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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
ジリジりまるカジリ!
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撤退の理由はない

「うおああああ!?嫌だー!(号泣)」


「きゃひっ!?」


ベッドから跳ね起きた俺にびっくりして同じようにうたた寝し跳び跳ねたミーメイ、どきどきが止まらない。俺もミーメイも、どうやら永い永い悪夢を見ていたようだ。


「おおミーメイ!俺の貞操は無事であるか!?」


「大丈夫?おもいっきり突き飛ばしちゃってその…ごめんなさい!痛く…ない?」


俺の頭を心配そうによしよししてくれるのはいいんだが…特別な?必死に謝るミーメイに事の顛末を聞く。なぜ廃屋のベッドで寝かされているのかとか…側にミーメイが付きっきりなのかとか。他の者たちはとか?


「最初にユウの助けを呼ぶ声が聞こえて…」


「呼びましたね確かに、だってあの時乱暴されてたもん。俺がね、被害者よ?よろし?」


思い出すのは嫌がる俺を無理やり襲ってきたネフトに対し皆を呼んだこと。そして王女のいる部屋は鍵が内側からかけられておりそこから俺の呼ぶ声が聞こえたので無理やり突入したと。


「セントーレさんがドアを蹴破り私が最初に部屋に入ろうとして…」


後ろからシュラがミーメイの背中を押したこと、それでミーメイは両手を突き出したまま狂乱している俺に激突してしまいミーメイの衝撃をモロに受け止めて窓から転落したらしい。運良く瓦礫が積もっておりたいした高さではなく後頭部を強く打ち付けたようで頭ピヨピヨ状態だったと。何回も頭打ち付けて気絶して…絶対頭に脳出血の痕あるわ!いつか死ぬよ本当に、もっとデリケートな頭を大事にしてあげて!


「あの王女さんがドラゴンになって気を失ったユウを拉致しようとしたのでお姉さんのフィーリアさんが抑え込んで、私たちはユウを廃墟になったこの元酒場兼宿に隠したんです。下にセントーレさんが見張りを。ユウナさんとシュラさんは城があった場所で今後の話し合いをしてる最中かな」


そっと胸を撫で下ろす。恐る恐るあの質問を返してみる。もしかしたら本当に乙女心を弄んだゲス野郎とミーメイは心の中に思ってるかもしれないし… 表情は明るいが。騙されないぞ、人間は置いといて魔物娘(獣人)はどいつもこいつも人権無視のケダモノ…キチガイ…欲望に…自分に素直なお方しか出会ったことないから。例外だと信じたいがもしかしたらミーメイもそんなおもしろ人間の仲間である可能性が無くはない!


「ミーメイは怒ってない?その…俺もともとアイツと…」


「いや、セントーレさんから聞いてますよ!驚きましたしドラゴンって肉食系ですよね」


リアルでな肉食系。あら、ネフトに聞かれたらお仕舞いよあなた。滅多なこと言うもんじゃありませんよ?それよりあなたはあんまり怒ってない系のフレンズなんだね?


「どこまで聞いたか知らないが…」


「無理やり異種族間結婚させられたとこです。結婚に至るまではもっと恋愛をですね…そう、お互いを知るためにもっと絆が深まるような胸キュン話を聞かされるかと思ったのに…内容が酷すぎません?しかもすごいところが実話ってとこです。あって数分で相手を決めるって…ありえないしそれなのにはっきり拒否しないところユウも満更ではない様子…」


「まってくれストップ。もっともだ、あなたの意見はもっともです。そう、もっとお互いを知るそこが大事ですよね?間違ってないよねこの俺の常識は?あとねネフト前にして断れるか!!」


「ユウは私がヤキモチでも妬いてると?そこまで思ってもらえることはなんだかこそばゆいです…ちょっとその気になっちゃいますよ♪いいんですか~?」


だってよ、可愛い♪くねくね身を捩る乙女な彼女の真似がほんの少しできただけでネフトも慎ましい淑女になれるだろうか。無理か、愚鈍で強欲の塊みたいなドラゴンだもん。そもそもこの悪夢の元凶は肉食系のお二人様デスネ。ネフトだけじゃない。


「ネフトとミカサの二大怪獣か!」


「突然ミカサさんがなにか?」


キグミントを見張りに行かせた…しかしだ。俺が魔界にいるのを知られれば、竜の国にいることが知られればそれは危機なのでは?一度ドラゴンに拐われてドラゴンに対して過敏な反応を見せたっておかしくない!


それにだ、ミカサが先に人間界に帰る→媚薬を作ってもらう→完成→よし、使ってみたくなる→俺いない→どこやねん?→俺魔界に行ってました→ミカサ「説明してください」→俺もうこの世の終わりだ…→ユウ「竜の国にいてました」→媚薬登場→お仕置きタイム


「これは素直になれる薬です」


「嘘でしょ」


「盛りのついた猿にしてあげます。怖がることはありません。これもまた経験、ここからじょじょに上を目指して…」


「イヤーーーーーーーー!?」


なんてことに!


「ミーメイ!荷物をまとめろ!今すぐ発つぞ!」


「でも人間界行きのドラゴンの人がまだ各地方から集まってないです。それが終わらないと皆帰れませんよ?」


「逆だ!手薄になる竜の国に全員置いてけ!それより用心棒はドラゴンに勤まらん。命令なんて聞くもんか!現にネフトを見ててミーメイもそう思うだろ!?」


「確かにそうですけど…いきなり何を言い出すんですか?せっかくうまくまとまってきたのに」


災厄なのは人間界でドラゴンと一方的に敵視するミカサが暴れること。大概の聖都の人間が反対してドラゴンを追い出そうとしても俺は説得できる自信があるがミカサに関しては…無理!死ぬ!


「戦闘街まで退くぞ!頼むから俺の依頼ならミカサが代わりにしてくれてるはずだから帰るぞ!」


「騒がしいですな目が覚めましたかユウ殿」


扉として機能してないドアを開けてセントーレが入ってきた。とりあえずここはセントーレという頼れるやつに任せておく。


「いやー申し訳ない。てっきり魔王軍の残党でもいたのかと思いまして手荒な真似を」


「セントーレ!すまない後は任せた!俺は戦闘街つまり人間界に戻る!とりあえず取り急ぎ話をしないといけないやつがいるんだ!」


セントーレの前足を掴んで必死に訴える。よくわかってないがセントーレも俺の意見に賛成してくれた。断る理由はないってよ。


「妹君は任せてください…あのアホどもから守りましょう。急ぐというなら竜の国より出られて瞬間移動を使われては?」


「魔力がない…よし、ミーメイとセントーレ魔力を借りるぞ!フィーリアならわかってくれると思うが…ネフトにはくれぐれもばれないようになユウナとシュラはまた後から回収しに来るから」


「置いていくの?一緒に…」


「ドラゴン連中に悟られたくない。悪いが今は置いていく。俺が留守にしてるのがバレるのも時間の問題だがいい!今はミカサのアホがドラゴンと鉢合わせしないようにしなければ」


「紹介してあげたらいいじゃないですか?そんな意地悪しないで、それに心配すること無いんじゃないですか?案外気づかれないと思いますけど」


ミーメイが酷いじゃないですかと俺が悪者みたいにされてるが実際にあの二人を会わせたらそれこそ死闘が始まるぞ?いいか?


「強欲のネフトと性悪ミカサが仲良くすると思いますか?最終武力行使が始まるに決まってる!」


「あー今ユウが言いたいことがはっきりわかりました。そうです、帰りましょう。ミカサさんが帰るより早く。そしてこのことは他言しませんだってあの二人ですもんね…」


ミーメイが遠い目をしている。ミーメイもあのミカサの俺に対する嫌がらせの数々を目撃しているあの短い期間でだ。きっとネフトは元妻であることを強調して先制しミカサは仮の未来の夫婦であることを自慢する。仮を取って子どもが生まれると大ホラ吹きするに違いないそしてそこから互いにユウを傷つけたのはそっちだ魔王に操られてただろとか醜い争いを始める。あの夢はこの事を気を付けろと警告してたんじゃないかと思う。


「それでは検問所はどうやって突破しますか?ユウが外に出ればあの雌トカゲにバレるのも時間の問題ですよそれこそ」


「大丈夫、あの手でいく。ベルセルク化の肉体融合、俺がセントーレの体内に隠れる。ミーメイはセントーレの背中に…異性なら乗せてもノーカンだろ。これで竜の国まで出ていく。二人の魔力と俺の魔力でギリギリ届くか戦闘街の近くまで移動できるはずだ」


「そうですな、それではいきましょう。ミーメイ殿もしっかり我が背に掴まってください。大きく揺れますのでね…」


「お手柔らかに…お願いします。楽しみですね!お外の世界は日々刺激になります!」


目を輝かせるミーメイには悪いがあなたはまだ醜い現実を知らない。そう、あの掃き溜めの糞猫の本領を。だから今心労に耐えられない、胃潰瘍になりそうだな、頭の次は胃か?人間ドックは早めに検診に行くか、今時お祈りだけで治るご時世のようだしこの世界は!


焦りを感じながらミーメイを乗せたセントーレはなんとか検問を抜けた。通信網はズタボロ、少なくとも警衛兵からの報告は直接ネフトに行くことはない。色んなフィルターを通してネフトの耳に入るかそもそも伝わっていくかは謎だが。俺の居場所を血眼になって探して問い詰めていることでしょう。フィーリアは力ずくで抑えるだろうがな

良くも悪くも竜の国から出られて良かったと言えるかな、ここで足止めをくらいたくないからな。


当分顔を出すのも止めとこ、変な刺激はできるだけしないほうが互いのためだろう。それにしてもなんともまあ…女子の体の中に入るのにセントーレはもっと嫌がったらどうだい。さすがそこは戦士!セクハラ優男なら入られても問題なしか?


「ユウ殿、この谷を越えて森林を走って3時間の渓流沿いで下ろします。そこからなら距離も足りるでしょう」


「十分でーすありがとうございまーす」


「どこからか声が聞こえてくるけど?ユウはどこにいるの?」


不思議そうにセントーレの体の周りを見渡すけどどこからか俺がはみ出てるわけないしな。確かにセントーレの体内から声を出してどういう風に聞こえてるんだろうな?不思議だよね、そもそも他の生物の体に入れる時点で不思議よねー?


「お尻です」


にょきっと腕だけ体外に出すとミーメイからは気持ち悪いと笑いながら言われた。セントーレも自分の体から腕が出てきてるのが生理的に受け付けないのか(当然だが)明らかゴキ○リ(ゴキマルリ)を見るような目付きで走りながらお尻を見ていた。


「そんなところに今いるんですか…?あああどこにいても感覚なんてないんですけどどこにいてもこう気持ち悪い…他人が身体の中のいるなんて気色悪いぃー」


「手伝ってもらっといてあれだけど。酷すぎません?ほらほらマッサージ」


馬のお尻を全力で擦る変態。いやもうただ馬のお尻を撫でてるだけ。他意はない、たとえこれがセントーレのお尻だとしても感触は馬の尻。俺の息子もしーんてしてるよ?ピクリともしません。


「ひぃやああああああ!?」


「ちょっ落ちっ落ちますぅ!」


「戦士といえど女か…感じているのか変態め!お前は気持ち悪いと思ってる腕に感じてるんだ!」


そうだよ、傷付いたんだ!?本人は女体に包まれて幸せだったのに包んでいたセントーレはそんな俺のことわかってくれるって…気持ち悪い…気持ち悪いってなんだよ!「気持ち良い…」なんて逆に言ってほしくないけどそれでも…せめてそこはよ「気にしてませんよ?」って言ってくれよ!それが正解だよ!誰も傷つかないんだよ!それをお前は気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いってなんだよ!お尻をお仕置きよ!


「長距離移動お疲れ様ですー!この大きなお乳揉んで差し上げますね!!手ブラーシカ!」


「むぎゃー!この!鷲掴みに!はなっ離してください!」


「ユウいい加減にして!こっちは落ちそうになってるの(怒)わかってないから教えてあげる!」


ミーメイとセントーレの間に上半身だけ出して丹精込めて揉みあげる…尻打ち三年乳揉み八年…極められしセクハラ!味わえ~走る振動で左右に揺れるおっぱいだが手ブラのおかげで振動を抑えられて走りやすくなり速度が増したのは気のせいではあるまい…感謝して?ミーメイあの…ヘッドロックは止めようか!?虎視眈々流関係ないやんけ。死ぬわ!ギブギブアップ!


「おお…この手だては離さんぞ…」


「鎧の隙間から早く抜いてください!いい加減にしてもらえないですか!?振り落としますよ!」


前足で急ブレーキを踏み蹄は土に潜り込みそれでも停止出来てもスピードは乗っていたから勢いはそのまま前にかかる。俺はセントーレと合体してるがただ乗っかってるだけのミーメイはそのままスポーンと綺麗にセントーレの背中から飛ばされ前方の木の枝に引っかかった。今度はミーメイのお尻だけが出ている、不機嫌そうに尻尾はぶるぶると震えている。足をじたばたさせてあるが抜ける気配はない。


「ほら言ったよね!?落ちるって言ったよねこれがそうよ!わかった!?」


「わかった!俺が悪かったよ。そのまま動くなよミーメイ今助けにいくから、下手に動いたら枝が折れるぞ!セントーレは下でミーメイが落ちたら受け止めてやってくれ」


「ご安心をー!今ユウ殿が助けに参りますしばしその場でご辛抱を!」


セントーレからズルズルと這い出て…あっ!叩いた!セントーレが俺の頭叩いた!くっ…今度はもげるほど揉み込んでやる…覚えてやがれ…悪態をつきつつくしゃみ一つで猫モードになれるって良いよなここだけは利点だと思ううん。何とか両腕を伸ばして木を登る、爪を木の皮に引っかけて少しずつミーメイの引っかかった枝まで登る。


「ユウ殿~まだ上です」


「了解~ん?」


セントーレの後ろから何かが来てる…長槍…グローブか何かか?魔王軍…敵か!?瞬時に頭が切り替わった急いで人に戻って木から飛び降りる。


一瞬しか見てないがここは魔界、魔王軍があちらこちらにいて当然。パトロール隊に見つかっていたとしてもおかしくない。警戒するに越したことはことはない。セントーレの横に瞬時に移動して反響転位で確認するとやはり7人、1個分隊ほどの規模か対したことないが逃げられて助けでも呼ばれたら話は別だ。


「どうしましたー?毛虫でもいましたか」


「えっ?この木、毛虫いるんですか!早く下ろしてくださいー!何してるんですか!」


「セントーレ敵だ!合図したらミーメイを乗せて逃げる用意だ。数も強さも対したこと無さそうだけどここはこっちが逃げる。戦って変にこっちが負傷して敵に逃げられたら面倒だからな。それに魔王軍の部隊がこの近くにいるだろうし少々強引に走っていくぞ。大部隊が陣地にしてそうな場所は近くにあるか?」


「開けた場所ならこの近くに」


「できるだけそこから離れて目的地まで行けるか?時間はこの際急がなくて良い、安全に行けるルートを行ってくれ」


「うむわかった」


セントーレが剣を抜いて周りを警戒してくれる。敵の陣形がととのう整う前にミーメイを拾ってこの場から逃げないと。ここでおもいっきり左手の赤い手甲を出して木を殴り付けた。ワイルドな救助法だろ?


「虎視眈々流奥義 魂威・発勁!」


「あわっあわわどうして木を倒すんですかぁ!」


木をなぎ倒して大きな音をたててしまう。他に近くに魔王軍がいたらすぐに駆けつけて来るだろうそうなる前に逃げる!枝に絡まるミーメイを見つけると尻尾を引っ張った。


「そこは引っ張ったらダメなところ!なんてことするの!」


「良いかよく聞け敵だ!」


きょとんとするミーメイをすぐさま側に駆け寄ったセントーレに乗せる。まだこのいきなり人が変わった俺の態度についてきてないようだ。まあセントーレのようにこう空気を入れ替えるまで時間はかかるが今はそんなことを言ってる場合じゃない。ミーメイにいちいち説明している時間なんてない、ミーメイの手に紙を握らせる。


「セントーレ、合図をしたら30メートル前進して俺が乗るまで待っててくれ敵に囲まれてそうだと思ったら置いていってくれ。座標はミーメイに持たす」


「合図とは?」


息を吸い込みセントーレとは逆の方向、敵がいるであろう方向を向く。そして握った拳を地面に打ち付けたそれと同時に大きな地震が起こった、遅かれ早かれ敵に気づかれるなら先手を射つ。


「グランドバスター!」


セントーレは迷わず前に走っていく、俺は混乱している敵に向かっていく。グラムを腰から抜いて敵が潜んでいそうな場所に回り込む。さっきの地震で敵は怯んでいるはず…


「タダでは帰してくれないか…これだから魔界は嫌なんだ!」



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