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第33話 黒川さんの経歴
黒川さんがコラムの執筆はほどほどに、畳の上でジグソーパズルをしている。
黒川さんは多趣味だ。
「黒川さんて異世界課の前は何してたんですか?」
この前のナイフの構え方といい、こっちの世界の人間じゃないんじゃないかと思いはじめている。
「私は一応、短大をでて、キングスカンパニーに入社、そのまま異世界課所属ということになっています。」
一応?なっています?
引っかかるところはあったがあえて聞かなかった。
「いやー黒川さんと会った時は、転生直後の私より社会性がなかったから心配したんだよ。今はマシになったほうだよ」
課長が黒川さんの頭を撫でる。
まるで娘のような扱いだ。
「そうやって課長が甘いから…」
「そろそろ退社時間なので失礼します。」
黒川さんはさらっと頭を下げて帰ってしまった。
ジグソーパズルはそのままで…。
黒川さんの謎は深まるばかりだ。




