第25話 支社長の激励
「バン!」
異世界の扉がノックもなしに開けられた。
「ゲイルくん!いるかい?」
白髪にあごひげ、豪胆という言葉が似合いそうな男が入ってきた。
「天海さん。どうしました?」
この人が支社長らしい。入社式の時と、社内報で知ってはいたが直接会うのははじめてだ。
「やっと異世界課が活動し始めたから激励に来たよ!」
そういうと俺の方にツカツカと近づいてきた。
「君が佐藤くんだね?」
「はい!」
握手をされた。大きな手だ。
「君のおかげで異世界課の業務が進むよ。ありがとう。」
褒められた!
「はい!ありがとうございます!」
「いやー、私が向こうの物使うと、物壊したり、私が体調壊したりで周りが使わせてくれないんだよ…。君のおかげで使っても大丈夫かわかるから助かるよ!はははは」
「…。」
俺の身を案じてくれる人はいない…。
「後、ゲイルくんにちょっと頼みごとあるんだけど」
「なんですか?」
「今度九州に新しく営業所作るから本社に資金援助をお願いしてもらいたいんだ。例のあれで」
「わかりました。九州のお土産渡せば大丈夫だと思いますよ。」
何か闇を感じた。
「それから…」
今度は黒川さんの方に行き、支社長は頭を下げた。
「黒川さん。これからも異世界課をよろしくお願いします。」
「わかりました。」
ええ…?!黒川さんはどういった立場なの??
「それじゃあ、みんな頑張ってくれたまえ!」
支社長は嵐のように去って行った。




