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すなのしろ
そらよりもたかくて
うみよりもふかくて
かぜよりもはやくて
そんなげんしょうをぼくはしっている
そんなこういをきみはみている
それはとてもまちがったげんそうで
いくつになってもかわることのないすなのしろ
それはわずかなかげをおとして
あっというまにとけてゆくすなのしろ
しあわせなんてどこにもない
ひとそれぞれちがうものだというのなら
ぼくのもとめるしあわせなんてげんそうは
どこにもない
ぷっつりとおもいえがいていたげんそうがとだえて
ぼくはきみにあやまらなきゃいけない
それはとてもかしんしてしまったみらいで
ときがたてばとけてゆくすなのしろ
それはとてもばかなせんたくをした
くりかえしまなぶことのないすなのしろ
とめるすべなんてどこにもない
ひとりひとりのいしきだというのなら
ぼくのことをはいがつぶれてもくびだけになっても
とめてみろ
それはわずかなこころのつけがたまったよるに
はじけるようにきはつしたすなのしろ
すなのしろ