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台湾海峡制圧戦

2050年2月21日未明。台湾海峡において、新たな戦闘が発生した。

発端は、中国本土から台湾への大規模ミサイル攻撃である。

直前、台湾は連合体側への参加を表明し、同盟国側に対する事実上の宣戦を行っていた。

これに対し、中国軍は台北市を中心とした都市部への精密打撃、ならびに沿岸部の封鎖作戦を同時に実施する。

初動において、中国側は優勢を確保していたと推定される。

この時点で外部勢力の介入がなければ、戦闘は短期間で終結していた可能性が高い。


しかし、アメリカ合衆国はこれに介入した。続いて、周辺諸国も段階的に戦闘へ参加する。


本戦闘において特筆されるのは、中国軍による戦力評価の誤認である。アメリカ軍の介入規模および即応能力を過小評価していたとされ、これにより戦闘は長期化した。


結果として、双方に大規模な損害が発生する。

台湾は、アメリカ軍の支援および防衛網のもと、抗戦を継続した。また、日本も当初は後方支援に限定して関与していたが、状況は急速に変化する。


補給任務中の艦艇が中国軍によって攻撃を受け、さらに尖閣諸島周辺における軍事的圧力が確認された。

これを受け、日本国内では法的枠組みの再編が行われ、戦闘参加が承認された。

以後、自衛隊は実戦行動に移行する。


なお、各国の兵力規模および損害の詳細については、記録の欠落により正確な数値は確認されていない。


同時期、朝鮮半島では別個の戦闘が進行していた。韓国および在韓米軍は北朝鮮と交戦状態にあり、本戦域への直接的な関与は確認されていない。


この南北戦闘は短期間で決着し、連合体側の優勢が確立された。ただし、これはロシアおよび中国が他戦線に戦力を割いていたことに起因する側面が大きい。


台湾海峡における戦闘は、その後「台湾海峡制圧戦」と総称される。


戦闘中盤、連合体側は一時的に戦線を押し返したとされる。台湾、アメリカ、日本による統合部隊が局所的優位を確保したためである。


しかし、この状況は長くは続かなかった。


中国側は、新型の生物兵器を投入する。後に「ZAウイルス」と分類される病原体である。


この兵器は、感染者の神経系に作用し、攻撃衝動を極端に増幅させる特性を持つ。完全な死体化は確認されておらず、感染者は生存状態のまま制御不能に陥る。


戦闘地域において感染は急速に拡大した。都市機能は短時間で崩壊し、戦闘継続は不可能となる。

連合体側は段階的撤退を実施し、台湾海峡周辺は実質的に放棄された。


この結果、台湾海峡制圧戦は同盟国側の勝利として記録されている。


なお、中国側は事前に限定的な防護手段、あるいは治療技術を確保していた可能性が指摘されている。

これにより、中国軍における感染被害は極めて限定的であったとされる。

本戦闘は、生物兵器が戦局を決定づけた初の事例と位置付けられる。

同時に、各国はこれを受け、生物兵器開発および対抗手段の研究を本格化させた。


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