大乱闘…突進緊急回避X
黒くて堅い外殻をまとった巨体、二本の大きな角とハンマー状の尻尾が特徴。体力、攻撃力、俊敏性においていずれも他のドラゴンより頭一つ分優れている。普段は砂漠のような土色だが警戒心が高まると体色を変化させ黒くなる。こうなると普段より体力が格段に上がる。その体力の高さから長期戦は免れないと思う。
足に砂漠用スキーを装着し機動性を確保したデザートパックを使用する。元々は局地戦において兵士にある程度柔軟に活動できるように開発が進められたものである。しかし、その土地にあわせ肉体を変化させ適応してきた魔物に力の差は埋めることはできず、試作品は作られたものの一度も実戦では使われずに倉庫に眠っていた。それをオルガ連合軍が回収し調整改良したものを砂漠地帯の守備隊に主に配備されていた。それを拝借していたのを思いだし無限ポーチから引っ張る。
「ふっふっふっ…そしてシュラとの連携プレイの前では攻撃なんて当たるか~!」
突進してくるコクテンさんだが突進中は避ける俺に少し軌道修正を加えて狙っては来るもののシュラが糸を巻き上げて空中を飛び回る俺に攻撃することは不可能、巨体ゆえに小回りはできず死角に現れる俺に攻撃するには時間がかかる。だが俺も分厚い甲殻を破ることができない。
ヒット&アウェーでその場に固まらない。小さい的に突進は驚異だ、巨体な分避けるのに大きく隙ができる。完全に避けきるには攻撃を止めて回避に専念しないと避ける時間より突進のスピードが上回る。
距離が空いてればの話だが…だから回り込むように常に意識して攻撃もその場に止まらず回りながら攻撃をする。
「そぉ~れもういっちょう!!」
移動しながらの攻撃だからそこまで手に力が入らない。そのせいでグラムは軽く甲殻を削るか入っても傷は浅く致命傷にはならない。コクテンさんの動きも止まる気配はない、長期戦になればなるほど俺には不利だが焦って隙を見せれば…こちらは攻撃を一度受ければ二撃目を回避することは恐らくできないだろう。連続して突進をくらいぼろ雑巾のように体をズタズタに引き裂かれることしか頭には思い浮かばない。シュラは俺が深くまで入り込み攻撃をして粘ると容赦なく引っ張る。悔しいが懐でもたついていれば踏み潰されることもあるしあの角で突き上げられることを思えばこの息のできない苦しみなんて軽いもんだ(涙)
ワイヤーアクションを披露してあっちいったりこっちいったりするコクテンさんはちっとも疲れる気配をみせなかった。底無しの体力を思わせる。しかしこちらとしてはグロリアの生存していることを伝え退いてもらおうと考える。動きを止めて説得する機会さえあればこの戦い、いつでも終わるのだ。
「(脅しは無理か、グロリアを殺すと言えば嘘と言われてそれまでだ。この場にいない人を引き合いに出すこと時点で説得なんて無理かな?)」
剣を握りこまず軽く握っては離し握っては離しリラックスしながらコクテンさんを観察している。攻めるとすれば足、あの巨体を支える巨木を思わせるあの太い両足。どちらかを潰せれば身動きがとれなくなるはずだ。関節は甲殻が薄い…狙い目はそこ、問題は近づくことだ。一旦距離を置いてから接近戦に持ち込むのが困難だ。コクテンさんも自分の弱点はよく把握している。何度も俺が近づくことを許しはしない。警戒しているに決まっている。俺がこうやって手をこまねいてる内に突進は始まる。
「さて…一進一退の攻防、このままなら確実俺の敗けだ。コクテンさん?どうかお願いがある」
大きく息を吸い込み吐き出す…吸って吐くのが深呼吸~さて!俺も覚悟を決めるか!!コクテンさんはとっくにその気づもりでいるようだが?俺も甘えてるわけにはいかんよな、なんせ砂上船の乗組員の命背負ってここに立ってんだ…そりゃ負けるわけにはいかないよな?無様な姿は見せられねぇ…勇者ユウの威信に懸けて?いや、そんな感じじゃないな。
「男として…退けねーよ~女の前じゃーな!!」
スキー板を外して踏ん張り効かない砂上に両足ついて剣を納める。顔は笑い片足を踏み出す。コクテンさんは俺の片足が砂につくと同時に突進を始めた。
何のひねりもない巨体任せの突進、凶器の弾丸と化したドラゴンは瞬き一回分で5メートル前方まで迫っていた。よし!
「半身!!」
攻撃範囲が広い突進、敵の攻撃を最小限に留めるために相手に肩を見せて左手を防御に前へ、右手は攻撃に引く攻守一体の構え、どちらかと言えば防御に重点を置いた構え。それに足を使う動作を加える。
西部劇のガンマン勝負のような一瞬の動作が速ければ生き残るこの勝負。俺の反射神経がスピードに乗ったコクテンさんの突進より上手だった。
角が眉間を撃ち抜く前に!角が額の皮を抉るのがわかった。額の出血はなかなか止まらないのは知ってる。だが俺はこの打ち合いで勝負を終わらせる。そんな考えだった。だから後のことを考えてなかったのだ。額からの出血、血で視野を奪われた後の戦いのことを…
「独歩…瞬歩!!ここ!!」
独歩、構えから片足を動かすこと。瞬歩、短い距離を目に捉えられない速さで詰める技。コクテンさんの攻撃範囲の頭から離脱、突進を避けつつ俺の攻撃動作に入る。狙うは喉、確実に隙ができるはずだ。
狙いは間違ってなかった。コクテンさんのあの表情を見るまでは…
「え…」
すれ違いざま、俺が引いた右手を繰り出す前にコクテンさんの横顔…目が…あったのだ。ドラゴンの表情なんてよく読めないが俺はこの時わかった。あれはしてやったりと策が巧く成功した時のニヤケ面に他ならない。俺がコクテンさんの攻撃を避け、殴り付ける前に見せられたその顔に右手が出てこなかった。なにか重大な見落としがあるはずだ。考える時間が隙となって過ぎる。
「あっ!?」
コクテンさんは通りすぎた。向かう先は砂上船、最初から狙いは俺ではなかったのだ。コクテンさんが突進を止めた理由はそこにあった。常に回り込むように周回していた砂上船。コクテンさんと俺、そして砂上船が重なったとき、これをコクテンさんは狙っていたのだ。俺の横を何かが駆け抜けた。何だったろう?風かな?思考停止、時間が止まったように感じられた。何も考えられなかった。辺りがスローモーションになりコクテンさんが踏み込んだ時に出る砂煙、砂の一粒一粒が目に見えてわかる。何個あるのか数えられる。世界が停止する、それも永くは続かなかった。脳が情報を処理し始める。体が動きを取り戻す!!
「どおおぉりゃああぁ!?RPG無識剣んん!?乱反転!!」
グラムを引き抜き体が捻れるほど振りかざし剣の回転から得られる浮力で体を浮かせ発生した風でシルフが集まり滅茶苦茶に俺の体を吹き飛ばす。風の動きはまとまりはなくただ風の弾丸となってコクテンさん目掛け、突き進む。ただ台風のように暴風となって突き進む俺の動きはとんでもない方向に向かうが糸につられてコクテンさんに引き寄せられる。正確には直線上、コクテンさんの前にいる砂上船の甲板からシュラがごぼう抜きしようと糸を巻き上げているにすぎないのだが…な。
「コクテンさん!乙女なら隠したらどうだ、お尻が丸見えだぜ~!美味しそうなデカ尻!!いただきます」
コクテンさんが砂上船に突き刺さるより俺がコクテンさんと接触するほうが早そうだ。早そう…ん?
片方の翼を砂に突き刺し片足を軸に方向転換!?くるりと反転して今にも足が衝撃を受けきれずに折れ曲がりそうだが一歩踏み出し突進の方向を90°反転してみせた。
「最初から狙いは…俺、だったのか…」
絶望よりほっとした、仲間に危害はなくなる。ポジティブな俺の脳はそう考えた。オイ、何とかこの状況を打破する作戦でも捻り出さんかい。あっ走馬灯見えてきた。やっべーな、黒くて大きなコクテンさんが目の前に…シュラが竿を引っ張るから余計距離が狭まる…バカなの?俺とコクテンさんと砂上船は今対角線上にいるのだよ?なんでわざわざ距離を縮める利点があるんだよ?角に胴体が串刺しにされる覚悟はする。無敵のベルセルク化の用意もする。制限時間つきなので使いたくもなかったが…シュラのバカ野郎ー!!そう叫びたかったがそんな思いを打ち砕く一撃!!
「うぐ…!?」
砂上船の甲板がキラリと光った。糸は巻き上げられてる。シュラが飛び出してきた訳じゃない。胸に痛みが…弾丸…撃ち抜かれる前に爆発がおこり熱さが脳に刺激としてやってくる。
ドッゴーンッ!!
閃光がコクテンさんの視野を奪った。無理した足は
突然の刺激でコクテンさんが怯むと足並みずれて自分の生み出したスピードに殺される形で砂の上を転がった。俺も爆風とシルフの風が衝突した衝撃で軽く吹き飛ばされる。この隙に砂上船はコクテンさんの死角へと離脱する。シュラが咄嗟に引き寄せたのはこういうわけか…後で…
「帰ったら×××してやろうかシュラたんめ…徹甲榴弾で撃たせるとか正気じゃねぇぇ~」
頭の中でシュラであーんなことやこーんなことシュラとにゃんにゃんしてやった。砂漠にぶっ倒れている暇なんてない、ボロボロの肉体に鞭打って立たせる。敵はまだ倒れていない。惚けた頭を振り回してなんとか払拭し、辺りを見渡す。
「コクテンさんがいない、どこいった?」
消えた。あの巨体が隠れる場所なんて、ましてや俺でもこの何もない砂漠で隠れるなんて不可能だ。でも忽然と姿を消した。空を見た、ただただ太陽か眩しいだけで空を飛んでる訳じゃない。どこだ?
その時、地震が揺れが俺を襲った。ただでさえ足場が不安定なのに…
「おおおお?おっとっと…おおおお?ふげっ…」
酔っ払いのようにヨタヨタと動き回ってやがてポテッと転ける。砂に顔からダイブしたとき過去の回想からヒントを得ることができた。地面に倒れた姿勢でその時のことを思い返す。
砂、猫耳…シュラの狩りの様子、猫耳だけだして獲物へと近づくシュラ。砂中からいきなり砂上の獲物を強襲する様子を…
「地震?じ、し、ん?」
足下から何かが出ていた。小さな尖った骨のような突起…俺がふと下を見たときの映像…まただ、またゆっくりと動きが止まって…ずるずると砂をはね除け何かが姿を現す…顔が…また合った。
「ブオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
咆哮と一緒にはね飛ばされた。突き上げをくらい俺の体は嘘みたいに飛んだ。俺の頭は何が起こったのか解析中だ。プツンと何かが切れる音がした、それで俺の体は誰にも優しく受け止められるわけもなく砂漠に無防備な体をさらす羽目となる。うっ動かない。かろうじて指を動かせる程度だ。緊急回避が間に合うはずもないんだ。あの距離だどうせアウト。
「う…うう…嘘だろ?」
巨体が迫る。さっき飛び出してきたところだろ?目の前にはコクテンさんが…とんだ連続技だな。コクテンさんはその巨体でもって襲いかかる。
「コクテンさん!」
俺の叫びは砂漠の風にかき消されていく。
テレビの電源をいきなり消したように意識が途絶えた。切断されたように鮮やかに途切れる思考。意識が朦朧としている。起き上がろうともがくも目眩が酷い。体が動かない。手足が、ただついているだけで他人のもののように感じた。しかし耳だけは、最初から自分のものとして機能する。俺は今使える耳だけに集中させる。雄叫び…咆哮を上げるコクテンさん…周りから一匹また一匹と魔物が湧いてくる。
砂中からサンドワームが飛び出し、大サソリが群れをなして現れギルタブリルがどこからともなくやってくる。他の魔物を呼び寄せたようだ。トドメの邪魔をさせないように砂上船を襲わせている。火薬が爆発する音が聞こえる。あぁ助けないと…頭の中でそう思っても体は動くことをしなかった。
コクテンさんは人型となって側まで来た。足音でわかる。足音で、確実に…避けられることを避けるため人型となって確実に始末する気だ…殺される…皆もこのままだと…
ダーンッ…
かなり遠くから聞こえた銃声、大砲の音にかき消されるはずのそれがなぜ聞こえたかはわからない。今となってはさしてどうでもいいことなのだが、妙に頭に残った。ここから砂上船まで距離がある、コクテンさんを狙撃するなんてそもそも無理だ。まぐれで当たったとしても威力不足だ。豆鉄砲と変わらないだろう。ひゅーん…山なりに弾丸は飛んでいるようだ。顔を上げるとコクテンさんが腕を振り上げていた。首を切り落とすようだ。
足に激痛…そしてコクテンさんが腕を降り下ろす。
「フッシュウ~コオオオオ!!」
息を吐き捨てる。いつ立ち上がっていたかもわからない。コクテンさんでさえ降り下ろした腕が空を切ったことに気づくまで時間があった。右手をコクテンさんの胸に乗せる。やがてコクテンさんは俺の存在に気づいた。立ち上がって、睨み付ける俺に!!
ドラゴンに変身されるより早く打ち込んだ。そして叫んだ!
「魂威・発剄!!」
魔力を流し込むマジック・アタックとはわけが違う気迫を打ち込む虎視眈々流奥義…分類すれば殺気をみせるキルングオーラに近い。物理的にダメージを与える魔力や神力、スキルとはまた違う力!
「仲間は殺さない、殺させもしない…」
人型だったがゆえにダメージは深刻だったようでヨロヨロとしながら後退りドラゴン化する。俺は自分の足を見た。銃創…回復弾level3最上級の回復弾、当たれば体力を回復させるヒーリングポーションが仕込まれた弾丸。あの距離からよく狙って当てられたものだな。船では俺が魔法で耐久値をあげていたからまだあの雑魚敵相手ならまだ持つだろう。シュラもいることだし、心配はいらない。そう、最初から魔力なんてなかった、寿命を削る覚悟をしていただから。
「借り…できちまったな」
また息を吸い込み…止め、打ち込む!
「グランド・バスター!!」
拳を地に打ち付ける。振動を起こさせる、ほら地震を起こせるのはテメーだけじゃねーんだぜ?びびった魔物がこちらを一斉に向く、どうやら全員の意識はこちらに向いたようだな…これで!
「サウンドバズーカ&キルングオーラ!!さっさと逝ねじゃないと始末すんぞモンスターども!?」
音の振動…魔物が嫌がる特定の周波をぶつける。音によるストレス、それに俺の灼熱の砂漠を凍てつかせる殺気を前に留まる魔物は一匹もいなかった。今ごろシュラが甲板で嫌々していることだろう。
「残ったのはやはり、あんただけだな…」
コクテンさんと相対することとなった。ここまできたのなら少々残虐になってもいいようだ。両足へし折ってでもグロリアの元に届ける!回復弾で回復できたといっても立てる、くらいにしか治ってない。
生傷は癒えない、どうやら技も打てて後一撃…いやもう腕が潰れるまで打ってやる。潰れて消え去るまで打ち続けてやる!!
「ブオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
渾身の突進、無茶してきたコクテンさんの出せる最後の一撃だろう。俺もだ、これ以上立ってられない座り込んだらもう立てない(涙)泣き言なんて言ってる場合でもないからな。本気で行く!!
「魂威・発剄!!」
一撃目、コクテンさんの突進を止め動きを止める。
ふらついてヨロヨロと後ずさる。頭を振り回してなんとか正気に戻ったコクテンさん、こっちも負けじと追撃。コクテンさんは足を軸に回転、双角とハンマー状の尻尾を武器に近づかせない。
「二重魂威・50×2…100連発剄、方天我撃!!」
頭を振り回しているコクテンさん、右角に俺の両手が命中した。打ち出した両手から繰り出される衝撃に角にひびが広がる。
「ブオオオオオオオオオオオオオオ!?」
「二重魂威・100連方天我撃、二槍~だ~!」
両手で右で100連続左で100連続打ち出す衝撃、コクテンさんの自慢の双角は虚しく散る。
「俺はこれに槍折りと名ずけたよ」
「グオアアアアアアアアアア!!」
回転させた尻尾、回転エネルギーが溜まった破壊力抜群の一撃、だが見誤ったな!それも苦し紛れの攻撃とみた!!
「RPG無識剣!尻尾切り!」
「アガアアアアアアアアアアア!!」
グラムを引き抜き尻尾を切り落とす。コクテンさんが初めてみせた怯んだ隙、それを見逃す手はない!!瞬歩で間合いを詰める。俺は狙う、片足貰っていくからな。分厚い甲殻だが…関節部ならそこまで厚くないはず…くらえ、陣地破壊用打撃…
「バンカ~バスター!!」
「グエエエエエエエエエエエエ…!」
一撃目で抵抗力をゼロにする…これで確実にダメージは中まで通る。役に立たず力なく垂れる右腕、どうやら使えなくなってしまったようだ。痙攣がヤバい…ここまでしたら日常生活まで不自由になる…が気にしてる場合か?後悔は後になったらできる、今はただ!!勝つ!!
「バンカーバスター!!沈めぇー!!」
左腕を打ち込む、まだ倒れない…ちっくしょう…今の俺じゃあグラムを振るう力すら残されていないってーのによー!!コクテンさんは油のささってない機械のようにぎこちない動きでこちらを向こうとするも足のダメージからか姿勢移動すら困難のようだ。今こそ終わらせるときだ…決着を、勝負を白黒ハッキリさせよーや!!ここで立ってたら間違いなく勝者だ!
「グルルルル…」
「虎視眈々流奥義…」
ガタガタ震える左腕を押さえ、コクテンさんの足に的確にさっき打ち込んだ場所に拳を置いた。強かったよ。さすがは最強だ、けどな…俺だって自慢じゃないが
勇者だぜ?
「魂威・発剄!!」
空気が振動した。俺はこれ以上なにも出来ない。ボロボロの体で、ただ立ってるだけで精一杯なんだ!
どうだ?
コクテンさんはその巨体を足で支えきれず力尽きるそりゃもうドッシーンッて…俺の体ちょっと浮いたわ!近づくとまだピクピクと動いているが…気絶してるようだ。
「なかなか強敵だった…あ~腕が~動かない!痙攣が止まらん…左腕は良いとして右腕な…師匠に治してもらわないと…絶対ただじゃ済まされんよな!?」
ここに来てやってきた。後悔!うおー帰りたくねーよー!!勝負に勝って師匠に負ける…目に見えてわかるよな。嫌だー(涙)
「さてと…おっ?コクテンさんの体が…」
コクテンさん体がドラゴンから人型になっていく…
これで運びやすくなった。何とか持ち上げようと努力するも持ち上げられない…腕痺れる…しょうがない。コクテンさんの腰に手をまわして引きずる…
おー腰細い。なんとか砂上船まで…うんしょうんしょうんしょうんしょ…なかなか遠い。
砂上船が俺を拾いにやってくる。遅い!遅すぎる!
これなら待ってる間カップラーメン作れるぞ!!
「その女…ドラゴンは置いていけ、どうせ甘ったれのお前のことだ…トドメさしてないのだろ?食料はさっきの尻尾だけで十分だ…」
シュラのやつめ…そそくさと尻尾だけ先に詰め込んだと思ったらそう言うわけか…俺は早くベッドで横になりたいんだ…乗せろ?
「一緒に連れて帰るんだ…さもなくば」
「置いていくからな…良いのか?」
「いいよ?遊んでるから」
売り文句に買い文句?どっちも引かない両者の戦いしかしこれは砂上船をゆっくり発車させ俺を本気で置いてきぼりにさせる浅ましい作戦を発動してきやがった。俺は少し残虐になってもいいようだ。
「砂の城でも作って遊んでろ。魔王に支配されそうになったら拾いに来てやる」
「ほほーう…ならここで大人の遊びでもやってるからいいよー?次会う時は家族が殖えてるかもね~」
動く部位…腰をカクカク動かしてコクテンさんにぶつける。こんな程度だ。今の俺ができる最大限の嫌味は…あっ戻ってきた。
「どうしたのー?繁殖増殖~♪」
ドンッ!!いて!麻酔弾撃たれたぞ!?それ魔物用だろ!
えーん痛いよ~(涙)皆に虐められるよ~(涙)
ドラ○ん!なにかいい道具ない?ドラゴンはドラ○モんではないので当然救ってはくれない。コクテンさんと一緒に檻に入れられてグースカ目的地まで眠らされた。チキショー!!




