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異世界駐留記(不幸で奇妙な物語)  作者: ふじひろ
ジリジりまるカジリ!
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華麗なる策師

「フギャウゥゥゥゥ………フシャァァァァァ!」


「…」


きっと僕は死んでしまっ…たんだろうな。下界の地獄絵図を見下ろしながらこの怨恨を絶ちきれずに旅立つことをお許しください。しみじみ思うよまったく。


「息してない!息してませんって!」


「この蜥蜴!ついに子どもにするだけには飽き足らず殺害まで企てるとは!」


「しっしらん!窒息させるようなことはしていない!そもそも勝手に小さくなったりしたものだから慎重に扱った!故意ではない!」


あそこの赤子…そう、そうでしたね。またとんでもない間違いをしでかしたのですね僕は(涙)

うん、そして憤死したのね。だからか、魂抜け出してるのは。頭上を浮遊してるわけか、ははっ!


「このままだと…ああっこれが走馬灯…と言うやつなのね…せめて、せめて孫の顔を見るまではと思っていたのに…無情な」


「母様~(涙)お気を確かに~まだ3分の1は残ってます!」


「ユウさーん!帰ってきてくださーい!あの蛇の人が危ういですぅー!」


その一言であやふやだった感覚が戻ってくる。おっ俺はいったい?浮いている。ゴーストなってるすごいぞ!ミーメイの声で昇天しかけた魂が戻ってきたぞ!はっなぜだかゴースト ニューヨークの幻が頭を過ったぜ。久しぶりに見たいな。


「うおおおおおっぱー○☆■○☆■○♪」


「「ぎゃああああああああ生き返った!しかもでかくなってるぅぅぅ!あっもとに戻った」」


「ふぅ、ジュロンのスイカでまたしても理性が保てなく…天使の赤ちゃんスマイル作戦…か弱い赤子になるのは自殺行為だったか」


「シネ!」


しょうがないじゃーん、ジュロンのネットに包まれた大玉スイカをみたらね。世界一のギネス級巨乳にも勝てる大きさよ。喜んでつっつくよ。


「じっ事情はわかりませんがあれ!シュラさんを止めてくださーい!なんかものすごい勢いであの人食べられてます!」


「慌てるでないミーメイよ、後5分もすれば食べ終わる」


「その(終わる)が駄目なんですよ!終わられたら困るんですよ!」


注文の多いミーメイとセントーレだこと、肝心のなんていったっけ?ナガニ…そうナガニさんね。誰がお前らの娘の相手なんぞするか!そんなにほしけりゃアナコンダでも捕まえてきてやるよ!俺の息子グスッ…より良いんだろ!?新品未使用よりいいんだろ?大艦巨砲主義者め!どうせ俺はベルセルク化しなけりゃポークピッツだよ!ほっとけ!


「シュラたんが調子乗った時はこれ、パンパカパンパンパーン霧ー吹ーき!」


無限ポーチからハーブなど数種類調合した液体が並々と入っている霧吹きを…いや後ろに下がらないで受け取ってよ。怒られるのに俺はやだよ。


「何か目と鼻がしみます…」


…覚悟を決めろ!そう霧吹きをかける単純な作業たとえ反撃されようとも!俺がやるしかないのかよ!


「どりゃー!??????猫耳ぺったんこにしても許さんぞわりゃー!」


口を止めジト目で被害者面するシュラたん。なんだ、やんのかこら!口からゲロゲロ吐き出させることには成功した。丸飲みしてたのか、この大きさを。末恐ろしい胃袋だな。


「フシャァァァァァ!」


「怒ってもダメだあっちに死体が転がってるからそれでも食べてなさい」


「にゃるるーん♪コロコロコロコロコロコロ♪」


ケモノじみてきたな~死体漁りを始めるスカベンジャーにあとは任せるか。機嫌なおって助かったよー!次の餌食になるところだったやん!


「さて、作戦会議しようか」


「色々問題をスルーし過ぎません?」


「ん?何をだ、ジュロンはデカイ、無理難題押し付けるのナガニさんはシュラたんで反省してもらっていた。以上です裁判長」


「ミーメイ、ユウとはこういう男だ。いちいち突っ込んでいたら身が持たんぞ」


「えー…病んでる時の方が良い人だったのに。最近のユウは…無理」


精神異常の時が魅力的だと?傷つくな!痛いー心が痛いよーACジャパンにいいつけてやる!


「馬鹿はおいといて話を進めようか、すまないがどこもこんな瓦礫だらけだからこの場で用件をすませよう。私は七竜神のジュロンと言う者だ。この国に援助を求めて来たようだがあいにく見ての通り敵の攻撃に合いこの有り様だ。女王様とどう言った話になってるのかは知らないが私が全権を託された以上、以前までの話は反故にさせてもらう」


「私情込みで見捨てやがったよーこれではあのエキドナの言うとおりにしかならねーじゃんかよ」


すると新登場した蛇女の子が援助の話を無しにしてほしいと切り出した。


「次に狙われるのは穏健派や親交派なら他に手を回せる余裕なんてないですよ~やられたらやり返しはしますけどこちらから相手を刺激することはしたくないんです…今回の救援だって勇者に貸しをつくるのが目的なのに出遅れてなにもできてないんですから骨折り損でしたよ~」


「恩を売るか、なるほど成果は出せなかったからもうしばらくはじっとしてると…」


「こちらも自国を守るので手一杯です、また危険な橋をわたるつもりはないです」


はてさて、目処がつかなくなりました。確かにこの状況じゃ竜の国は逆に人手がほしいくらいだ。各地に散らばったドラゴンを集めてる途中だしまだまだ復興には時間がかかる。逆にエキドナのとこは魔王軍の攻撃に怯えて閉じ籠るつもりだ。


つまり、別の方法を模索するか?人間界から距離が離れれば離れるほど魔王の妨害が必ず入る。つまり今いるこいつらの頭を縦に振らせる必要が出てきたわけだ。


「話を聞いてたらそれぞれに必要なものを与えれば無茶してくれるってことなのね」


「どういう意味だユウナ」


双子?の妹ことユウナが沈黙を破ってくれた。ユウナが言い出したのは微力ながら人間が身を切る必要性があるってことらしい。


「余計こっちが苦しくなるぞ」


「答えは簡単よ、今人間界で抱えている問題を押しつけちゃえばいいのよ。使えるものは利用しないと」


「「ゴミでも押しつける気か!」」


ジュロンと瀕死のナガニが怒鳴った。確かにそうだ、聞こえは悪いよなしかしユウナは気にも止めず淡々と話を進める。


「ナーガなどの魔物は繁殖に必ず人間が必要なのよね?つまり男が、残念だけど働き盛りの男をおいそれと渡すわけにはいかない」


「ほれみろ、無理なんだろ」


「けど今人間界に今ある問題として傭兵が問題になっている。もちろん男ばかり、それで手を打ってくれる?」


「傭兵?」


ナガニと俺は興味深く身をのりだしてユウナを囲む。傭兵は防衛にも一役かってくれている。それをおいそれと渡すわけには…


「傭兵と言う名の無法者集団が復興を円滑に進めるのに障害になってるの。もちろん傭兵の中には退役軍人の就職先だとかただたんに大金がほしい人もいるけどその人たちは除外、私が言いたいのは各国で問題になっていたならず者、盗賊者や暗殺者含む闇ギルドのメンバーや刑務所に収用されていた犯罪者、危険思想者その他もろもろ危険人物たちを人手不足から傭兵として雇ってたの。これは魔王軍がまだ聖都を占拠してた時の話」


苦肉の策だが消耗品軍団として起用はしてたが扱いが難しく編成してももて余してた部隊があったのでユウナはそちらの傭兵のことを指しているのだろう。


「もう人間界が一旦平和になったからやりたい放題が許容できなくなって各国もどうにかしたいけど規模が大きくて…また逮捕に人員を割く余裕もないし。法をまた整備しても従わない元傭兵を今人間界では危険視してる。そんな人たちで良ければそちらで(引き取って)もらえればこちらとしては助かるの」


おお、すごい話になってきたな。俺がいないいない言ってたところから急に生け贄が出現した。


「逮捕できる人員はいないからこちらからできるのは騙して(そちらの用意した)罠にはめるところまで、逮捕者は煮るなり焼くなり…搾り取るなり好きにすればいい、罪人を魔物であるあなた方がどうしようが勝手にして、人間界には人間の法があり魔界には魔物の法がある。傭兵どもが魔界に入って襲われてもこちらは例え犯罪者に人権があろうとなかろうと助けない、そもそも余裕はないし」


エキドナが魔界で罠を張る、それをこちらは知っていてわざと全滅するように傭兵を罠にかける。

罪人を魔界に流すってわけか。それを実行したければそれ相応の餌がいる。傭兵が魔界に危険を犯して行くような。ユウナと不意に目が合う。なんだよ?ああなるほど。


「俺の時空間魔法は得意じゃないが…ゲートならそっちまで楽に飛ばせる。餓えたあんたらの穴蔵に放り込むってことはできる。それなら自分の国から離れずただ待ってるだけでほしいものは手にはいるってわけだ」


「なるほど、私の国と人間界をゲートで繋げれば輸送途中に物資を襲われる心配もないと。なるほどね、ふふふ♪」


ただそこまで大がかりなことになると必要な人は安定したゲートを設置するにはリッチを、運んだ傭兵を誘惑するにはリリスの手を借りるか。あいつらもこの話なら乗って来るはずだ。奴隷商売のようだが相手は悪逆非道の罪人、少し心を痛めるだけで済みそうだ。


「良いでしょう、そういうことならこちらも多少は骨を折りましょうか」


ナガニが指パッチンするとボンッて効果音とともに紙が…なんだこれは?納品書?


「食料に医薬品から日用品はもちろん土木整備の材料から道具に至るまでこちらが出せるものこれでいいかしら、人員派遣は嫌うそうだから物資による援護をこちらから提供しましょう」


渡された紙を見て目を回す。これは偉いさんに見てもらおうそこから各国に分配とかやってくれ…


ユウナはさてと次はドラゴンだとジュロンに向き直る先ほどのプレゼン能力を目の当たりにして珍しく怖じ気づくジュロンだが負けじと噛みついてきた。


「何を提案されようともこちらは手一杯なんだ!出来ることはなにもない!」


「もちろん、今の現状から見て補給は諦めましょう。別のことをこちらから要求する」


ジュロンは何が来るのかと身構えて震えている。もうユウナのペースだ。この場を完全に圧倒している。


「そこまで難しいことをしてもらおうとは思わない。今も人間界は混乱が続いているの、そこで治安維持としてドラゴンを数匹、訂正数人派遣してもらいたい。もちろん報酬は支払う」


これも俺とジュロンから待ったが入る。竜の国は人員が足りないから各地に散らばるドラゴンを集めている。それなのにそこから人を分けろと言ってきたのだからたまったものではないだろう。それに払える報酬なんてどこにもない!


「人手不足だと言っとるだろーが!何を聞いておったんだこの小娘が!」


「そう、でも良質な宝、金銀財宝は無限に近い形で提供できる。それが問題にもなっているのだけれど」


「待て待てそんな余裕は聖都も他の国も同じだどこにもない!」


「そう?私はそうは思わない。持つべきものは友と言うことをつくづく思う。この兄の交友関係でそれが可能な人がいる」


…そんな金持ちいたっけな?頭をひねるがいっこうに思い出せない。早く答えを言ってくれ!


「先の決戦で魔王に操られた権力者の中でそれが可能な人!砂漠の民、バカ兄が勇者の過失で蘇らした旧支配者で新緑魔界の女王様」


そこまで言ってもらえたらもうわかったわ、そう言えば蔑ろにしてた、ゴメンね本当にちゃんと会って謝らないとな。元気でしょうか?


「ファラオか?確かにあいつならドラゴンが満足するような財宝を出すくらい簡単だが協力してくれるとは…」


「もうしてくれてる、インフラも回復しつつあるしそうなると各国の王は国庫にまたせっせと肥やしを貯めるのにいそがしいでしょ?ファラオが聖都の復興を間接的に手伝ってるのよ各国にお金を蒔いて」


あー本当に申し訳ないっす。そこまで尽くしていただいて感無量です。この伊丹、感涙に咽び泣きで候~


「そんな大金持ちの彼女を他の国が無視してると思うの?良くも悪くも平和になったってことね。取り入ろうとして来る連中もいるわけ、そこでファラオさん?から報酬はいくらでも支払うので聖都にいる間だけでいいから守ってくれる人、この世界でドラゴンに恐怖を覚えない人はいない。用心棒としてせめて聖都中心だけでいいセレーネ王国を守るためにいてもらいたい。今、王様と妃は魔王に殺され幼い王女が実権を持ってる。そんな彼女をファラオごと取り込まれたらまた内乱にも発展しかねない。他の国は余裕はないといいつつ本当に戦争起こしても手にいれたいものだから」


確かにそうだ緊急事態だからと理由で仲良くしてた節もあるからそれを俺とローランが片付けてしまったから目先の危機がなくなったとたん歯止めが効かなくなったのは確かにある。その話を聞いて内輪揉めしてるなんて哀れなと思ってるのかジュロンはバカにしたように話を聞いていた。確かにドラゴンは財宝に目がない、しかし荒らされた巣をほっといてまで固執するものではない。


「ふんっ…それで?可哀想だな?手伝いましょうか?とはならないぞ人間、甘いぞ」


俺もそう思う、このわがまま軍団が宝だけで動くとも…


「まだあるわ、これよ」


ユウナが何やら紙の束をジュロンに手渡す。すると面食らったジュロンの表情が変わる。なんだろう?税金の着服の証明書とかかな?それとも顔に似合わず書いたポエムとか?ジュロンの後ろからひょっこり顔を覗かす。なんだ?ドラゴンの図鑑かな?映像転写魔法を使ってまで写真のついた豪華な仕様だな。俺の冥府の魔魂の無駄遣いだ!これのどこに驚くことが…むむ…


名前、これはこの写真のドラゴンのか?年齢に財宝の貯蓄と系統(写真のやつはプラチナを主に集めているそうだ)それに趣味や特技、自己紹介欄やらなにやら自宅と思われる巣の見取り図や写真もバッチリだ。プライベートな空間なのによくやるわ!生息地やら自分の種類から身体の大きさやら食料の好み(餌という表現はしない)やら。大きく書かれているのは自己アピールだろうか?それに好きな異性のタイプについて、ここでピンッと来るものがあった。これって…


「ユウナ、これはつまり…」


「察しの通り、お見合いの話よ。人間より慎重だからことこまかに書いてあるでしょ?」


これ全部そうなのか!?げげーっ!いったい何人に声かけしたんだよ!


「交渉するにあたりドラゴンの生態について詳しく調べさせてもらった。ドラゴンは財宝に手を出す者は決して許さない。そしてそれ以上に家族に対しては財宝以上の反応をみせる。エキドナについては想定外だから下調べなしに言っちゃったけど私は元々ここに兄の説得の補佐に来てるの、考えなしの兄と同じにされたら困る。相手が何を求めてくるか、考えてこちらも用意してくるわよ」


「ドッドラゴンに見合い話を持ってきたのかよお前は!?どうかしてぜっ!?」


バカねードラゴンに見合い話よ?てかどっからこの写真のドラゴンの情報あつめた?もしかしてガセネタ?殺されちゃうよあんた?


「気づかない?女王の結婚相手を探す大会があったそうよね?」


うっ…ずいぶんと昔の古傷を持ち出して来るじゃないの…それで?何が言いたいの?


「その大会の出場者の名簿も鬼人族の村で滞在中に入手したわ…代償は大きかったけどまぁいいその話より出場してたなら知ってるでしょ?なんであったか知らないけど」


ジークフリード=伊丹ユウ

バレとるやないか!なんて恐ろしい子、まあいい気づいたことは優勝賞金において他になし!


「雄のドラゴンの出場者はいなかった。女王のツガイになれるなら雄は間違いなく出場すると思わない?でも実際はドラゴンに変身できる上位個体のドラゴニュートはいても本家のドラゴンはいなかったの?どうしてだとおもう?」


好みの問題じゃないかな、性格が会わないとか。だって実際会ってみた俺が言うんだから間違いない。エゴとエゴがぶつかるとどちらかは死滅するのですから(遠い目)


「簡単よ、いないの。温暖化って言うのかしらね?卵はある一定の温度より上なら雌、下なら雄が生まれてくるの」


へーそら知らんかった。温めとるお母さんだかお父さんだかが温め過ぎたのね。頑張って温めた結果娘さんしか生まれなかったと。残念だがそれがどうかしたのかい?原因で絶滅しそうと?


「魔界のドラゴンは火山地帯や鉱山をねぐらにするけど魔王の登場で魔界の環境が大きく変わったのがここ数百年から、魔王が二人も現れたのがこの魔界の活発化の原因だと思う。地熱温度が上昇し結果雌は生まれる、そしてドラゴンは生態系の上位に位置し生涯で雌が卵を生むのも限りなく少ない。そしてドラゴンは一夫一妻性の魔物で雄は数を減らしそして魔界に雄はいない、似た種族ではいるだけでもういない」


「じゃあガセネタ仕込んだのか!?バレたら殺されるぞ!」


「そこまで命知らずじゃないって、はったりなんて使わない。全部事実、ちゃんと写真のドラゴンは実在してますぅ~」


ユウナはいないってはっきりとさっき言っていたそれならどこから湧いて出てくるのさ?魔界ではない…魔界にいなければ…


「人間界?」


「そう、答えは人間界。厳密に言えば人間界に点在する新緑魔界にまだ生き残りがいる。ドラゴンだから絶対数は少ないけど生存している。同属結婚を諦めてる人なら朗報じゃない?つまりドラゴンは出会いを求めて自ら人間界に入ってくる」


本当に恐ろしい子、見事にありとあらゆるものを利用してらっしゃる。細胞分裂して現れた我が妹恐ろしい策略家としての顔を覗かしていた。


「だいたいの勇者は魔界に目を向ける。けど今回の勇者が特質だったのが救いだった…人間界の開拓をした勇者はユウとそしてローランこの二人ぐらいじゃない?書物から読み解けばね。人間界にドラゴンがいても噂程度も広がってない、けど現地の人は大昔から知っていた。あるところは共存して今でも互いの友好の証として人間は秘密にし口外せず、またあるところでは昔はいたけど封印もしくは討伐されたことになっていたり。それでも生きてたの、それを調べ実際に会ってきてたの戦争している間にドラゴンを奥の手とするためにね」


俺は勇者の過失によって、そしてローランは人間界の奥でなにやら活動していた。魔界は未知の土地だけどそれ以上に人間界もまた未知の土地だったわけだな。伝説の海の魔物リヴァイアサンもいたわけだしな実際。


「まあ言いたいことは後で聞くから」


まじまじと履歴書を眺めてたジュロンから取り上げるユウナ、名残惜しそうに両手を伸ばす手を叩かれたことでジュロンは我に返った。


「まだ全部確認がとれていない!」


「その必死さ、やはり当ては外れてなかったってことねーほら全部事実確認はできてないわよね」


そう言って後ろに手を回すとまた同じような紙が出てきた。げげっ!!あんなにも人間界にドラゴンがいんのかよ!魔界より多くないのか?


「ジュロンさんでしたね?全権代理人の…見たところ100年前から結婚適齢期であるにも関わらずまだお相手がいない様子ですね…それどころか父親以外の同種の雄を見たことが無いのでしょうな」


「うぐっ」


「風翔竜、と魔界では呼ばれてるそうですね?今の魔界では見つけるのは難しいのでは無いでしょうか?なんせ現魔王の影響を受けて雄がいないのですから」


「それがどうした!魔王様は関係ない!」


「風翔竜…人間界では別の呼び名ですがこの人は同種の方ですかね?」


そう言って新たに後ろから取り出した紙の束からドラゴン化した時のジュロンとそっくりの写真が載っている紙を目の前でひらひらさせる。するとそれにつられてジュロンの目も紙を追って動く。


「お探しはもしかしてこれですか?」


秘密兵器は最後に取っておくか、ジュロンが同種の雄を探してたのを見抜くとは。あのジュロンが婚期遅れたのも同種の雄を見つけられなかったからか。そこまで瞬時に会ったときからわかるもんなのかなー?


「この方がいるのもまた人間界…言いたいことはわかりますよね」


「本能に流されるか!嘗めるなよ人間風情が!」


「やっぱこうなるのか!」


この場にいた全員気持ちが1つになって逃げ出そうとしているとき煽っていたユウナは意外にも冷静だ。何してる!逃げるぞ!


「ここからユウも関係ある話だけど…」


「何をまだやらかす気だよ!?逃げるぞ!命乞いなんてあいつには通用しない!」


「今向かってきているドラゴンの援軍もほとんどが雌なんですよね?そしてその大半はユウ、あなたを狙うはず」


なんか矛先俺に向かい始めたよ?俺なんか悪いことしたかな?話はまだ進む。


「未婚の若いドラゴンは人間の身でありながらドラゴンを圧倒する実力を兼ね備えているユウを狙ってきてますよ?勇者の血も魅力的ですしなにより強い!七竜神と1対1では負けない実力を兼ね備えた強い雄としてドラゴン内では意識されているのをご存知ですかね?一夫一妻性と言えど子どもができた者がユウの妻になりたとえ女王でも他人の夫を寝盗るのは許されないこと。ようは作ったもん勝ちですよ」


「そんな不届き者は私が成敗して…」


「ええ、私もそんなこと許すつもりはないので最も平和的な解決法を行使します」


そしてまた手に持った紙をちらつかせる。ジュロンの顔から殺気が薄らいで地響きが…あっ震えてらっしゃる。圧倒しているというのか!?あの七竜神の風翔竜ジュロン・クシャルを!


「到着したかたにもれなく結婚相談でも受付しようかと思いますね、それに力づくで奪ったとして連絡法をお持ちなのですか?地図の地名は人間界の土地の名前、闇雲に探して見つかるといいですねー?このリストの名前の人、盗られたところで全部情報は頭に入ってます。違う人をあなたより先に紹介させて悔し涙…なんてなりたい?」


おっ脅してらっしゃる。なんとあのジュロンが大人しく人間に戻ったではないですか。明らかに表情から相当参っているようだ。


「そこで朗報、あなたは幸運にも全権代理人でいらっしゃいます。まず最初に目を通すことになるのはあなたです。お気に入りのかたがいれば先に私に一報入れてもらえれば最大限援助させていただきますよ?早い者勝ちですよね?そうなんですよ、恋は早い者勝ちなんですよ先に唾つけて所有権を明確にしたものが勝者です」


おおヨロヨロとした足取りでユウナに歩み寄るジュロンだがなんか可哀想だな。弱りきってはいるが目が微かに光輝いている。


「恋人になりたい人は人間界にいるんですよ」


なんて殺し文句だ。これで魔王と人間界の権力者

両方の抑止力になりうるドラゴンが軍門に下ろうとしている出はありませんか?恐る恐る手に取るとジュロンより歳上で体格も屈強、全長もジュロンより大きいと記載されている。これにはジュロンも大喜びだ。泣いて喜んでるぞ。


「わかってないようだから説明してあげるわ兄さん、ドラゴンの雌は色んな基準でものをみる基本的に雄は歳上で体格の大きな健康的で成熟した雌が好み、逆に雌は歳上で体格の大きな屈強で強い雄を選ぶの。けどね歳は離れすぎず50~60歳程度の歳の差とかそもそも雄と雌で選ぶ基準も違うでしょ?」


「確かに雄はデカイ雌が好きで雌はデカイ雄が好きならカップリングは成立しない」


「人間も一緒、妥協するとこはある。幸い写真の人は人間の姿が基準で特に胸が大きい人が好きなようでユウみたいなのかな?幸せな夫婦になりそうじゃない?」


「つまりは会いたければ来いと脅してるわけなのか?」


「ここからが約束を強固にしていくとこ」


そう言ってジュロンが読んでる紙の一行を指差すそこには好みの宝の部分、真珠の首飾りだろうか詳細なことが俺はわからん、お宝鑑定なんて専門外の分野です。ジュロンの顔が暗くなる。ここでユウナがジュロンの肩を叩いて


「そこでこの報酬はいくらでも払う人間界の用心棒の仕事なのですが、もしお持ちでなければこちらからいくらでも用意いたしますよ?他の人よりアピールできるポイントは1つでも多い方がいいですよね?」


殺し文句がここでも来るわけだ。


「あなたの望むものを全て手にしてるたった一人の女、私しかいないと相手におもってもらえるはずですよ」


そしてにやにやしながら書類に釘付けとなっている。主に写真欄、なんだ?こうもあっさり陥落しやがったよこいつ!


「時に今は非常時、お見合いはさておき次から次へと来る人に備えてこちらも準備していきましょうか?ジュロンさん?」


「はい先生!」


犬みたいに舌だしてアホみたいに…恋は盲目なのですね、俺もここでもう一働き、またリッチとリリスと連携をとりたいが二人とも淫魔の国の侵入者を排除に忙しい。まだもう少し日程はかかると思われるので出荷準備をしてもらうためナガニたちには今日のところは大人しく帰っていただいた。


そして怪我人の治療は俺の力、魔力供給を受ければ怪我の治療も可能だ、丸一日はかかったかな?

次から次へと援軍が来るので少しずつ仮装テントが立ち始めて一応の避難所ができつつあった。ユウナの無限の魔力を俺が次々と治療やら整地に当ててたので復興も思ったより早いかも知れない。
























「………グロリアもコクテンさんもピンピンしてるのになんで一番外傷のないお前が安静にしてんだコラ!引っ付くな!またセントーレにどやされるぞ!」


ベッドに横になるネフトだがちゃっかり俺の右手に引っ付いて離れない、胸を押し当てるのも忘れてはいない。ちゃっかりしとるわ!


俺はベッドに腰掛け辛うじて部屋としてる機能してる城の一室から外を眺める。黄色い声があちらこちらから。ユウナめ、全員手玉にとってやがるなんてやつだ。


「外が騒がしいですね…まあ二人きりになれるのは喜ばしいことですけどねん♪」


「そう言えば恋の季節か」


「そうですね、繁殖期の到来を報せる春よ鯉の美味しい季節になりますね」


魚食べんのかドラゴンって?鯉なんて小さいもの食べ…人化すれば問題ないか。確か春よ鯉もフィーリアから頼まれたリストにあったな。


俺は未だ騒がしい人間界行きの資格をかけた雌ドラゴンたちの醜い争いを見るはめになった。運よく彼女たちの視線は標的からまだみぬ遠い地の王子様へと向けられていることでしょう。


「はぁ~もしかしたらドラゴンが人間より繁栄する日が来るんじゃないか?」


「あら?ユウにしては大胆なお誘いですね。大丈夫ですよー他の男のものにはされてませんからぁ美味しくいただいてくださいねへへーん♪妾の夫はあなただけ~あなたの女は私だけー!」


おい、股間に手をのばすな!こらっ!離せ!くそ誰も来ないからって調子乗んな!すっかりその気になった仮病王女は鼻息を荒げながらどこぞの変態すらもドン引きするほど痴女っぷりを発揮するこんなとこで発揮してんじゃないわ!


「後ろからケダモノのように犯すのですね!きっと私の身体の心配もせず孕ませるためにいっぱいいっぱい私に種つ」


「それ以上は駄目だー!映画化するときにR18指定がはいるでしょーが!いかんですよこれは!」


やつの性癖などしらぬわ!ええい!こうなったら誤解を招いてもこれから起こることを回避せねば!真っ昼間から蜥蜴と交尾とかハードル高いわ!誰も燃えんわ!


「シュラたーん!シュラたん良い子にゃーん!セントーレまただ!またネフトが盛っとる!盛りがついた雌犬みたくなっとる!ミーメイ、レイプされそうなんだ助けてー!ユウナ!脱出する知恵をお貸しください!イヤー(黄色い声)変態!強姦蜥蜴!私の純潔がっ!」


その時体がふっと軽くなり気がつけば半裸男は窓を突き破り宙を舞う…飛んどるな。俺がいた地点を良く見てみよう。全裸でマウントしようとしていたネフトがポカーンと俺を見上げてる。その横ミーメイがいる。獣ハンドになっているがあの構えは虎視眈々流奥義 魂威・発勁ではないだろうか?そしてドアの方を見てみよう。ドアが蹴破られている。あれはまさしくセントーレによる後ろ蹴りに間違いない。そして間髪いれずにシュラたんがミーメイを投てき、投げ入れたのだろう。見事な早業である。この俺に弁明の余地も与えんとはな!まぁあの人たちから見たら安静にしてないといけないネフトの服を剥いで犯そうとしていたクズ野郎に見えたらしい。


皆がだんだん小さくなるよ。そしてあっ…


雲を突き抜けたよ~~~~~♪




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