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地雷掃除人  作者: 東京輔
プロローグ
1/140

彼の名は

 信じられねぇ! 信じらねぇよ!


 生きて帰った! 俺は生きて帰って来れたんだ!


 え、何で死ななかったって?


 神様だよ、今までクソも信じてなかった神様が、助けてくれたんだよ!


 あぁ、今でも信じられねぇ。夢でも見てるんじゃねぇのか、俺?


 もしもこれが夢だとしたら、俺は今頃地獄の一丁目か! ハハ、ちげぇねぇ!


 え、本当のことを話せって? オーケィ、オーケィ!


 だが、信じるか信じないかはお前らの勝手だ。


 俺が嘘ついてると思ったら、それはそれで構わねぇ。信じるのは自由だ。


 けどな、今から俺が言うことは紛れもない事実だ。その証拠に俺がいる。


 お前らも、俺があの『必死地帯(デス・ベルト)』から生きて帰ってきたのをまだ信じきれてないんだろ?


 俺はな、助けてもらったんだよ。


 砂埃で顔はろくに見えなかったし、ましてや名乗りもしてくれなかった。


 そいつが俺の目の前まで来たかと思えば、一瞬で足元の地雷をフッ飛ばしてくれたのさ!


 フッ飛ばしたってのは、踏み抜いたわけじゃあねぇぜ? 


 地面にカタナをブッ刺して、見えない地雷を片づけちまったのさ! 


 これでわかっただろ? な? わかっただろ? 俺を助けたイカしたやつ。


 そいつは……。


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