マイネーム
どれくらい時間がたっただろう。
俺は学校の寮、つまるところの自分の部屋のベッドで天井を仰ぎ見る体で目を覚ました。
鳥の鳴き声と窓から光が差し込んでいるあたり、朝なのだろうが、いかんせん先日のこともあいまいにしか覚えていない。
「ハゲに追われていたんだっけか」
記憶に整理をつけようと試みたが眠気が邪魔をする。
あきらめよう。
さて、ここで皆さん疑問に思っていることであろうが、なぜ俺が自分のベットで寝ているかということだ。
あいにく俺は病院で夢遊病の宣告は受けていない、よって意識ないままに自分のベッドに倒れこむことなどできないのだ。
よって、この疑問点をいつものことだと俺は察することができる。
時間が時間なので、学校への身支度をして寮の階段をゆっくりと降りホールへ向かうと案の定、俺を運んだ人物がそこにいた。
長い黒髪をなびかせ委員長のようなきりっとした印象をあたえる容姿から寸分の狂いもない性格。
西條結がそこにいた。
いや、待ち構えていたというべきか。俺が何か厄介ごとを起こすたびにこのパターンが定着してしまっているから俺も予想はしていた。
西條はこちらに気付くと、どしどしと音を立てて歩いてきた。
「おい、お前私に言うことはないか?」
えらそうな口調で突っかかるように言ってくるが、お世話になっている分俺はこいつに頭が上がらない。
「ありがとうございます西條様」
「まったくお前は建物の屋上で雷に打たれて1日もたっていないというのに元気そうだな」
「いやいや、さすがにどうにもなってないわけないだろ、まだ舌が少しピリピリするっての」
そういうと西條はあきれたように肩を落とした。
「いったい何がどうなってあんなところで倒れてたんだ?」
「俺も正確には覚えてないんだけどよ、ハゲから逃げてたんだよ、」
「それで?」
「ハゲの雷魔法くらってきづいたらベッドの上だ」
そう説明するとあきれたのか、西條は溜息を吐いた。
「まったく訳の分からない理由で厄介ごとに巻き込まれるのはやめてくれ、学生治安部として個人的にお前はマークさせてもらっているが、こうあっちこっちでやってくれると忙しくてかなわんからな、大体お前はいつも、、、、」
どうやら説教が始まるようだ。
「とりあえず学校に遅刻するからいこうぜ、どうせいつものことなんだからよ」
これ以上小言に付き合うのはまっぴらごめんだ。
俺は西條の言葉を遮り、逃げるように学校へとはしりだした。
後ろから声がする「待て!まだ話は終わってないぞ千堂!」と