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もう、ふっきれた
「そんなことで…っ!その程度のことで俺たち別れなきゃなんねぇのかよ!」
「その程度のことで、だとぉ?ふざけんなこの猿頭!!!」
「み、みき…?」
あら?声に出ちゃってた?腹ん中で言ったつもりだったんだけど…。
まぁ、いっか。
うん…もう、いいや。
目の前にはたじろいだ様子の亮太。そりゃまぁ、従順な清楚系彼女だと思ってた奴に猿頭呼ばわりされたらビビるか…
白いワンピースも、手触りのいい薄いグレーのカーディガンも、7cmヒールのキャメルのストラップパンプスも。今日で終わり。
全部、亮太のお気に入り。
ワンピース着るために5kg痩せた。食べるの大好きな私はなんの修行かと思った。
触りたくなるよなって言うから、評判の柔軟剤ばかばかと使ってやった。
本当はぐらぐらして怖いから苦手だったけど、少しでも顔の近くに寄れるようにヒール履く練習した。
別にそんな努力を知ってほしかったんじゃない。
そんなこと、知らなくていいから、
かわいいって言ってほしかった。
少しでも触ってほしかった。
つりあって見られたかった。
キス、してほしかった。