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はだしのワルツ
真夜中の電波にのつて 癸の夜明けは降りやむであらう
僕はどうしてあすこをゆくのでせう?
電飾器も秋桜もただ存在理由をわかつて貰ひたくて
蝶々《テフテフ》もあの天空に架かつているまるで蜘蛛の巣のやうな
不安定に視線を放はな電動画像回線に捕獲れるであらう
めつきり沈んだ天
とほい決心もうしなひさうです
今日も明日も僕はこのうへをゆくことは無いだらう
はねあがつたりはしつたりしたいのですが
だうも僕に出来さうぢやないです
踊らう
こんな夜は 皆で いつせいに
さう ワルツを
らうそくの炎のやうな揺らめきもとほく
待ち構へるは夢の向かう側