「うーーーーーーーーわーーーーーーーーー!」


そのまま勢いに乗って飛んでいく!グロリアから段々逸れていく~このままじゃ城壁にぶつかる!

魔法も使えない俺には人たまりもない!


「シ、シルフ!」


城壁にぶつかる瞬間、空気のクッションを作りだし衝撃を吸収した。危なかった~


「下にもクッションを出してっと」


何とか着いたな、グロリアが城の城壁の向こう側に消えていく。あっちが城門かな?俺がいるのは中心部より更に奥で妙に着飾ってない。シンプルな庭が広がる。城かこれが…どっちかと言うと居住区の様で生活感もある。中に入るか、よそ者(人間)が入っても大丈夫だろうか?


「ふむ、ここは使用人の共同施設のようだな」


向こうのやけに高い塔を目指すか。見立たないように目立たないように。


「この長い階段が最後のステージって感じがするよな!この先に魔王がいるみたいな…いるみたいな?

いるみたいじゃなくているかもいれないよな…」


何てったって魔王城だもんなけどどうしよう、片手で相手とか無理だろ。瞬殺だろ普通。


「いませんようにいませんように…」


あ、見えてきた。


「広ーい書庫?」


書斎のようだな?真ん中に大きな机そして部屋の隅にこじんまりとしたベッド、そして部屋のほとんどが本で埋まっている本が積み上げられて塔のようになっている。


「人間の客人は初めてだ。どうした?降服でも言いに来たか?それとも一人でここまで乗り込んできた勇者かなんかか?私の首でも取りに来たか?」


赤い髪が本の塔の隙間から見えた。奥の方になにかいる。


「おい」


「なんだ人間よ?」


「その山積みになってる本、崩れるぞ」


「何を言って…ぷぎゃっ…」


本に埋まってジタバタしている。本の一冊一冊が事典の様に分厚く、それが崩れて完全に埋まっている

辛うじて出た手足をばたつかせている。


「ぐぉ~助けろ!なに見てるんだ!褒美は存分に取らせるぞ!早く本を退けてくれ~」


「ほらよ」


シルフの力で本を浮かして助けてやった。どうだ?

感謝してくれてもいいんだぜ。


「ふー、息ができる。よくやった人間よ。いや、救世主様?私のナイト?ま、なんでもいいや」


本の下から出てきたのは赤い長髪の女だった美人、しかも巨乳。正直見慣れた体形だがこの女性から独特なオーラが出ている。明らかネフトの様な女王様的な雰囲気。


「あんたは誰だ…」


「おー、さっきのは魔法か?魔導師か?でも呪文も唱えてなかったし。うーんでもちらっとだけ魔力は感じたし…」


「シルフだよ…」


なんだこいつ…


「シルフ!風の精霊、エルフの精霊術だと!」


「近い近い近い近い!」


なんだこいつ、人間じゃないのはわかる。角生えてるし羊みたいなさ。悪魔?てか瞳まで赤いのな。


「これは運がいい!この城にいてようやく私に運が向いてきたか!」


何一人で勝手に盛り上がってんの?


「隻腕の人間よ!名を名乗れ!」


「伊丹ユウ、冒険者だけど…あんたは?」


「これはこれは、名乗り遅れたな先に言うべきであったな」


なんだこいつ?マジ意味わかんね~


「私はこの城の城主、メイビス!魔王をさせてもらっている」


なんだと!!

後ろに飛び退いて距離をとる。


「ほう…その目付き…、殺気か。それは見たことがある…お前を見ていると新しい発見がありそうだ…

暴いてやろう、全てを見てもらう」


ラスボスって女かよ!てかまだ心の準備出来てないんですけど!剣を抜くが正直勝てるか?


この時城門では騒ぎがあったのは言うまでもない。

魔王とのやり取りを書いていくぞー!

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