重ねる
赤いグロスをそっと塗ってみたの
白いパウダーをたたいてみた
黒いラインを目尻へ引いて
きらきらに目元を彩って
薄赤いチークでわたしはまたわたしになる
一度持った顔は変えられない。
素顔をみせなければ見せなかった分まで保っていかなければならないの
いつのまにかに隠すものになっていたからわたしはそれに気づけなかったみたい
みてみて、この有り様よ
なんだかもうめんどくさくなっちゃったみたい、隠すのって疲れるわ
だけれどわたしはわたしを魅せるのがやっぱりこわい
こわくてこわくてしょうがない
さらけだしてしまえるあの子やその子
無垢に笑えるそれがなによりうらやましくてしょうがないって
なんだっていいわもう。
赤や黄色、緑に青、ムラサキ色に薄ピンクのさくら色
黒色にはまだなってないはずなの
そう望みたいだけかもしれない自分のことだってわからない
それでもイヤでも時間は流れてしまうから、私は私を
窓をあけてみるわ