プロローグ
どうも失敗したみたいだ。
俺は路地裏を駆け回り追ってくる魔法使いから必死に逃げていた。
理由は単純明快、捕まったら殺されるから。
なぜ俺が魔法使いなんかに追われているのかというと、答えは数時間前にさかのぼる、
俺は道に迷いスラム街を歩いていたのだが、ここで補足しておくと俺は極度の方向音痴である。
まあそれはいいとして、歩いていたのだが、魔法使いのローブをまとった青年二人がご老人をいたっぶっていたので、やさしい俺が割ってはいったところ、魔法使いの容姿があまりにも面白かったため(具体的には禿げていた)
思わず「なんだその頭は」と言ってしまったことが原因なのである。
良い子のみんなは知らない人には言葉を選んでから使おう、この場合安全に切り抜けるには、「光ってますね」が正解だったのかもしれない。
走りながらの回想はここで終わりだ、とにかくあの豆電球から一刻も早く逃げ切らねば。
俺は建物の隙間の狭い道を走り回り、どうにか逃げ切ろうと脳をフル回転させた。
そして一つの結論を出した。
壁を走って登ればいいじゃないか!
俺は全速力で壁を駆け上がった。
登り切ったところで後ろの連中が魔法使いか!、などと言っているがそれは違う俺は「ただの体力バカだよ!魔法使いも案外ちょろいんだなぁww」
と捨て台詞を残しそのまま立ち去ろうとした時だった。
俺は油断していた、相手が魔法使いだったということを、狭い路地では魔法攻撃が当たらない、だから禿たちは魔法を打ってこなかった。
しかしいまおれがたっている場所は屋根の上、格好の的だった。
空から雷鳴が響くとともに、俺は意識を失った。