この世で一番危険なヤツ
…気に入られたという理由だけで死にたい気分になる俺ちゃん。我らの約束された休息であるドキッ!めちゃカワ天使とムフフ♥新婚生活は目の前の魔王を倒すことで到達できるが、今日俺の手に抱かれているこのくそ猫が居座る以上、目の前のナウシカアちゃんをあざむく必要があるのだ。
異世界の者共よ、俺を消すがいい。俺はもはや羞恥心にとらわれぬ存在だ…
1年ほし組 いたみ ゆう
誰かお助けをー私は何の取り柄もない冒険者ですぅ~ウオオオオオオ(涙)俺がいったいなにしたってんだよ!離せや!離せばわかる!お願いだー助けてくれ~命(童貞)だけは~
「来たか、勇者。ミカサの洗脳を解いたところをみるとあの鉄屑は倒したのか?」
「ちょうどいい、メイビス様のが言っていた通りの男か試さしてもらおうかな~!」
なんか蝿みたいな虫が体からわらわら出てきてんだけど。気持ち悪ー!誰かアースジェット持ってこい。あーいうのは元から根こそぎ絶やすしかないよね。虫を纏わせているから近づいたらあの虫が一斉に押し寄せてくるんだよね。
「ほらほら苗床にしてやるよ勇者!…ミカサ~そんな可愛い顔してもう男にすり寄ってるのか?そうやって誰にでも股を開くなんてな、はしたない猫だ、まだ調教のしがいがあるってものだ。さぁおいで」
「雌猫ちゃ~ん?ずいぶんお盛んじゃないか、そんな男よりこっちがいいんじゃないか?ん?」
明らかな挑発、案の定歯をむき出しにしてウーウー唸ってる。ミカサがこんな顔するの初めて見たかも。よし、そっちいけ、離せ!
「ほら元カレ読んでるぞ」
すげー冷めた目でこっちみてくる。なんだよやんのかコラッ!生意気な毛玉め!引導渡してくれるわ!
「嫉妬ですか?お姉様みたいなことを…心配には及びません。あのカス!とは何もありませんから…フフン、わかりましたよ。まだ操られていた時のことを根に持ってるのでしょう?」
なんでも都合よく変換できんのなお前!ある意味ものすごく幸せもんだよ!まったくお気楽なもんだな!ミカサは鼻で笑うと見下すように見ている
のが腹立つ。なんだよ、なに見てんのよ!文句あんのかって!お前がわるいんだろが!
「違いますか?純潔を疑うとか…新婚生活は波乱で始まりそう。どうか私の仇とってきてくださいねユウ、こてんぱんに。妻の仇ですよ?終わったら」
「ご 褒 美 あげちゃいますよ(赤面)二人で愛の結晶作りましょう?ふふふふふふ♪」
白目になり吐血する私、うるうるした目で見んなよな!愛の結晶だと、呪われた落とし子の間違いだろ。またの名を負の遺産、頼むから黙っとけ次笑えないこと言ったらダンボールに詰めて海に流すからな。
「黙れやーミカサ!戦闘中だぞ?わかってんのか!お前の私情どうのこうので動いてないんだよこっちは!魔王よりムカッ腹立はこいつわ~!」
「?」
「照れてます?」
…………うるせえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
話が噛み合わんのだてめぇーとは!だから嫌いなんだくそ猫め~人の気持ちとか関係なくそんなこと言うだろ…言ってんだよ!わかってんのか!人差し指で人の胸ぐりぐりすんな。シュラたん、わかるよ、よく今までこんな生活に耐えてきたね。俺なら発狂して死んでる。
「こーのーやーろー!覚えとけよ!」
「む…」
ミカサを天高くほり投げる。猫だから着地も見事に…俺が痛め付けたから顔面地面にぶつけてそのまま棒立ち、力尽きるように倒れる。猫耳は力なくへにゃ~んと萎れている。ははっ!ざまぁー!
なんと性格が歪んだんでしょう。俺は悪くない、こうさせた世界が悪い!
「ナウシカアちゃん!どうかミカサを治療してやってくれ!致命傷は与えてないけどこいつ無理しやがるから!言わないだけで」
「え?何て言ってます?」
聞こえてないやんけ!でも気持ちは伝わってるのか早速ミカサの治療にはいっている。ミカサ、気持ちで通じ合うとはこのことだよ。お前の素敵な人生計画ひけらかす前に俺の気持ちの1%でも考えればいいさ。ズタズタにしてやる!タフなメンタルへし折ってやる!
「伊丹ユウさんだよね?ナウシカアさんから話は聞いています。現状はどう思います?」
「んん?お前が最初に送り込まれた…」
「ローラン・シャルルマーニュ、異世界に来る前はフランク王国の騎士をしていました」
矛盾、確かに剣術と聖霊の加護だけ、勇者としては最低限の力しか持ってない。持ってないにせよオーディンはなぜ俺を送り込んだ?性格を見ても心配事はない立派な男だ。初めて顔を見た時の感想だけどな。俺は明らか余分だろ、俺が来なければ魔王が新たに生まれることもなかったはず…
「うーん…やっぱり変だよな」
「伊丹さん、考える暇ももうないようですよ。向こうは準備万端のようです」
虫が黒い球体になって魔王の周りを飛び交っている。信じられるか、あれ全部虫なんだぜ?キンチョールもしくはアースジェットを!至急至急電話して~もはや災害レベルやんけー!
「あー逃げたい、何やってんだ俺は」
「勇者なら覚悟を決めるべきかと」
「いや、男ならとか関係なく生き残るにはプチプチ潰していくしかないよな…あの…何匹いやがんだチキショー!」
落ち着けと背中を撫で撫でしてくれる。優しいじゃん。さて魔王が手を振りかざした瞬間虫が一斉に押し寄せてくる。汚物はなんだっけ?
「消毒だ~ローラン!剣よりサラマンダーであいつら炙るぞ!二人分の火力なら焼き払える!」
「仲間を巻き込まずに全部焼くつもりですか…まったく無茶な要求ですが!」
「最善です、闇を払い 万象一切を灰塵と帰せサラマンダー!焼き払え!」
「火傷なんて可愛いもんじゃねーぞ!イフリート!ウェルダン通り越して塵にしろ!」
二人の火力は想像を絶する威力だった。うねる火炎が津波のように虫に迫る。飛んで火に入る夏の虫か吸い込まれては消えていく熱気が皮膚にくるとヒリヒリ痛む。虫を押し返し魔王に直撃、余裕の表情、逃げるそぶりも見せなかった。死んでないだろうなー?爆発が起こり辺りは土煙で視界が悪い。目を細めると土煙の奥にこちらに向かって歩いてくる人影、虫だけが取り柄ではないようだな流石は魔王と言ったところか。
煙から現れた魔王は二人の勇者の顔を見るとニヤリと笑う、どうにもこうにも勇者二人でもこいつを倒すには役不足な気が…侮ってた、寄生させて逃げ回るカス野郎かと思ってたがそうでもなさそうだな、考えを改める必要があるな。魔王と呼ばれるだけはある。見たところ外傷ひとつないとはな、一応こっちも全力だったんだけど…
「ヤバイですよね間違いなく」
「そんな硬い喋り方しなくてもいいぞ、これから死ぬかもしれないんだからな」
………。をほおおおおおおおおーーーーっ(身の毛よだち中)!やだよー!もう童貞で死にたくねーよー(涙)ふと我に返ってみる。考えるんだ…
処女で童貞を捨てなくても「風俗に行けばいいじゃないか」逆に考えるんだ。あげちゃってもいいさ…と…だけどミカサ、てめーは駄目だ。お前は俺を怒らせた。
「ブツブツブツブツ…」
「独り言、か?絶望するの早くない?まてまて今までメイビス様の言いつけを守り恥を忍んで愚者を演じてきたのに、これでは報われんではないか!男らしい一騎討ちは望まん、傷だらけの二人の勇者を始末して対等、そうだろ!それが一人が腑抜けに…ふざけるなよ!」
「構えろ伊丹!伊丹ユウ聞いてるか!目と鼻の先にいるんだぞ!?確りしてくれ!待ってくれてるから早く戻ってこい!おいー!」
伝説に残る戦いがしたい魔王と特効魂で魔王と戦う気のローラン、死ぬ間際まで童貞だったことに気づきやり直したい俺、敵味方関係なく俺を励ます異例な光景が…冗談じゃない!
「お前ら童貞か…それだけ聞かせてほしい。どうやら話がわかるらしいからな…」
「「それ今関係な」」
「あるんです!考えてみろ!二回も童貞で死ぬとかあり得ないやろが!辛いんです(号泣)」
「俺の死に場所汚すなよ勇者!俺を殺すやつが童貞がどうのこうので駄々っ子みたいなことしてることがメイビス様に笑われるだろうが!こっちは死を覚悟してるんだよ!」
「どれほどの人間がこいつに殺されてるのか知らないのか!そんな下らないことで!」
「ひいいいん(涙)そんなに怒らないでお願い(号泣)俺のメンタルは土壇場に死を覚悟してメンタルブレイク起こしたんだよ!」
「「だから関係ないだろ今!」」
現実に直面してふと我に返ることってあるだろ?
あっ!ローラン今頭ぶったね!裏切り者!少しくらい人生相談のってくれたっていいんじゃないのかな!今不思議と気分がおかしいな。
「もう始めていいか!付き合いきれん、ローランとか言ったな!お前一人に始末するだけでも十分絶望は与えられる!メイビス様もお喜びになるだろう」
「そうだな、こんな頼りないやつは置いといて始めよう。すまないが魔王の相手で忙しい」
「それが人に謝罪する時の言葉かっ!真剣味が足りないんじゃっボケッ!」
体から赤黒いオーラが溢れる。筋肉が膨張して魔王を見下ろすほど体格が変化する。俺も魔王もローランも今気づいたんだけど。勝手にベルセルク化してるんだけど…いつからしてる?平常心じゃなかったから一気に心が汚染されてたみたい。混乱しまくりなんですけど。
「ドコノドイツダヨオイ!」
「あらっ?やぱりおかしなことなってるわよ?」
「まだ経過を観察、もう少しチャーム強めて」
「怒られても知らないわよ?下手して死ぬなんてことないと思うけど無茶するわよあの子」
城より離れた監視塔、リッチ&リリスは俺の身体をもて遊び中、リッチは魔法をかけたり魔力を絶えず俺の体に注入、リリスは催淫魔法で状態異常を起こしている。
「まだ耐えてもらう、まだまだ教えられた魔法の半分も試していない。そのための身体を今作っている。リリスは術をかけ続けて、やはり外側からベルセルク化をかけたのでは不安定。本来なら状態異常すら跳ね返す はず」
「もう気づいてるわよ~誤解される、別れかたしたから後で会ったときが怖いわ~」
「……それは……私も怖い、だから一緒に怒られて。手段は選ばなかった私も軽率だった」
「今回ばっかりは友達といえどユウに売り渡しちゃうしかなさそう」
「……ふえーん」
あっあーわかったぞ、外部から魔力が流れ込んでくるこんな離れ業できるのはリッチしかいねぇということはリリスも来ているはずだ。殺意と性欲とで混乱しているのか。
「外部カラベルセルク化ヲカケラレルナンテ、改良シテイルナ。イランコトシヤガッテ」
「ベルセルク化ってやる気じゃないですか!うわ言ばっかりだったからとんだ腰抜けかと心配しましたよ」
「噂倒しかと冷や冷やしたがやっぱりそうだメイビス様が危険視してるだけはあるな、油断は禁物だな。ベルセルク化してる素振りもみせなかったのでね他の勇者と違うからな。メイビス様もしかり…厄介なもんだよ」
上衣を脱ぎ捨て筋肉をあらわにする。虫頼りというよりこいつの武器って…
「来る!退くよ!」
ローランは剣先を魔王に向けたまますぐさま後ろに下がる。が、俺は魔王の前から一歩も下がらない。敵が臨戦態勢とったならその場から下がるローランの行動は正しい。下がるどころか俺は前に出た、互いに手をのばせば届く距離に。
「…何のつもりだ」
「散々待タセタオ返シ、ベルセルク化デ気ガ大キクナッテルカラナ。来イヨ!」
「後悔するなよ」
言うや否や右手が俺の左腰を貫通、血が多量に溢れ出す。けっ痛みも快感に変わってんだよな。俺は顔色一つ変えない。騒いでるのは勇者パーティーの人たち、特にデルドレとナウシカアちゃん達だ。穏やかじゃないな、ミカサとか出血してないのに顔面蒼白だ。
「腹に穴空いてるのに平然としているな」
「お前はもう射程圏内だぞ」
「(腕が抜けない)」
貫通したそばから再生を始める。筋肉が収縮して腕をがっちり掴んで離さない。片手を封じ込めたぞ。魔王はゆっくりと顔を上げる。おっ目が合ったな。
「現状把握できたか、褒美じゃねぇのわかったか?これは罠だ」
腕を振り上げる、力を溜めて溜めて溜めて限界まで溜めて降り下ろす!
「虎視眈々流奥義…魂威・発勁!」
…あれ?振動が、起きないな。その時だ体が分断される。振り払っただけで千切れ飛ぶ俺の身体、お前だけは知ってるから冷静に反撃してくれる。
「悪い!ローラン、足止め失敗した!」
「いくら無敵でも無茶…しないと倒せない相手ですが!」
「甘い」
これも腕の一振りで…ローランの剣と魔王の腕が衝突、金属と金属がぶつかったような甲高い音と火花が散る。そして吹き飛ぶローランの体。魔王の手には赤い一筋の後が…ローランの剣、デュランダルがこうもあっさりと防がれるとは。なんて硬度だよまったく!
「虎視眈々流奥義…」
「なんだと!?」
白と黒のシマシマ模様、白虎の獣人だ。鋭い目付きで魔王を吹き飛ばしていく。もろに入った訳じゃない。空中でくるりと宙返りすると腹を抑えてその場に崩れた。
「魂威・発勁、大丈夫ユウ?」
獣ハンドで上体を起こしてくれる。獣化してるようだなどうやら…くっつきかけてるとはいえ乱暴にはしてくれるなよ。肉球のプニプニした触感に頬も緩んじゃう~やらけ~胸も背中に当たってるからか!
「笑ってるの?どこか頭打ったのかな…」
プニプニした肉球で頭を擦る。大丈夫、なんともないよ。ミーメイは俺の体の傷が、致命傷もすぐさま再生するさまに驚いてるようだ。そりゃ驚くわな、再生だけじゃないだろうけど。
「どうしたのこの身体!すごい筋肉ね!」
「ミーメイだけじゃないだろ?他の皆は?たどり着いたのはミーメイだけか?」
ミーメイは顔を横に振ると丁寧に教えてくれた。
「皆は前線で魔王軍を抑えてくれてる。私だけをユウが困ってるだろうからって皆が突破口を開いてくれたの」
飲まず食わずでここまで止まらずに来たってのか?よく追い付けたもんだ。ミーメイの頭を撫で撫でする。ビクッと震えるミーメイにほっこりとしてる場合か!
「ユ!ユウ!?今なにしたの!」
「ありがとう、ごめんな。随分苦労かけちまったみたいだ」
照れるミーメイの奥で立ち上がる魔王、やっと手傷を負わせたが死にはしない。ミーメイの手をかりて立ち上がる。さて、不意討ちだからなんとかミーメイの衝撃は通ったが次はどうやってダメージ与えてやるか…ん?
視界で動く人影、ローランだ。手でなにやらサインを送っている。なるほど挟み撃ち、俺が仕掛けてお前は不意を打つか、いいだろう!のった!
「ミーメイ、魔王の硬い外皮を突き破る手はないか?」
こそっとミーメイに耳打ちすると真っ赤な顔でこしょこしょとなにやら教えてくれた。
「虎視眈々流に一つ、試したい技が…効くかどうかはわからないのですが…」
「よし、なら俺が隙を作るからミーメイは…どうしたミーメイ?」
もじもじし始めたぞ?なに?また耳打ちか?
「それにはユウの力もいるの…今から教えるからよく聞いて」
「あ、ああいいけど。合体技?なにそんなに照れてるんだ?」
聞いてなるほど手を繋ぐのか、うぶなミーメイは年頃の女の子のようにもじもじしてしきりに獣ハンドで顔を隠す。
「行くぞ魔王コラ!必殺技を食らうがいいわ!」
「やってみろ、雑魚が割り込んできても変わるか!一人残らず大好きな神の元へ送ってやる!」
へん!俺はお前倒しても行くんだけどな!行くぞミーメイ!二人で行くか!
「行くぞ魔王、これが虎視眈々流合技!愛虎羅武羅武天衝拳!」
猛虎もノンけるお花畑技、その昔虎視眈々のツンツン白虎の始祖が逆プロポーズが成功した喜びでわずか1日で作り出した裏秘技、別名非リア殺しである。何人の獣人がこの技を知って血の涙を流したことだろう。彼氏いないやつはできないだろうからな。「私は彼氏ができない。けど修行のほうが大事だから」と強がって素直になれなかった獣人がなんど爆死したか。やっぱり「彼氏ほしかったと」気づかせてくれるいい技だ。
「絶望に沈めぇぇぇ!」
「リリスいい加減にしろや!止めろ!」
「ユウ!?どうしたの!?」
繋いだ手を真っ直ぐ突き出す!あーミーメイの鼓動が心拍数上がりすぎだろ。緊張してるのがわかる。手に取るようにわかる!あっ手汗が!
一方その頃怪我で動けないと人たち
「何なのよ!いきなり出てきたあの女!ユウのなんなの!ムキー!仲良さげに手を繋いで…繋いでぇぇぇぇ!」
ハンカチを口で引きちぎるデルドレ、まともに動けないにしてもまだ叫ぶ元気はある。
「まだまだ元気ねぇ~私はぁ~もう任せるわぁ~あの人たちなら何とかしてくれるわぁ」
デルドレもここに来て自分より陰湿な嫉妬の炎を感じて口を閉じる。そう、嫉妬の猫と言えばシュラたん、なのですがぁ…
「獣人、白虎、歳下…手を繋いでる…手を繋いでる!」
耳はぴんと怒髪天、尻尾を箒のようにボサボサと逆立て見るからに激怒。場が凍りついた。ミカサの周りだけ熱気が…温度差が違う。ほっとけば怪我した身体で突撃しそうな雰囲気。
「手ぇぇぇ繋いでるぅぅぅ!」
巻き舌風になってキャラを崩壊させながらも俺ににじり寄るケダモノ。勝負なんて…世界の終わりなんて関係無いかのようだSEKAI NO OWARIですよ。本当に人類の絶滅がかかってるんですよ。なのにこのくそ猫は…
「落ち着かんかミカサ」
「フギャー!」
ナウシカアちゃんのそばで気絶していたシュラがミカサの箒尻尾を握ると我に返って飛び上がるミカサ。
「元気ならお前もあの技をユウを使ってやればいいだろう?」
「あの技?」
もうすっかり自分の崩壊が停止して姉が言ったことを頭の中で繰り返す。あの技…
「あっ」
「わかったらもう行け…うじうじして物怖じするお前が気持ち悪くてかなわん。嫌なら私がしてくるぞ」
全員に背中を向けるミカサ、手に月光刀を確りと握る。先ほどより顔つきもなにやら凛々しいいつも通りのミカサ。
「感謝しますお姉様、見事魔王を仕止めてみせます!」
お散歩に行くように嬉々としてスキップしながら
旅立ったミカサ、まだ重度の怪我もおっている。
でも誰一人止めるものはいなかった。




