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短いどらむぢよんⅣ
「孤客」
あるだろうか この先に
僕の思い描いた
僕の欲しがった
あの日の真実が
あってほしい この先に
僕の見たかったモノ
僕の価値ではかるモノ
あの日の物語が
でも 無くてもいい この先に
僕の汚さ
僕の狡猾さ
あの日の強がりが
僕の心に重くのしかかる
求めずにはいられないけれど
吐き気がするほど恐ろしい
「にじ。」
約束をした
嘘をつかれた
裏切られた
絵の具が足らないの?
ケント紙なら持ってるよ
小さくてもいいから
プリズムになりたい
「黒いテディベアのめだまはガラス玉」
オルゴールの音色に狂う
破れたカレンダーになぞる愛を
ぼくらはただ黙って見下ろすだけだ
小さく悲鳴をあげて
嘲笑してみるピエロの踊り
満ちては欠ける
欠けては満ちる
薄暗いお昼に並んだ
まるい皿の割れた音で
ばちんと目覚める7月のように
うつむくなかれ
あなたの目は光をはじく
未来を探る手掛かりの如く
摘んでは枯れ
枯れては摘み
ステンドグラスにひざまづいている