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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
魔界潜入調査中
30/135

ドラゴンの女王と出発の朝

「おい…マジいい加減にしろよ…」


どんだけ勘違いやら喧嘩に巻き込まれるんだ。

そのせいで俺の怪我が増えていく…


「ごめんなさい…」


またユニの世話にならないとな。俺が死んでから何故かモテだしてその結果幾度となく死にかけてる。一度はベルセルク化の進行で死んだけど。


「俺は人間で君達より体が弱いんだ。それだけ頭に入れて行動してくれ。後、他の皆に迷惑をかけるな!俺一人だけ怪我するのはいいが他の皆が怪我したらどうするんだ!自重しなさい」


「はい…」


「魔力の件だが何とかなりそうだ」


「え?」


特別製義手の性能。ぱっと見ればドラゴンの腕をモデルに作られた鎧のような外見で手の甲には魔力を帯びた水晶がはめ込まれており、簡単な魔法なら使える用になっている。(色は赤でカッコいい)


「フィーリア様ご存知でしたね、何故黙ってたんです?発注したのは貴女ですよね?」


「ほら~やっぱりユウ殿とイチャイチャするためなんでしょ!」


「簡単な魔法しか使えない…それは私が罪を犯す前の状態に戻す事ではない。なので責任もって前に近い状態に戻すのが罪滅ぼしだと思ったのです」


そんなことを考えてくれたのか。


「そこまで深く考えないでください。貴女には充分してもらいましたから。もう罪に囚われないで自由に生きてください。それが俺が望むことです」


だって元をたどれば金に目が眩んだというゲスイ理由だからね…自業自得だったんだ。当然の報いだよね。俺が悪かったんだ…


「それでは私の気がすみません!貴方が私のせいで苦しんでるのにのうのうと暮らせだなんて」


「いいんです、冒険者たるもの腕の一つや二つ失う覚悟がないと勤まらない仕事ですから」


その夜、城のゲートの魔法陣から義手が転送されてきた。カッコいい…鎧みたい。


「これを付けとけば竜族に見えますかね?外に出ても顔が隠れるローブを着る心配もないですよね?」


「はい!とってもお似合いですユウ様!」


メイドさん達にチヤホラされて喜ぶ俺、自分で言うのもなんだが単純だな。


「まるで映画に出てくる人造人間みたいだな」


「映画?」


「いや!なんでもない!」


危ない…色々とバレかけた。


「傷も治りこれで会議に間に合います。会議は明後日になります」


「そうか、なら明日は義手を使う訓練だな」


こうしてセントーレと宿に戻り寝た。この義手、凄い機能があって触った感覚がある。熱さや冷たさも感知し痛覚まであるそうだ。この辺は俺の世界より進んでるなと思う。


次の朝、竜の国の外、森でセントーレと剣の打ち合いをしている。ユニも来たがっていたので連れて来たのだが何故かあの人達がいる。


「なんでメイドさん達がいるんだよ…」


「明日はユウ様にはネフト様の護衛剣士と言うことで同行してもらいます。ですのでユウ様の剣の腕を疑うわけでは無いのですがある程度剣術の腕前を把握しておかないといけないんです」


そうでしたか、なら構わないよ♪


「後はネフト様とフィーリア様からユウ様が怪我をしないように見張れと命令を受けてます」


あいつらめ、そう言う狙いか…


「そうそう、セントーレ様がユウ様と密会していないか見張るのも言われておりました」


ははは、そうなのね…


「な!なんだと!私をあのエロトカゲと一緒にしないでもらおう!」


「セントーレ、余計な事は言うな。新たな波紋を呼ぶだけだぞ」


「うう、すいませんでした」


喧嘩っ早いんだよ魔物は!もうちょっと話合おうよ!


「ユウ様がネフト様の護衛なら安心です。後は他のメンバーですが…」


「決まってるの?」


「いえ、まだ決まっておりません。ユウ様が人間と言うことを口外しない口の固くて強い竜族を探さないといけないですから」


すいませんね~もう!俺のせいで段取りがややこしくなっちゃってね~


「あらかた目処はたってるんですが交渉はまだですね。交渉は他の者が行ってるので心配無用です」


ふーん、俺は出発まで剣の腕を磨くか。魔法の使えない俺はこれだけが頼りだ。


そして辺りが暗くなるまでセントーレと俺の打ち合いは終わらなかった。ケンタウロスっの体力は底無しか!久しぶりに剣を握ったってこともあるけど。


そして宿に着くとメイドさんからネフトから夕食の誘いがあったが眠いので遠慮して寝てやりました。

出発のメンバー紹介もあるようだが俺もセントーレも行く気力がない。


次の朝、まだ太陽が昇前にセントーレに起こされる

やめてまだ寝ていたい。昨日は久しぶりに運動して疲れたの。起きてやんねーよ!


「ユウ殿!起こせと言ったのはユウ殿ですよ」


「知るか~俺は寝るんだ~」


弱々しく唸る事しかできなかった俺。


「しょうがないですな~ユウ殿は」


そして母親のように俺を抱っこする。セントーレの体は人間の上半身だけでも人間と同じような下半身だったら180以上はありそうな身長だ。そして余談だが胸もでかい。スイカが二つ付いてるようなもんだ。もしかしたらそれよりデカイ。だから抱っこされたらそれが当たるので恥ずかしい。


「悪かったよ~離して~」


空中で力なくジタバタ暴れるてようやく開放された。ああ~まだ寝たいよ~まだ外暗いよ?

セントーレの背中に乗って外に出る。


「ユニ?ちょっと用事で出掛けてくるからおとなしく待ってるんだよ」


そしてまた頭の中にあの声が聞こえる。


「今度怪我して帰ってきたら許さないんだからね」


「うん、わかってる」


「本当だからね?私、怒ると怖いからね」


「行ってくるよ」


そう言ってユニを置いていく。


「さっきは何を独り言を?」


「ああ、ちょっと約束事をな…」


無事戻ってくるさ…大丈夫、心配ない。


城の門に着くとすでに他のメンバーが集まっていた

その中に知った顔も幾つかある。あいつは…


「ドラコ、またお前の面見ることになるとはな」


「まさか僕も人間に負けるなんて焼きが回ったな」


どこまでも嫌味そうなやつだ。


「まあ、フィーリア様に仇をとってもらえるなんて僕も幸せ者だな」


「そうだな~女王はお前と違って流石ドラゴンだなって思ったな」


「くっ!お前とはまた勝負してやる!今度こそお前をコテンパンにしてやるからな!」


そしてドラコは罵ってどっかに行った。


「おう!坊主!また会えるとはな」


「あ!おっちゃん!あんたも護衛任務か?」


「ガッハッハッハッ!まさか坊主と一緒に仕事出来る日が来るなんてな!」


まさか一緒に行くとは思ってなかった。


「よろしくなおっちゃん!」


「しかしお前も物好きな人間だな!ワザワザ危険を承知で敵の陣の中に突っ込むなんてな!勇気あるじゃねえか!そんなやつ勇者位しかいねーよ!」


あながち間違ってない。合ってるよ意外とおっちゃんて鋭いな。


「色々と訳ありなんだ」


次に声をかけてきたのは全身黒い装飾のついた鉄製の鎧を着た黒髪の長髪で瞳も黒く日本人のような美人な人が声をかけてきた。


「私はこの国の軍司令部で司令官のグロリアと申します。後ろの男と女は男の方が第一フィーリア親衛隊の隊長ロフト、そして女の方は飛竜空挺団所属の

エースドラゴンのアスナと申します。今回の護衛任務でご一緒させていただくのにご挨拶をと思いまして」


「それはご丁寧にどーも、俺は冒険者のユウです。

そんでコイツは仲間のセントーレ、今回は留守番してもらうんですけど」


「ユウ殿をよろしくお願いいたします」


「流石ケンタウロスですね。主と決めた者には最善の忠義を尽くす。尊敬します」


「いえいえ♪それほどでもありませんよ」


何喜んでるんだ…


「皆様~集まってくださーい。女王ネフト様が参りまーす」


メイドさんの一人が呼んでいる。行くか!


「今回は護衛任務のメンバーに人間のユウが加わる。腕は確かなので心配しないでもらいたい」


「ユウは人間なので空は飛べない。今回は誰かユウを乗せて飛んでくれる者はおるか?」


「ではこのグロリアにお任せください」


「お待ちください!グロリア様は高貴な御方ユウ様はこのアスナが乗せて飛びます!」


「いえ!このロフトが!」


「僕は絶対に嫌だからな」


「誰もお前に乗りたくない」


「うっさいぞ人間!」


「俺が乗せて飛ぶぜ」


「おっちゃん!?」


「ガッハッハッハッ!お前を乗せて飛ぶ位なんてことねーよ!」


流石おっちゃん…男気あるわ~それに比べてこ奴は!おっちゃんを見習え!


「そうだな、お前にお似合いだよ」


「ドラコ、やはりお前は変わらんな…」


こうして皆ドラゴン化し、俺はおっちゃんに乗る。

ちょっとしたロッククライミングだな…時間がかかるな。ごめんよ皆。


「これより魔王城に向かう!」


「はっ!」


そして全員飛び立つ。おおお!揺れる。


「行ってくるぜ女王!メイドさん達!そしてセントーレ!待っててくれ~」


「行ってらっしゃいませユウ様ー!」


「妹をよろしく頼むぞー!」


「必ず…」


「必ずや私の元に帰ってきてくださいね!ユウ殿ーーー!」


もう皆が小さく見える。てか早いな~ちょっと寒い

てーか皆ドラゴンになったら人型の時の面影ないな~全員怖い…


行くぜ!待ってろよ魔王~ってちょっと!あんまり速度出すな!高度も上げんな!揺れる~落ちる~やだ!もう帰りたい!!おろして~

こうして俺は出発して30秒位で帰りたくなった。

今度は魔王城でドッタンバッタンする予定です!

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