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捨てるのも一瞬で、求めるのも一瞬で


手に入らないとわかった時に、急に欲しくなったりする。

それは人間なら誰でもある感情ではないか。


「……いや、そう思っているのは私だけか」

学校という箱から吐き出されるように流れる人を、学校の塀の角に寄り掛かりながら眺め、ため息を一つ。

自分はもう、彼らのように学校に行くことも彼女らのように友と笑い合うこともない。

見えない一線を感じながら、生徒達が前へ歩き続けるのを見る。

「んや、学生が羨ましい?」

にったり、という言葉が似合いそうな笑顔で近づいてきたのは青年だった。

着ている服は眺めていた学校の制服だが鎖骨が出るほど着崩されており、髪は校則違反ではないのかと言わんばかりの青である。

「髪、教師に止められなかったのか?」

「止められたからやっちゃった」

「……お前」

やっちゃったと可愛くいってもやっていることが残虐である。

「大丈夫ー、ちょっと弄ったくらいで死なない程度だよ」

「次々に代えの教師を用意するこっちの身になれ」

「ほら、なんてったって君のパパが言う神様だからさあ」

そういって楽しく笑った男を、誰が神と間違えたのか。…いや、私の父なのだが。

「それも、最近ちょっと飽きてきたんだけどね」

歩きだしたかと思えばくるりと振り返り、またにったりとねちっこい笑みを浮かべる。

「……君を弄ったら面白そうだよね」



捨てるのも一瞬で、求めるのも一瞬で



とりあえず車に乗りませんか、神様。



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