羞恥心って大事だよね
「この街に着地します」
割と大きい街だな。普通の人間の街とそんな変わらないし。
降りてみるとやっぱり魔界だな、色んな化物がうじゃうじゃしてる。
「もう夜になる。宿探そう」
「ではこちらへ」
連れてこられたのは明らか高そうな高級宿のような雰囲気のある豪勢な大きい宿だった。
「ユウ様ならこれくらいの宿に止まらないと」
無いわ~これは無いわ~
「あのね、暗殺者を捕らえるのよ?こんな他の客が
大勢泊まってる宿は止めよう。あんまりおおやけにもしたくないからさ」
「しっ、失礼しました!」
「グロリアみたいな貴族の出には申し訳ないけどもっと安価なボロそうで客もいそうにない小さな宿を探そうぜ?」
「それならば治安の悪い所になりますが…」
「その方が都合がいいかもな」
「そうですか、ならこちらです」
「待って待って!」
「何でしょう?」
「もっとさ庶民的な服装は?そんな派手な鎧なら目立つよ!その指輪、中に色んな道具はいってるんでしょ?せめて俺みたいな皮の鎧は無いのか?そっちのほうが周りに溶け込んで他のやつから目につかないからさ」
治安の悪い所でその鎧はまずい…チンピラに絡まれそうだ…グロリアなら大丈夫そうだが。
「庶民的な服装ですか…少ないですがユウ様のような目立たない感じの皮の鎧なら確かあったと思います。着替えましょうか?」
そして指輪から皮の鎧が出てくる。うん!これなら目立たない!
「あの…」
ん?
「何処か人気の無い所で着替えてくるのでここで待っててはくれないでしょうか?」
「グロリアの案内無しだと何処にも行けないよ」
「すぐ戻って来るので!」
風のごとくグロリアは走っていった。この間に敵を取っ捕まえる作戦でもたてとくか。
「お待たせしました」
おう早かったね!
「服装一つでこうも印象が変わるんだな…伝説の冒険者みたいで威厳があるよ」
皮の鎧も着る人がいいとかっこよく見えるのね…俺は…うん!普通。
「もう夜になります。敵が来るのは真夜中か一番油断している朝方ですかね…」
「だな、とりあえず宿だ!そこで迎撃体制を整えるて敵を迎え撃つ!」
そして客が俺達しか泊まってないようなオンボロ宿に泊まる。俺とグロリアは夫婦の旅行者の設定で明日魔王城へ観光に行くというちょっとこった設定にした(モチベーション上げの為)
そして部屋に入って作戦を発表…ワーワー!パチパチパチパチ!
「それでは作戦の説明に入ります…」
あんまり乗り気じゃないんだこの作戦…
「どうぞ」
そこでエクシアさんから授けられた無限ポーチ(物を無限に入れることが出来るポーチ)からアルコール度数が高い酒を取り出す(鬼人族産)それを置いてある机の上に静かに置く。
「この作戦はとても危険です。貴女は全てを捨てる覚悟がありますか?」
「女王陛下の為だ!愚問だな」
「指輪から新しい鎧を出して着てくれ。今着てる鎧は床に散らばるように脱ぎ捨ててくれ」
「どういう意味ですかな?詳しく説明してくれないと理解出来てません…」
敵に酒に酔った俺がグロリアとコ、コホン!をして疲れて裸の無防備で酒に酔っていてなかなか起きないという暗殺するにはこの上ない条件をつくる様に偽装工作をします。まず頭から酒を被ります。酒臭くするためにね。そして二人がさっきまで着ていた服を床に散らばるようにばらまきます。勿論服は新しいのを着ます。そして武器をもってベッドに入り布団を被って暗殺者が来るのを待って来たら二人で不意討ちして襲いかかる!と言うのが作戦。
「どうでしょう、夫婦の旅行者を襲うような盗人もいないだろう。こんなボロ宿に泊まるようなやつが金持ちには見えないもんな」
その時だった!息なりグロリアに抱きつかれる!
「な、何を!」
「しっ!小声で喋ってください。ユウ様のいう通り
つけてきたみたいです…窓の外に見えないですが殺気を感じます…」
「着替える隙は無さそうですね…」
そう言って俺から離れると服を全部脱いでしまった!どうすんの!見えてるよ!!
そしてベッドまで歩くと布団の中に潜り込み指でこっちに来るように淫らに誘ってくる。言葉はないでも視線でもう我慢出来そうにないです!!こっちが襲ってしまいそうです!!
そのまま近づこうとすると…
「私だけあられもない姿なんてずるいですわ~貴方のお姿、全て見せて♪今日もたっぷりと可愛がってくださいまし♪」
翻訳…多分意味は服を全部脱いでください。でないと作戦になりません。だろうか…
「ほらほら早く~♪そんなに焦らして!もう我慢出来ないの知ってるくせに~!意地悪♪」
凄いな…捕まえる為なら貴族のプライドも捨てるか
、迫真の演技だ…待たせるわけにはいかないな…とりあえずパンツだけは履いて他はあっちこっちに投げた。グラムも床に置いて…剣無しでどうするか?
「今日は寝かさないぜ!」
「きゃっ♪」
ルパンダイブ!そこから布団を被って作戦に移る。
「指輪から鎧を出して着てくれ」
「はい、サイズが合うかわかりませんがユウ様に私の鎧の一つをお貸しします」
「あっありがとう」
着てみるとブカブカ…下の装備だけつけて上は裸で
行くか…最強の筋肉の鎧がある!左腕の義手も!
「武器はどうします?刀しか無いのですが何本かありますので」
「刀はグロリアが使ってくれ、こんな狭い室内で二人も刀を振り回すのは危ないから」
「わかりました」
布団の中でゴソゴソと暴れてたがピタリと止まる。迎撃体制は整った。あとは奴が来るのを待つだけ。けどなかなか来ない…バレた?
「ユウ様…流石にじっとしているのは…」
「ダメなのか?動かないと…」
長い沈黙のあと
「はい…」
か細い、けど何処か照れているのか小さな返事だった。でもどうすれば?横でゴソゴソとグロリアが四つん這いになる…まさかこれは!
「確かドラゴンの交尾はこうだったはず…(照)すいませんユウ様!私はこう言う知識は疎いのです!
(照)ですからユウ様!ユウ様に全てを託します!
どんなことでも出来ることならしてみますから(照)なのでその…」
「ワカッタ、ヤッテミマス(棒読み)」
どどどどうしよう!なんせ童貞で死んだから俺もわかんないよ~!でも布団被ってるからな!見られるわけじゃない!それに服も着てるし~?大丈夫だ!
とりあえずドラゴン式で、どんなんか知らんけど…
四つん這いになったグロリアの後ろからのしかかってみた。カエルの交尾見たい~
ドラゴンの時だったら大丈夫だったんだ…問題なかったんだ。でも人間の姿なら…ね?テンパるでしょ?
「こ、こんな感じかな…ドラゴンのアレって…」
「………わかりません……私も経験無いので」
二人ともうぶでしたーでもどうしよもないよねーこれからどうすっかな…この態勢ヤバイ…
「動いてください…」
「流石にそれはダメ!!犯罪よ!?まだ騎士団のお世話になりたくない!例え王様の命令でも無理ー!」
「でないと敵に逃げられて女王に合流されたら…」
あれです背に腹は変えられぬ…ヤるしかないのです
でないと俺を化け物にした犯人を捕まえられないのです。勇者としてそれは見過ごせない。去らば羞恥心よ…
ゆっくりと腰を動かしたら負けだと思ったので義手の魔力を借りて魔法を発動する!
「きゃっ!ん…!」
しっかりとグロリアの腰に手を回して固定。縦揺れの震動系の魔法を発動させる…揺れ激し…布団がずれるやろ!
「はっんっんっんっ♪」
「変な声出さないで~」
「出さないとあっ♪怪しまれますからあんっ!」
ベッドの脚が軋む音とグロリアの淫らな声…興奮しない訳がない!嫌でも反応する。
「わっわっわっわっ!」
震動で前の方にずれていく。この震動は俺の意志とは関係なく動くのでどうしようもない。
やがて震動は止まりグロリアの荒い息づかいだけが部屋に聞こえる。
「すいません(涙)こんな作戦たてるんじゃなかった(涙)」
ふんーふんー!妙に鼻息だけが聞こえる。顔を見ると必死にブリーシンガルをくわえるグロリアの顔が見えてるよ?発情!?
「大丈夫ですかー今退きますね!重かったですよね
すいません」
「今退いたら作戦失敗、ここはこの態勢を維持してください。それより…」
「あんまり強く胸を握らないで…敏感な所なので」
「わ!すいませんごめんなさい!」
退きたくても退けない、ううう…恥ずかしいよー
早くこいよ暗殺者め!
「ここからは忍耐です。待ちましょう」
「窓からまだただならぬ殺気を感じますので」
この態勢がヤバイんだよ!これさえどうにか出来ればなー!
「すいませんこんなことに巻き込んで…」
「女王とユウ様を守るのが今回の任務ですから」
任務でもこんなことさせちゃって…
「それにユウ様は優しい人です。私を無理矢理犯すことだって出来たのにそうしなかった。私はユウ様が優しい人でよかった」
「優しくない…優しい奴はグロリアを裸にひんむいてこんな辱しめをしたりしない」
「いえ、もし初めての人がユウ様なら…」
「ん?なんかいったか」
「なんでもありません!」
「そっか」
その時窓の方から奇妙な音が聞こえた。




